剣士アスカ・グリーンディの日記

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第2章 竜の血を持つ者

ウイプル王国は今(for three days)

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ウイプル王国は、どうなったのだろうか。

聖バハール王国軍がウイプル王国に攻め入り、僕らウイプル王国兵は王都の瀬戸際で交戦、バハールは撤退していった。

ザシンのダルレアス自治領に、ウイプル王国本国の民は避難したはずだけど。

その後は?

どうなった…?

僕は、ブルーシーズのおかげで、傷と、心も少し、癒えてきた。

ウイプルの、みんなは。

どうなった。

ブルーシーズに訊いたところで、

気にするな、とでも言うだろうか。



そう、だね。



気にするな。



君は?


どうしている。


僕の幼馴染、ミスルタ。



亜土歌あどか26日
                 岩山の部屋にて
___________________

僕は、ブルーシーズと共に、岩山のふもとへ降りた。

草木が茂り、果樹も見える。

何処かに人が住んでいても、おかしくはない。

ブルーシーズの、どうしたいのかという問いに、君への恩は返したい、と言った。

答えは、訊くまでもなかったのかも知れない。

竜族の一員として、力を貸せ、と。

ドメイル教の根絶か、と訊いたら、

それも重要だな、と言っていた。

その後は、話をはぐらかされた。



やはり、ブルーシーズ。



世界の覇権を、人間から取り戻したいと思っているのか。



亜土歌の27日
            岩山の部屋にて
___________________

一度、ウイプル王国へ戻り、現状を自分の目で確認したいという気持ちが、本音だ。

僕の育った場所。

戻るには、一人旅になるだろう。

ブルーシーズには、頼めない。

だけど、それには相当長い旅になりそうだ。

もし、再び聖バハールが侵攻してきたなら、間に合わないかも知れない。

まだ、僕はリガード竜騎士団のつもりなのか?

誰にも関わらず、1人で生きていた方がいい。

ウイプルにも、関わるべきじゃない。

そして、本当は、ブルーシーズとも。



でも、僕の思い出、ウイプル。



そして、同じ竜の血を持つブルーシーズ。



僕には、どちらも、大切なものだ。



情けない。



亜土歌の28日
           岩山の部屋にて
___________________
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