85 / 113
第4章 貴方へ愛の言葉を
牢獄の夜
しおりを挟む
昼間には気づかなかった海風の音。
崖や牢獄内外の壁、鉄格子などにぶつかり、不安定な高い音を響かせている。
牢獄内は薄暗い。
所々は、闇。
壁に松明を引っ掛けておく場所が見えるけど、実際は牢獄内は、月明かりに頼っている。
ここは、息苦しい場所だ。
あの男がいるから?
人の生死の境目にある様な場所だから?
まさか、牢獄内が暗いからという理由じゃないだろう。
囚人らは、この場所で何を思うのだろうか。
出られないのなら、いっその事、殺してくれと願うのか?
生きているなら、それで満足だと思う者もいるのかも知れない。
無実の罪の者がいたとしたら?
死にたい。
それでも、死に切れない。
この牢獄に入れた者を、殺したい。
そう思うのかも、知れないな。
どう思うのかは、人それぞれ。
この牢獄には、人生の終着点になる者達も少なくはないはず。
夢は、もう寝てみるもの以外に、存在はしない?
金持ちであれば、家族に会うなどの事くらいは、許されるだろうな。
実際は、どうだろうか。
あまり、
囚人に深く関わらない方がいいのかも知れないな。
しばらくここに身を置く間、事を荒立てない様にしよう。
そして、国王からの帰還命令を待とう。
ジスマリアの9日
カインハッタ牢獄にて
____________________________
崖や牢獄内外の壁、鉄格子などにぶつかり、不安定な高い音を響かせている。
牢獄内は薄暗い。
所々は、闇。
壁に松明を引っ掛けておく場所が見えるけど、実際は牢獄内は、月明かりに頼っている。
ここは、息苦しい場所だ。
あの男がいるから?
人の生死の境目にある様な場所だから?
まさか、牢獄内が暗いからという理由じゃないだろう。
囚人らは、この場所で何を思うのだろうか。
出られないのなら、いっその事、殺してくれと願うのか?
生きているなら、それで満足だと思う者もいるのかも知れない。
無実の罪の者がいたとしたら?
死にたい。
それでも、死に切れない。
この牢獄に入れた者を、殺したい。
そう思うのかも、知れないな。
どう思うのかは、人それぞれ。
この牢獄には、人生の終着点になる者達も少なくはないはず。
夢は、もう寝てみるもの以外に、存在はしない?
金持ちであれば、家族に会うなどの事くらいは、許されるだろうな。
実際は、どうだろうか。
あまり、
囚人に深く関わらない方がいいのかも知れないな。
しばらくここに身を置く間、事を荒立てない様にしよう。
そして、国王からの帰還命令を待とう。
ジスマリアの9日
カインハッタ牢獄にて
____________________________
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判
七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。
「では開廷いたします」
家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる