剣士アスカ・グリーンディの日記

sayure

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第4章 貴方へ愛の言葉を

牢獄の夜

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昼間には気づかなかった海風の音。

崖や牢獄内外の壁、鉄格子などにぶつかり、不安定な高い音を響かせている。

牢獄内は薄暗い。

所々は、闇。

壁に松明を引っ掛けておく場所が見えるけど、実際は牢獄内は、月明かりに頼っている。



ここは、息苦しい場所だ。



あの男がいるから?



人の生死の境目にある様な場所だから?



まさか、牢獄内が暗いからという理由じゃないだろう。



囚人らは、この場所で何を思うのだろうか。



出られないのなら、いっその事、殺してくれと願うのか?



生きているなら、それで満足だと思う者もいるのかも知れない。



無実の罪の者がいたとしたら?



死にたい。



それでも、死に切れない。



この牢獄に入れた者を、殺したい。




そう思うのかも、知れないな。




どう思うのかは、人それぞれ。





この牢獄には、人生の終着点になる者達も少なくはないはず。



夢は、もう寝てみるもの以外に、存在はしない?



金持ちであれば、家族に会うなどの事くらいは、許されるだろうな。




実際は、どうだろうか。





あまり、





囚人に深く関わらない方がいいのかも知れないな。



しばらくここに身を置く間、事を荒立てない様にしよう。



そして、国王からの帰還命令を待とう。





ジスマリアの9日
                      カインハッタ牢獄にて

____________________________
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