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第2章 竜の血を持つ者
ブルーシーズの計画(for three days)
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このサンクトペーテルグの海沿いに色々な物を扱った市場がある。
旅人も剣を持つ。外来の者も、剣の持ち込みを許されているのだ。
街の番人は、街中を歩けばよく見かける。だから、治安に対しては軽薄という訳ではないだろうけど。
市場に、ドメイル教の経典が売られていた。
こういう邪教の経典は、他の宗教の内容をなぞり、超常的存在より示される人道の在り方を書かれている様に見せるが、その中に、強欲に塗れた道義に反する文言を加え、洗脳し、意のままに操るのだ。
僕は、この経典を売る商人に、ドメイル教とは?と訊いてみたが。
彼は、新世界への祈り、と答えた。
新世界への、
祈りか。
絶望への、呪いじゃないのか。
僕は、銀貨3枚ほど掌に乗せ、その経典を買おうとしたが。
商人の目つきが変わり、何処の出身かと訊かれた。
この通貨は、ウイプル王国含むその周辺国7ヵ国の共通通貨だ。
こいつは、ただの商人ではないな。
けれど、期待した反応なのかも知れない。
僕の服装は、身を明かす様な鎧ではなく、白い絹の衣服を纏っているから、僕が何処の国の者か分からないだろう。
この者が、邪教徒で、戦いにも出る様な者ならば、知らしめてやらなければならない。
お前達の、思い通りには、行かない事を。
でも、
この街は、ブルーシーズが安息の地として、お母様から受けたもの。
無駄な争いは、彼の居場所を奪う事になる。
僕は、
この珍しい銀貨と、交換しないか、と。
そう言った。
価値はないよ、と言われてしまった。
そうか。
お前達の信仰する、ドメイル教より、価値のないものなど、存在しないと、思っていたよ。
いつかの13日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
ブルーシーズは、地下の大空洞を通り、邪教国本山の聖オルディール王国の隣国、デンパルネード王国まで辿り着き、ダマズル司教殺害という目標を持っていた。
この前に、訊いた者の名前ではなかった。
北の大陸スキューエルハにあるウルヘイド王国ヴィルアズ王の殺害は、最優先ではなさそうだ。
世のためか。
竜族のためか。
君の事だ、私利私欲のためとは、思えない。
君は、優しい。
でも、揺るがない意思があるのなら、それに従おう。
僕に、新たな道があるのなら、それを選ぶのも、悪くはないだろう。
この街で、暦を確認した。
今月は、ニハトというらしい。
ニハトの17日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
地下の大空洞は、このサンクトペーテルグの街を東へ出て、アルガント峡谷の滝下から入るらしい。
彼は、竜に戻り、僕はそれに乗る。
デンパルネード王国へ抜けると、ブルーシーズは再び人へと姿を変え、アパ街へ向かう。
馬を調達し、デンパルネード王国首都ガランダゥへ向かい、ドメイル教の集会へ参加し、そこでダマズル司教を殺害する。
ここに至るまで、邪教徒に恨みを持つ者達の協力があるという。
ドメイル教に一矢報いる事ができるのなら、僕にとっても、悪くはない。
ニハトの18日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
旅人も剣を持つ。外来の者も、剣の持ち込みを許されているのだ。
街の番人は、街中を歩けばよく見かける。だから、治安に対しては軽薄という訳ではないだろうけど。
市場に、ドメイル教の経典が売られていた。
こういう邪教の経典は、他の宗教の内容をなぞり、超常的存在より示される人道の在り方を書かれている様に見せるが、その中に、強欲に塗れた道義に反する文言を加え、洗脳し、意のままに操るのだ。
僕は、この経典を売る商人に、ドメイル教とは?と訊いてみたが。
彼は、新世界への祈り、と答えた。
新世界への、
祈りか。
絶望への、呪いじゃないのか。
僕は、銀貨3枚ほど掌に乗せ、その経典を買おうとしたが。
商人の目つきが変わり、何処の出身かと訊かれた。
この通貨は、ウイプル王国含むその周辺国7ヵ国の共通通貨だ。
こいつは、ただの商人ではないな。
けれど、期待した反応なのかも知れない。
僕の服装は、身を明かす様な鎧ではなく、白い絹の衣服を纏っているから、僕が何処の国の者か分からないだろう。
この者が、邪教徒で、戦いにも出る様な者ならば、知らしめてやらなければならない。
お前達の、思い通りには、行かない事を。
でも、
この街は、ブルーシーズが安息の地として、お母様から受けたもの。
無駄な争いは、彼の居場所を奪う事になる。
僕は、
この珍しい銀貨と、交換しないか、と。
そう言った。
価値はないよ、と言われてしまった。
そうか。
お前達の信仰する、ドメイル教より、価値のないものなど、存在しないと、思っていたよ。
いつかの13日
サンクトペーテルグの家にて
___________________
ブルーシーズは、地下の大空洞を通り、邪教国本山の聖オルディール王国の隣国、デンパルネード王国まで辿り着き、ダマズル司教殺害という目標を持っていた。
この前に、訊いた者の名前ではなかった。
北の大陸スキューエルハにあるウルヘイド王国ヴィルアズ王の殺害は、最優先ではなさそうだ。
世のためか。
竜族のためか。
君の事だ、私利私欲のためとは、思えない。
君は、優しい。
でも、揺るがない意思があるのなら、それに従おう。
僕に、新たな道があるのなら、それを選ぶのも、悪くはないだろう。
この街で、暦を確認した。
今月は、ニハトというらしい。
ニハトの17日
サンクトペーテルグの家にて
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地下の大空洞は、このサンクトペーテルグの街を東へ出て、アルガント峡谷の滝下から入るらしい。
彼は、竜に戻り、僕はそれに乗る。
デンパルネード王国へ抜けると、ブルーシーズは再び人へと姿を変え、アパ街へ向かう。
馬を調達し、デンパルネード王国首都ガランダゥへ向かい、ドメイル教の集会へ参加し、そこでダマズル司教を殺害する。
ここに至るまで、邪教徒に恨みを持つ者達の協力があるという。
ドメイル教に一矢報いる事ができるのなら、僕にとっても、悪くはない。
ニハトの18日
サンクトペーテルグの家にて
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