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第2章 竜の血を持つ者
計画の刻(for three days)
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心が貧しいと、人もまた、獣となるのだ。
5才ほどの子供から、手にある新しそうな反物を奪おうとする中年男。
親から持たされたか。
その親は、市場での買い物で何処かに行っているのか。
泣き叫ぶ子供に、周りの大人は知らぬふり。
中年男は、手にナイフを持つ。
死にたくないのなら、その反物を離せ。
そうしなければ、命が手から滑り落ちるぞ。
僕は、騒ぎを起こして、ブルーシーズに迷惑をかけたくないと、そう思った。
番兵でも、その内来るだろう。
弱い者から、やられていく。
強くなるしか、ないんだ。
ナイフを向けられた、その子供は、反物を離さなかった。
立派だよ。
僕が、君と同じ年だったら、どうだっただろう。
僕は、感情のままに、中年男の首を締めていた。
この子供は、勇気を示した。
戦わなければ、いけない時は、誰でも、必ず来る。
この中年男もまた。
この僕と戦わなくてはならない。
そうでないと、
今度は、お前が死に直面する。
僕の目を見て、震えていたな。
僕の目は、獣の目をしていたか?
僕は実際に、半分は獣だ。
ニハトの22日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
このサンクトペーテルグの夜空は、よく雲で月を隠すけれど、今夜は全くない。
お陰で、とても明るい夜空を見る事ができた。
月は、満月だ。
懐かしいな。
誰か、話し相手でもいないかな、とふと思う。
ブルーシーズは、別の部屋で壁に寄りかかり、寝ている。
何か、本でもあったら良かったな。
海が月で照り輝く、そして風が運ぶ潮の香りが心地良い。
後は、今はあまり考えたくもない事が、頭に浮かばなければ、最高だ。
ニハトの23日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
地下の大空洞を通り、邪教国本山の聖オルディール王国の隣国、デンパルネード王国まで辿り着き、ダマズル司教殺害という目標。
デンパルネード王国のダマズル司教は、遠い地でも、場所を移動せずに対話ができるらしい。また呪術を得意とする。
この者を討つ事で、ドメイル教の勢力を大幅に弱体化させられるだろうという話だ。
この日の夜、不思議な模様の入った灰色の外套が2つ届けられた。
少し、血痕が見える。
ブルーシーズの目を見て、わかった。
計画を遂行する時がきた。
ニハトの24日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
5才ほどの子供から、手にある新しそうな反物を奪おうとする中年男。
親から持たされたか。
その親は、市場での買い物で何処かに行っているのか。
泣き叫ぶ子供に、周りの大人は知らぬふり。
中年男は、手にナイフを持つ。
死にたくないのなら、その反物を離せ。
そうしなければ、命が手から滑り落ちるぞ。
僕は、騒ぎを起こして、ブルーシーズに迷惑をかけたくないと、そう思った。
番兵でも、その内来るだろう。
弱い者から、やられていく。
強くなるしか、ないんだ。
ナイフを向けられた、その子供は、反物を離さなかった。
立派だよ。
僕が、君と同じ年だったら、どうだっただろう。
僕は、感情のままに、中年男の首を締めていた。
この子供は、勇気を示した。
戦わなければ、いけない時は、誰でも、必ず来る。
この中年男もまた。
この僕と戦わなくてはならない。
そうでないと、
今度は、お前が死に直面する。
僕の目を見て、震えていたな。
僕の目は、獣の目をしていたか?
僕は実際に、半分は獣だ。
ニハトの22日
サンクトペーテルグの家にて
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このサンクトペーテルグの夜空は、よく雲で月を隠すけれど、今夜は全くない。
お陰で、とても明るい夜空を見る事ができた。
月は、満月だ。
懐かしいな。
誰か、話し相手でもいないかな、とふと思う。
ブルーシーズは、別の部屋で壁に寄りかかり、寝ている。
何か、本でもあったら良かったな。
海が月で照り輝く、そして風が運ぶ潮の香りが心地良い。
後は、今はあまり考えたくもない事が、頭に浮かばなければ、最高だ。
ニハトの23日
サンクトペーテルグの家にて
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地下の大空洞を通り、邪教国本山の聖オルディール王国の隣国、デンパルネード王国まで辿り着き、ダマズル司教殺害という目標。
デンパルネード王国のダマズル司教は、遠い地でも、場所を移動せずに対話ができるらしい。また呪術を得意とする。
この者を討つ事で、ドメイル教の勢力を大幅に弱体化させられるだろうという話だ。
この日の夜、不思議な模様の入った灰色の外套が2つ届けられた。
少し、血痕が見える。
ブルーシーズの目を見て、わかった。
計画を遂行する時がきた。
ニハトの24日
サンクトペーテルグの家にて
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