剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

コメコロ(for three days)

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ブルーシーズら白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンが守護竜としていた北の大陸スキューエルハにあるウルヘイド王国は、かつて現国王ヴィルアズの父、ハイケッセイが君臨していたという。

ハイケッセイは、他国との戦いの最中、戦死して、その後をヴィルアズが継いだという話だ。

その戦には、勝利したみたいだが。

ヴィルアズ国王は、ドメイル教信仰国と結託し、信頼の証として、白灰千王竜ホローエヴァルドドラゴンを殺した。

ブルーシーズは、隙を見て逃げ出せたらしいが、他の竜は、強固な竜の砦諸共、破壊されたらしい。

ある孤島にいる魔術師に頼み、多くの人間を生け贄とし、竜に対して破壊の魔法を使ったという。

魔法など、見た事はないけど、

そんなもの、本当にあるのだろうか。



ニハトの19日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

ブルーシーズは、岩山の部屋から、僕のリガード竜騎士団の鎧を持ってきた。

これを着るのか、と。

訊いたら。

着慣れているだろうと言われた。

これは、わかる者が見ると、一発でウイプル兵だとわかってしまう。

肩当てにある竜の紋章は、リガード竜騎士を表す。



僕は、おとりか?

ブルーシーズ。



そう訊いたら、

そういう役割も、あると言われた。

でも、僕を死なせる事はないだろう、と。

ただ、捕まればいいのだ、と。

相手が、僕を殺そうとしない理由でも、あるのか?

僕は、抵抗するかも知れないぞ。

澄ました表情を見せるブルーシーズ。

いいさ、僕は君を信じるよ。



君に救われた命だ。



ニハトの20日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________

まだ行動を起こす時ではないと言うブルーシーズ。

大人しくしていると、考えたくもない事を考える。

だから、また市場に出かけた。

ブルーシーズから、ある程度、現地の通貨を貰ったから、何か買えるな。

しかし、僕はお金に困るという事がなかったが、今思うと不思議だ。

しかし、ここではそうもいかない。

このお金は、大切だ。



市場で知った匂いがして、そこに釣られて行くと、あった。

コメコロだ。

ふっくら柔らかくて何かほんのり甘い、口の中で溶けてなくなる様な食べ物。

ウイプルで、初めて食べた時、とてもおいしくて、好物の一つと言える。

僕は、2つ頼む、と言った。

買って、持って行ってあげよう、そう思ったんだ。

でも、

ブルーシーズは、食べないかも知れない。

僕は、

彼を思い浮かべていたんじゃない。



いいさ、食べなければ、

僕が2つ食べればいいのだから。



ニハトの21日
           サンクトペーテルグの家にて
___________________
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