75 / 113
第3章 竜の涙
ザシンとマイクリーハの決断
しおりを挟む
僕は今、ジュシテナという丘にある簡易的な小屋にいる。
元ダルレアス自治領の、クフト城よりも奥の方にあるシーリンクという街の外れだ。
もう、ダルレアス自治領は存在しない。
紫雷刀身竜は死に、ザシンは威厳山に隠居を決めた。
もう少しこの場で心身を癒し、僕はまた戻らなければならないけど。
その前に、僕の心を整理するために、またこの日記を書き始める。
あのディオガルーダの戦いの後、僕はツォルバ騎士団の騎士に治療場所に連れられ、治療を受けた。
その時は、ザシンが雲隠れをしていて、不信感が少しあったんだけど、その理由が後でわかったんだ。
僕は治療の後、制止を振り切り、ベルベッタの敵を討ちに王都の砦門を開けさせようとした時、砦の見張り台から姿を現した者は。
やっぱり、僕を警戒していた。
そう思った。
邪教国に睨まれているウイプル、コーリオ、アスデン、この3国が連携を強めるためには、同盟を強固にしないといけないから。
だから、ウイプルの民の死傷を不問にした。そして、ベルベッタの死も。
僕の動きを監視して、不穏な動きを見せた時は、立ち塞がると、思っていた。
貴方との戦いは、避けたかったんだ。
リガード竜騎士団騎士長、アーマン。
すでに剣を抜いていた。
それでも。
僕は、引かない。
決して。
貴方が相手でも。
僕の傷はその時、もちろん癒えているはずもなく、老練な剣術を持つアーマンは、僕の戦い方を見て知っているはず。
敵となれば、かなりの強敵だった。
もちろん、敵として見る事はあり得ないと思っていた。
アーマンは剣の切っ先を僕に向け、お前の向かう行き先を聞いておこうと言ってきたんだ。
僕は、正直に答えたよ。
アスデン王国のマージラスの砦にいるダラメイズの元へ向かうと。
僕の家族の敵討ちだと。
_________
リガード竜騎士団騎士長アーマンは、眉間にしわを寄せ、眼光鋭く、僕をじっと見つめていた。
僕に、覚悟があるのか、と問われた。
僕は、頷いた。
ベルベッタの死を許しはしない。
僕が生きている限り、アスデン王国のマージラス砦のダラメイズは必ず討つ、と。
これを果たさなければ、僕がウイプルを本気で守っていこうなどとは思えなかった。
ディオガルーダの思いも、受け止めていこうと、決めたんだ。
死んだ様に生きて、ウイプルを守りきる事など出来はしない。
そんなに、物事は甘くないんだって、ディオガルーダは戦いの中で教えてくれた。
僕を止めるには、僕を殺すしかないんだ。
でも、アーマンは目を逸らし、何処かへ手で合図を送って、剣を鞘に納めた。
そして、王都の砦門が開かれた。
その中から出てきた者達は。
準備は良いかな、アスカ・グリーンディと。
ダルレアス自治領のザシンとツォルバ騎士団騎士長ウガニエムと、ツォルバ騎士団の騎士達30名ほど。
その鎧の形は、ツォルバ騎士団が身につけていた鎧じゃない。
ウイプル王国、リガード竜騎士団の騎士の鎧だった。
ダルレアス自治領をウイプル本国に再統一する話に難を示していたザシン。
ザシンが姿を見せなかった理由を、ここで知る事になったんだ。
ザシンは、難を示していたウイプル再統一を一転、受け入れる代わりに、自分の提案を飲む様にと、国王マイクリーハと交渉していた。
同盟の交流会開催期間中、ウイプルの民を安易に死傷し、不問にされていたアスデン王国上級兵ダラメイズの身柄引き渡し要求をアスデン王国国王に行い、ダラメイズをウイプル王国による裁きにかける事、
それが通らない場合、同盟の一部規約を破棄、アスデン王国マージラス砦を陥落させるため、ウイプル王国軍を進軍させる事。
少しばかり帝国主義の考えを持つ国王マイクリーハに、ダルレアス自治領の民を心配していたんでしょう?
老いた紫雷刀身竜の身が心配だったんでしょう?
だから、ダルレアス自治領のウイプル本国への再統一をなるべく遅らせようとしていたんでしょう?
無理な要求だった。
でも、国王マイクリーハの念願のダルレアス自治領のウイプル本国再統一、そして僕がウイプル上級兵のリガード竜騎士団遊撃隊長で、その僕の家族が殺されているという話が、事を動かしていた。
アスデン王国国王は、ダラメイズの身柄引き渡しを拒否。
その姿勢を嫌い、ウイプル国王マイクリーハは、アスデン王国マージラス砦陥落を決断した。
ウイプル王国が大規模の軍を動かすと、アスデン王国と全面戦争にもなり得るため、国王は一部の部隊のみ出兵を許可した。
感謝しても、仕切れない。
みんな、ありがとう。
ダルレアス自治領のみんな。
僕が、この先、ウイプルを必ず守るから。
_________
アスデン王国が兵をマージラス砦に寄せていなければ、駐屯兵は100と訊いていた。
数で言えば、負けているけど、戦力で言えば、こちらに分がある。
元ツォルバ騎士団の騎士は、リガード竜騎士団の騎士と同等の実力を持つ精鋭部隊。
でも、僕はマージラス砦の陥落を目標としていなかった。
あくまでも、ベルベッタを殺したダラメイズのみ。
ただ、いつまでもダラメイズを匿って、彼が姿を現さないのであれば、そのまま陥落させるしかなくなる。
僕は、誰にでも慈悲深い神父でもない。
戦に身を置く、剣士だ。
早朝にアスデン王国マージラス砦に到達し、戦に突入する。
アスデン王国マージラス砦守備隊長ダラメイズ。
ベルベッタに私欲のため近寄り、死に至らしめたその罪、身を以て知れ。
_________
元ダルレアス自治領の、クフト城よりも奥の方にあるシーリンクという街の外れだ。
もう、ダルレアス自治領は存在しない。
紫雷刀身竜は死に、ザシンは威厳山に隠居を決めた。
もう少しこの場で心身を癒し、僕はまた戻らなければならないけど。
その前に、僕の心を整理するために、またこの日記を書き始める。
あのディオガルーダの戦いの後、僕はツォルバ騎士団の騎士に治療場所に連れられ、治療を受けた。
その時は、ザシンが雲隠れをしていて、不信感が少しあったんだけど、その理由が後でわかったんだ。
僕は治療の後、制止を振り切り、ベルベッタの敵を討ちに王都の砦門を開けさせようとした時、砦の見張り台から姿を現した者は。
やっぱり、僕を警戒していた。
そう思った。
邪教国に睨まれているウイプル、コーリオ、アスデン、この3国が連携を強めるためには、同盟を強固にしないといけないから。
だから、ウイプルの民の死傷を不問にした。そして、ベルベッタの死も。
僕の動きを監視して、不穏な動きを見せた時は、立ち塞がると、思っていた。
貴方との戦いは、避けたかったんだ。
リガード竜騎士団騎士長、アーマン。
すでに剣を抜いていた。
それでも。
僕は、引かない。
決して。
貴方が相手でも。
僕の傷はその時、もちろん癒えているはずもなく、老練な剣術を持つアーマンは、僕の戦い方を見て知っているはず。
敵となれば、かなりの強敵だった。
もちろん、敵として見る事はあり得ないと思っていた。
アーマンは剣の切っ先を僕に向け、お前の向かう行き先を聞いておこうと言ってきたんだ。
僕は、正直に答えたよ。
アスデン王国のマージラスの砦にいるダラメイズの元へ向かうと。
僕の家族の敵討ちだと。
_________
リガード竜騎士団騎士長アーマンは、眉間にしわを寄せ、眼光鋭く、僕をじっと見つめていた。
僕に、覚悟があるのか、と問われた。
僕は、頷いた。
ベルベッタの死を許しはしない。
僕が生きている限り、アスデン王国のマージラス砦のダラメイズは必ず討つ、と。
これを果たさなければ、僕がウイプルを本気で守っていこうなどとは思えなかった。
ディオガルーダの思いも、受け止めていこうと、決めたんだ。
死んだ様に生きて、ウイプルを守りきる事など出来はしない。
そんなに、物事は甘くないんだって、ディオガルーダは戦いの中で教えてくれた。
僕を止めるには、僕を殺すしかないんだ。
でも、アーマンは目を逸らし、何処かへ手で合図を送って、剣を鞘に納めた。
そして、王都の砦門が開かれた。
その中から出てきた者達は。
準備は良いかな、アスカ・グリーンディと。
ダルレアス自治領のザシンとツォルバ騎士団騎士長ウガニエムと、ツォルバ騎士団の騎士達30名ほど。
その鎧の形は、ツォルバ騎士団が身につけていた鎧じゃない。
ウイプル王国、リガード竜騎士団の騎士の鎧だった。
ダルレアス自治領をウイプル本国に再統一する話に難を示していたザシン。
ザシンが姿を見せなかった理由を、ここで知る事になったんだ。
ザシンは、難を示していたウイプル再統一を一転、受け入れる代わりに、自分の提案を飲む様にと、国王マイクリーハと交渉していた。
同盟の交流会開催期間中、ウイプルの民を安易に死傷し、不問にされていたアスデン王国上級兵ダラメイズの身柄引き渡し要求をアスデン王国国王に行い、ダラメイズをウイプル王国による裁きにかける事、
それが通らない場合、同盟の一部規約を破棄、アスデン王国マージラス砦を陥落させるため、ウイプル王国軍を進軍させる事。
少しばかり帝国主義の考えを持つ国王マイクリーハに、ダルレアス自治領の民を心配していたんでしょう?
老いた紫雷刀身竜の身が心配だったんでしょう?
だから、ダルレアス自治領のウイプル本国への再統一をなるべく遅らせようとしていたんでしょう?
無理な要求だった。
でも、国王マイクリーハの念願のダルレアス自治領のウイプル本国再統一、そして僕がウイプル上級兵のリガード竜騎士団遊撃隊長で、その僕の家族が殺されているという話が、事を動かしていた。
アスデン王国国王は、ダラメイズの身柄引き渡しを拒否。
その姿勢を嫌い、ウイプル国王マイクリーハは、アスデン王国マージラス砦陥落を決断した。
ウイプル王国が大規模の軍を動かすと、アスデン王国と全面戦争にもなり得るため、国王は一部の部隊のみ出兵を許可した。
感謝しても、仕切れない。
みんな、ありがとう。
ダルレアス自治領のみんな。
僕が、この先、ウイプルを必ず守るから。
_________
アスデン王国が兵をマージラス砦に寄せていなければ、駐屯兵は100と訊いていた。
数で言えば、負けているけど、戦力で言えば、こちらに分がある。
元ツォルバ騎士団の騎士は、リガード竜騎士団の騎士と同等の実力を持つ精鋭部隊。
でも、僕はマージラス砦の陥落を目標としていなかった。
あくまでも、ベルベッタを殺したダラメイズのみ。
ただ、いつまでもダラメイズを匿って、彼が姿を現さないのであれば、そのまま陥落させるしかなくなる。
僕は、誰にでも慈悲深い神父でもない。
戦に身を置く、剣士だ。
早朝にアスデン王国マージラス砦に到達し、戦に突入する。
アスデン王国マージラス砦守備隊長ダラメイズ。
ベルベッタに私欲のため近寄り、死に至らしめたその罪、身を以て知れ。
_________
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

ご期待に沿えず、誠に申し訳ございません
野村にれ
恋愛
人としての限界に達していたヨルレアンは、
婚約者であるエルドール第二王子殿下に理不尽とも思える注意を受け、
話の流れから婚約を解消という話にまでなった。
責任感の強いヨルレアンは自分の立場のために頑張っていたが、
絶対に婚約を解消しようと拳を上げる。

やりなおしジュリアーナ姫の復讐劇
わらびもち
恋愛
先の戦の英雄に望まれ嫁ぐこととなったジュリアーナ姫は幸せな結婚生活を夢見ていた。
しかし、嫁ぎ先で待っていたのは地獄のような日々。
結婚して早々に離れへと押し込まれ、遂には命まで奪われそうになる。
しかしとある人物が己の命と引き換えにジュリアーナ姫を過去へと飛ばし、九死に一生を得た。
記憶を保ったまま過去へと戻ったジュリアーナは大切な人を失った悲しみに心を壊し、元凶である英雄に復讐を誓う。
「あの男……許せない。絶対にこの手で地獄に叩き落してやるわ……」
純真無垢で人を恨むこととは無縁だったお姫様はこの日復讐の鬼と化した。
処刑された令嬢、今世は聖女として幸せを掴みます!
ミズメ
恋愛
かつて侯爵令嬢マリエッタは、聖女を害したとして冤罪で処刑された。
その記憶を持ったまま、マリエッタは伯爵令嬢マリーとして生を受ける。
「このまま穏やかに暮らしたい」田舎の伯爵領で家族に囲まれのびのびと暮らしていたマリーだったが、ある日聖なる力が発現し、聖女として王の所に連れて行かれることに。玉座にいた冷徹な王は、かつてマリエッタを姉のように慕ってくれていた第二王子ヴィンセントだった。
「聖女として認めるが、必要以上の待遇はしない」
ヴィンセントと城の人々は、なぜか聖女を嫌っていて……?
●他サイトにも掲載しています。
●誤字脱字本当にすいません…!

人形となった王妃に、王の後悔と懺悔は届かない
望月 或
恋愛
「どちらかが“過ち”を犯した場合、相手の伴侶に“人”を損なう程の神の『呪い』が下されよう――」
ファローダ王国の国王と王妃が事故で急逝し、急遽王太子であるリオーシュが王に即位する事となった。
まだ齢二十三の王を支える存在として早急に王妃を決める事となり、リオーシュは同い年のシルヴィス侯爵家の長女、エウロペアを指名する。
彼女はそれを承諾し、二人は若き王と王妃として助け合って支え合い、少しずつ絆を育んでいった。
そんなある日、エウロペアの妹のカトレーダが頻繁にリオーシュに会いに来るようになった。
仲睦まじい二人を遠目に眺め、心を痛めるエウロペア。
そして彼女は、リオーシュがカトレーダの肩を抱いて自分の部屋に入る姿を目撃してしまう。
神の『呪い』が発動し、エウロペアの中から、五感が、感情が、思考が次々と失われていく。
そして彼女は、動かぬ、物言わぬ“人形”となった――
※視点の切り替わりがあります。タイトルの後ろに◇は、??視点です。
※Rシーンがあるお話はタイトルの後ろに*を付けています。

愛しの婚約者に「学園では距離を置こう」と言われたので、婚約破棄を画策してみた
迦陵 れん
恋愛
「学園にいる間は、君と距離をおこうと思う」
待ちに待った定例茶会のその席で、私の大好きな婚約者は唐突にその言葉を口にした。
「え……あの、どうし……て?」
あまりの衝撃に、上手く言葉が紡げない。
彼にそんなことを言われるなんて、夢にも思っていなかったから。
ーーーーーーーーーーーーー
侯爵令嬢ユリアの婚約は、仲の良い親同士によって、幼い頃に結ばれたものだった。
吊り目でキツい雰囲気を持つユリアと、女性からの憧れの的である婚約者。
自分たちが不似合いであることなど、とうに分かっていることだった。
だから──学園にいる間と言わず、彼を自分から解放してあげようと思ったのだ。
婚約者への淡い恋心は、心の奥底へとしまいこんで……。
※基本的にゆるふわ設定です。
※プロット苦手派なので、話が右往左往するかもしれません。→故に、タグは徐々に追加していきます
※感想に返信してると執筆が進まないという鈍足仕様のため、返事は期待しないで貰えるとありがたいです。
※仕事が休みの日のみの執筆になるため、毎日は更新できません……(書きだめできた時だけします)ご了承くださいませ。
※※しれっと短編から長編に変更しました。(だって絶対終わらないと思ったから!)

王妃の秘薬
桃井すもも
恋愛
サフィニアが、王国の若き太陽、王太子殿下のディアマンテに輿入れしたのは昨年の春。王配が崩御してから僅か三ヶ月後の事だった。
喪中も最短にしての婚礼は、国賓だけを招く厳かというか静かというか、最低限の設えを保つに留めた挙式であった。
ディアマンテは貴族学園を卒業したばかりの十八歳。対する妃のサフィニアは二十二歳。四つ年上の妃であった。
何故、それほど急いだのか。
何故、頃合いの年頃から妃を選ばなかったのか。
そこには王国と、サフィニア自身の事情があった。
❇鬼の誤字脱字を修復すべく公開後に激しい修正が入ります。
「間を置いて二度美味しい」とご笑覧下さいませ。
❇登場人物のお名前が他作品とダダ被りする場合がございます。皆様別人でございます。
❇相変わらずの100%妄想の産物です。妄想なので史実とは異なっております。
❇妄想遠泳の果てに波打ち際に打ち上げられた妄想スイマーによる寝物語です。
疲れたお心とお身体を妄想で癒やして頂けますと泳ぎ甲斐があります。
❇座右の銘は「知らないことは書けない」「嘘をつくなら最後まで」

【完結】記憶も婚約者も失くしましたが私は幸せです ~貴方のことは忘れました~
Rohdea
恋愛
───目覚めたら記憶喪失になっていて婚約者は妹の夫になっていました。
身体中の痛みに魘されながら目を覚ますとそこは見知らぬ天井。
目が覚めたのね、と呼びかけられてもなんの事かもさっぱり分からない。
どうやら、自分は記憶喪失になったらしい。
侯爵令嬢のヴァレリアは、
馬車に轢かれる事故にあって生死をさまよい過去の記憶を失ってしまう。
目覚めた時、その場に集まったのは医師を除くと、
両親、妹、そして家族の一員ではなさそうな一人の男性。
その男性こそが自分……ヴァレリアが婚約していた王子だった。
しかし、その後に聞かされたのは自分が眠っている間に、
妹、アルレットと婚約者だった王子、ビンセントが
結婚したという話だった────……
思い出せない過去にしがみつくことはせずに、
新たな人生を歩んで幸せになろうと決めたヴァレリア。
そんなヴァレリアの前に現れたのは、
事故の当事者でもある伯爵フロリアン。
彼はヴァレリアの馬車事故になにやら疑問を抱いているようで────

離婚しましょう、私達
光子
恋愛
「離婚しましょう、私達」
私と旦那様の関係は、歪だ。
旦那様は、私を愛していない。だってこの結婚は、私が無理矢理、お金の力を使って手に入れたもの。
だから私は、私から旦那様を解放しようと思った。
「貴女もしつこいですね、離婚はしないと言っているでしょう」
きっと、喜んで頷いてくれると思っていたのに、当の旦那様からは、まさかの拒否。
「私は、もう旦那様が好きじゃないんです」
「では、もう一度好きになって下さい」
私のことなんて好きじゃないはずなのに、どうして、離婚を拒むの? それどころか、どうして執着してくるの? どうして、私を離してくれないの?
「諦めて、俺の妻でいて下さい」
どんな手を使っても手に入れたいと思った旦那様。でも違う、それは違うの、そう思ったのは、私じゃないの。
貴方のことが好きだったのは、私じゃない。
私はただ、貴方の妻に転生してしまっただけなんです!
―――小説の中に転生、最推しヒロインと旦那様の恋を応援するために、喜んで身を引きます! っと思っていたのに、どうしてこんなことになってしまったのか……
不定期更新。
この作品は私の考えた世界の話です。魔法ありの世界です。設定ゆるゆるです。よろしくお願いします。
R15です。性的な表現があるので、苦手な方は注意して下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる