剣士アスカ・グリーンディの日記

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第3章 竜の涙

同盟国(for three days)

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人間の幸せ

そして、竜の幸せ

それが重なり合う場所が、

このウイプル王国だと、

信じて疑わなかった

僕が、人間として、人間側に立っていたから

竜側から見たウイプル王国は、どうだろうか

お母様も、半人半獣だから、判断は難しいだろう

僕と仲の良かった、ベルベッタ

君は、どう答えるだろうか

もう一度、

会ってそれを訊いてみたい



アリグルドの3日
                     ウイプル王国の竜の祭壇にて

____________

もう一月も前になる。

邪教国である聖バハール王国軍の進軍に対し、ウイプル領域残存勢力全てを費やし、これを食い止めに当たった。

ダルレアス自治領の軍もまた、参戦し、総兵数は600まで至った。

結果は、ウイプルの圧勝に終わった。

進軍の聖ババール王国軍は、全滅。

聖ババール王国は、国王が暗殺され、指揮系統がずたずただ。近隣の同じドメイル教信仰国が、兵を割き、代わりにババールの防衛をしているという話だ。

僕とブルーシーズらがドメイル教信仰国デンパルネードで、ダマズル司教を殺した際、僕の正体は知られている。

いずれ、デンパルネードもこのウイプルを標的にするだろう。

邪教は根絶やしにする。あんなものがあっても、誰も幸せにはなりはしない。



僕は、再びリガード竜騎士団の一員に戻り、そして、今までの戦果が評価されて。

リガード竜騎士団遊撃隊長を任命された。



アリグルドの4日
                     王城の礼拝室にて
____________

邪教国の聖戦に警戒する各地域の同盟国は、対策を考えている様だ。

このウイプルは、コーリオ、アスデン両王国と同盟を結んでいる。これを強固にするため、より交流を深める機会を度々持つようになるらしい。

階級の高い兵は、交流催し期間に同盟国間の行き来がある程度自由になる。

僕にも、その権利はあるけれど、特に行きたいとは思わないな。

リガード竜騎士団騎士長アーマンは、立場上、行かないといけないと言っていたな。

ツォルバ竜騎士団騎士長ウガニエムは、行かないだろうな。

ダルレアス自治領は、ウイプル王国への統一を拒みはしないだろうけど。

まだまだ話は長引きそうだ。



アリグルドの5日
                     王城の見張り台にて
____________
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