剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

船の中で(for three days)

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竜剣ジオグリシェル、服鎧と外套を纏った僕は、ブルーシーズと定期船に乗り、ウルヘイド王国へ向け、出発した。

白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンになり、北の大陸に近づくには、彼の竜の姿は、あまりにも知られ過ぎている。

ウルヘイド王国に警戒態勢を取られては、目的の遂行が怪しくなるだろう。

ブルーシーズもまた、同じ様な姿だが、肩に背負う布袋の中には、ドメイル教が着る模様入り灰色の外套が入っている。

彼が持つ剣は、細身剣レイピア。打ち合うより、刺突向けだ。

心臓をひと突きにして、楽に逝かせてあげるつもりだろうか。

それならば、僕もヴィルアズ王にあまり手数をかけず、逝かせてあげる事にしよう。



ブルーシーズ。



この作戦がうまくいかなかったら。

その時は、翼竜となり、逃げるといい。



死なないでくれ。



いらない心配かな。

きっと成功するさ。



竜の復讐を、成し遂げよう。



ライフの30日
           定期船の中にて
___________________

アドルフレス島の、ジーシという港町で、船を乗り換える予定だ。

地平線の向こう側、海がずっと続く。

ただひたすら、この海を真っ直ぐに行くと、またこの場所に戻ってくるという話を聞いた事がある。

正に、それこそ、魔法だな。

もし、魔法など、存在するのであれば。



お母様が、苦しまずに、

楽しそうに、生きていて。

そして、

お父様が、側にいて、

幸せそうに、微笑み合うんだ。

そして、

僕は、生まれない。

2人は、幸せそうに、

ずっと暮らしていく。

そんな、

人生を、やり直させて、あげたい。



エンディオンの1日
        定期船の中にて
___________________

少しだけ、空気が冷えている様な、気がするな。

北の大陸側に近づいているという事なのだろうか。

ウイプル王国は、基本的に寒さとは、あまり縁がない。

岩山に囲まれている事が原因なのかは、わからないが。

ブルーシーズは、船の中では、僕ともあまり口を利かずにいる。

覚悟を決めて、いるのなら。

そのままでいろ。

内なる炎は、決して絶やすな。

成し遂げよう、

竜の復讐を。



エンディオンの2日
        定期船の中にて
___________________
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