剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

ドメイル教の源(for three days)

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白い教会の後ろに広がる景色は、隆起した様な尖った岩が連なり、まるで教会の向こう側への通行を遮断する壁の様に感じた。

教会の聖職者、ここではバドァというらしい。

頑丈な体つきの男の老人バドァは、僕を見て、手招きし、教会の中へ迎え入れた。

僕の、ドメイル教か、との質問に、バドァは、その元の流れを持つ教会だ、と答えた。

ドメイル教の元とは、何だろうか。

そう思った。



神より選ばれし赤子は、水晶に浮かぶ救世主を選択する。

それは、光を指す。

それは、闇を指す。

困窮した世に救うひと筋の光。

堕落した世への制裁。

そして、世は再び息を吹き返し、未来への扉を開く。



バドァは、ドメイル教典の重要な一文を教えてくれた。

10年前に、神より選ばれし赤子が選択したものは、光だと言う。

それが、光の救世主、腐神皇アーデ。

その証拠は、封鎖された地域にあるという。

この教会の先、という事だ。


日付不明
           何処かの教会にて
___________________

封印された地域には、ドメイル教徒のどの地位にいる者も、立ち入りを禁じられているらしい。

ドメイル教の元の流れを持つ、教会。

ドメイル教は、元の宗教を曲解されて、創られたのだろうか。

教会から少し離れた場所に、1つ集落を見つけた。

焼き払われた、村。

焼死体を幾つか見つけたが、随分と前のものの様に思う。

ここに長居は無用だ。

僕は、この国に来る時に使ったサンクトペーテルグに通じる大空洞を探すため、遠くの景色を記憶に照らしながら、進んだ。

そうしていたら、何処かで僕を呼んだ気がした。

気のせいではないだろう。

ブルーシーズ、彼だ。



日付不明
              何処かの岩場にて
___________________

再度の、竜による呼びかけ。

僕の心に直接、呼びかける。

昨日の僕は、突然の事で、少し戸惑いがあった。

できれば、僕側からブルーシーズを見つけ、問う方が良かっただろう。

彼の考えが把握し切れていないため、僕を殺す考えもあるかも知れないと、思っていたからだ。

僕が決断をする前に、ブルーシーズは僕を見つけた。

遠くから、低空飛行で、接近する大型の竜、白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴン

着地すると、人へと姿を変えた。

銀色の軽装鎧の姿。

ブルーシーズの普段とは違う姿だ。

僕は警戒し、腰に納めていた、竜剣ジオグリシェルを引き抜いたんだ。

___________________
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