剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

復讐心(for three days)

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ブルーシーズが、戻ってきた。

疲れ切った表情だ。

彼に声をかけるのを躊躇ためらい、僕は本の続きを読んでいた。

彼は、部屋の壁に寄りかかり、うな垂れた。

思った通りには、いかない。

そう言いたげだ。

そう。

思った通りには、いかないな。

ブルーシーズ。



ライフの21日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

ブルーシーズは、北の大陸スキューエルハにあるウルヘイド王国ヴィルアズ王の殺害を、再び口にした。

白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンを守護竜としていたが、ヴィルアズ王の裏切りにより、その竜達は、殺された、という話だったな。

ブルーシーズだけは、うまく逃げられたという。

竜の復讐、か。

その話が真実ならば、僕も力を貸すべきだろうか。

ドメイル教の集会でのダマズル司教殺害、あの時は君にうまくやられた様な気がしたけど。

でも、特に嘘をついている訳でもない。

正直に、彼は話すだろう。

僕は、お人好しか。

それとも、

彼にすがりたいだけなのか。



ライフの22日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

ドメイル教信仰国の配下になるべく、ウルヘイド王国は、守護竜である白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンを殺し、それを忠誠の証とした。

それは、竜からも、そして他国からも、さげすまれる事になっただろう。

ウイプル王国とは、違う。

前にブルーシーズは、デンパルネード王国のダマズル司教は、遠い地でも、場所を移動せずに対話ができるという話をしていたな。

そのダマズル司教を討ち果たしたため、状況が変わったのか、確認しに行ってきたのだろう。

ウルヘイド王国に。

それでも、ウルヘイド王国の、ドメイル教への忠誠心は変わらなかった。

だから、当初の予定通り、復讐を果たす、と。

彼がそこを話さなければ、僕から言い当てる形で、話すべきと思ったが、彼は口を開き、話してくれた。



ありがとう、ブルーシーズ。



竜の復讐を果たすため、

ヴィルアズ王を討とう。



ライフの23日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________
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