剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

人との決別(for two days)

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竜を拒んだのか?

ブルーシーズにそう訊かれた僕は、

敵陣の中心の様な所で、唐突に、竜にさせようとする行為を受け入れる事が、竜を受け入れる事だとでも、言うつもりか。

そう思った。

君に服従すると、僕は言ったか。

そう、彼に言ったんだ。

ブルーシーズは、僕に人との決別の機会を与えたかった、と言った。

今後、竜として生きていくための、その第一歩となる機会。

ダマズル司教を討ち果たした。

その殺害理由は、ダマズル司教は遠くの国に恐怖を伝える方法を持つから、それがドメイル教団への服従を急速に広める元凶となっていた、それを防げたのは良かった、そう言った。

そうか。

僕らと同行した2人は、どうなった?

そう訊いた。



恐らく、生きてはいない、と。



そうブルーシーズは、答えたんだ。



優しいと、感じた君は、何処へ消えてしまったのか。

優しさの欠片も、

ない。



人との生活も、竜の心は育ち、いずれ獰猛どうもうさを隠し切れなくなるから、竜として生きていた方が、自分達は幸せなんだ、とブルーシーズは言った。


人との決別。


君も、人としての暮らしは、捨て切れるのか。



竜として生きていくために、お互いを必要としている。

そういう事なんだな。

ブルーシーズ。



それならば、僕は、やはりウイプルには、戻らない方がいいのか。



日付不明
              大空洞にて
___________________

もう何日も、彼はこの街に戻って来てはいない。

ブルーシーズ、君は。

まだ多くを、僕に語ってくれてはいない。



お母様は、ウイプルで、人としての生きる道を残してくれた。

それでも、僕は、ウイプル兵達に殺されかけた。

それならば、竜の道を選ぶべきか。

最近は、ブルーシーズも信用できるのかわからないと、感じてしまう。

ただ、彼も、誰かを必要としている様な気はする。

その誰か、というところを、誰で埋めるのか、試しているのかも知れない。



見捨てて置けないな。



彼も、孤独との戦いだ。



ライフの8日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________
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