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第1章 ドラゴンバスター
ドラゴンバスター
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僕らの敵軍は、想像以上の戦力があった。
聖バハール王国軍の兵だけで、5000人ほど。
コーリオ王国軍の第2軍、第3軍は全滅。
アスデン王国軍は、ほぼ壊滅。
ウイプル王国軍、リガード竜騎士団率いる第1軍を残し、全滅した。
僕ら連合軍は、オルフブ王国軍を壊滅させ、聖バハール王国軍を残り兵2000ほどにまで減らしたんだ。
だけど、壊滅的な状況の連合軍は、解体した。
各国防衛戦に備え、各自国の拠点に撤退。
この戦いで、リガード竜騎士団の副騎士長ハルガルドが戦死した。
___________________
聖バハール王国軍の次の侵攻先は、ウイプル王国へ。
国王マイクリーハは、使者を各国に飛ばしていたけど、間に合う事はなかった。
ウイプル王国軍は、大きく兵数を減らし、そして突撃隊長とも呼ばれていた副騎士長ハルガルドを失い、混乱していた。
ドラゴンバスター、何とかしろよ、と。
みんなは言うけれど。
誰よりも、
僕は、誰よりも敵兵を斬っていたはずだ。
そう、誰よりも。
僕は、お母様にも託された。
このウイプルを。
でも。
僕は、ウイプルの一員には、なれなかったんだ。
___________________
竜の信仰国であるウイプル王国は、貴覇竜の死によって、戦力など、ほぼ皆無だったのかも知れない。
でも、
お母様の望みは、半分は、果たされたよ。
この後、どうなるか、わからないけど。
もう、僕は。
その時には、生きていないから。
ねぇ。
何で、あんなに苦しんでいたの?
貴覇竜と呼ばれて、人から崇められていたラリュナピュート。
僕は、殺めたくはなかったのに。
僕の事、竜使いだと言う人もいたけど、
僕は、竜使いじゃないよね。
竜の側にいただけ。
竜の側にいたから、僕にまでラリュナピュートが暴れた原因を、擦りつけられると思ったんでしょう?
僕が、ウイプルの民として、生き続けられる様に。
そして、地位を確立させるために。
貴女は、決断した。
でも、本当は。
大好きなウイプルに、これ以上迷惑をかけたくなかったんだよね。
僕は、貴女の望み通り、ラリュナピュートを殺した。
___________________
聖バハール王国軍のウイプル王国への侵攻によって、滅ぼされると思ったウイプル兵達は、混乱していた。そして、本心が剥き出しになっていった者もいた。
彼らの何人かが、剣を向けた先は。
この僕だった。
ウイプル兵によって、背後から斬られた。
僕は、深手を負った。
ウイプル兵の心にある、竜の信仰は健在で、ラリュナピュートを殺した僕は、やはり、彼らにとって、敵でしか、なかったんだ。
治癒力がある僕でも、もう長くはないだろう。
お母様の約束を果たさなければならないから、僕は、それでも聖バハール王国軍の兵と戦ったよ。
騎士長アーマンが、僕を見て、死ぬな、と叫んでいたな。
騎士長、聖バハール王国軍は、撤退していきましたよ。
この僕が、兵をさらに500は、斬ったから。
ドラゴンバスターの役目は、終わりました。
だから、もう。
ドラゴンバスターとは、呼ばないで。
___________________
ウイプル王国の民は、ダルレアス自治領に避難して、街には誰もいなかった。
ザンギント山の竜の祭壇の奥に、僕はいるよ。
出血の量が、さらに多くなった。
あと少しで、書き終わる、から。
ここが、僕が貴覇竜を殺めた場所だ。
このウイプルを、守りましたよ。
聖バハール王国は撤退しても、再び聖戦を仕掛けて来るでしょう。
その時は、ダルレアス自治領のザシンも、立ち上がってくれるでしょう。
これは、最後の日記に、なる。
僕は、日記をうまく書けていたかな。
お母様。
もう少しで、僕も逝く事になる。
ウイプル王国を守護する、大いなる貴覇竜ラリュナピュート。
でも、僕には違った。
そうでしょう。
お母様。
貴女の名は、
スカリテラス・グリーンディ。
僕にとっては、ラリュナピュートじゃない。
僕も、いつかは竜の血が活性化される。
いずれ、翼竜になるのかも知れないから。
ウイプルの民としては、もう終わりで良かったのさ。
もう、ドラゴンバスターじゃない。
もう、ドラゴンバスターと。
母殺しと、
呼ばれなくて、いいんだ。
それだけでも、僕は嬉しい。
貴女の望みは果たした。
僕の望みは、貴女が。
苦しんでいても、
生きていて欲しかった
___________________
第1章 ドラゴンバスター END
聖バハール王国軍の兵だけで、5000人ほど。
コーリオ王国軍の第2軍、第3軍は全滅。
アスデン王国軍は、ほぼ壊滅。
ウイプル王国軍、リガード竜騎士団率いる第1軍を残し、全滅した。
僕ら連合軍は、オルフブ王国軍を壊滅させ、聖バハール王国軍を残り兵2000ほどにまで減らしたんだ。
だけど、壊滅的な状況の連合軍は、解体した。
各国防衛戦に備え、各自国の拠点に撤退。
この戦いで、リガード竜騎士団の副騎士長ハルガルドが戦死した。
___________________
聖バハール王国軍の次の侵攻先は、ウイプル王国へ。
国王マイクリーハは、使者を各国に飛ばしていたけど、間に合う事はなかった。
ウイプル王国軍は、大きく兵数を減らし、そして突撃隊長とも呼ばれていた副騎士長ハルガルドを失い、混乱していた。
ドラゴンバスター、何とかしろよ、と。
みんなは言うけれど。
誰よりも、
僕は、誰よりも敵兵を斬っていたはずだ。
そう、誰よりも。
僕は、お母様にも託された。
このウイプルを。
でも。
僕は、ウイプルの一員には、なれなかったんだ。
___________________
竜の信仰国であるウイプル王国は、貴覇竜の死によって、戦力など、ほぼ皆無だったのかも知れない。
でも、
お母様の望みは、半分は、果たされたよ。
この後、どうなるか、わからないけど。
もう、僕は。
その時には、生きていないから。
ねぇ。
何で、あんなに苦しんでいたの?
貴覇竜と呼ばれて、人から崇められていたラリュナピュート。
僕は、殺めたくはなかったのに。
僕の事、竜使いだと言う人もいたけど、
僕は、竜使いじゃないよね。
竜の側にいただけ。
竜の側にいたから、僕にまでラリュナピュートが暴れた原因を、擦りつけられると思ったんでしょう?
僕が、ウイプルの民として、生き続けられる様に。
そして、地位を確立させるために。
貴女は、決断した。
でも、本当は。
大好きなウイプルに、これ以上迷惑をかけたくなかったんだよね。
僕は、貴女の望み通り、ラリュナピュートを殺した。
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聖バハール王国軍のウイプル王国への侵攻によって、滅ぼされると思ったウイプル兵達は、混乱していた。そして、本心が剥き出しになっていった者もいた。
彼らの何人かが、剣を向けた先は。
この僕だった。
ウイプル兵によって、背後から斬られた。
僕は、深手を負った。
ウイプル兵の心にある、竜の信仰は健在で、ラリュナピュートを殺した僕は、やはり、彼らにとって、敵でしか、なかったんだ。
治癒力がある僕でも、もう長くはないだろう。
お母様の約束を果たさなければならないから、僕は、それでも聖バハール王国軍の兵と戦ったよ。
騎士長アーマンが、僕を見て、死ぬな、と叫んでいたな。
騎士長、聖バハール王国軍は、撤退していきましたよ。
この僕が、兵をさらに500は、斬ったから。
ドラゴンバスターの役目は、終わりました。
だから、もう。
ドラゴンバスターとは、呼ばないで。
___________________
ウイプル王国の民は、ダルレアス自治領に避難して、街には誰もいなかった。
ザンギント山の竜の祭壇の奥に、僕はいるよ。
出血の量が、さらに多くなった。
あと少しで、書き終わる、から。
ここが、僕が貴覇竜を殺めた場所だ。
このウイプルを、守りましたよ。
聖バハール王国は撤退しても、再び聖戦を仕掛けて来るでしょう。
その時は、ダルレアス自治領のザシンも、立ち上がってくれるでしょう。
これは、最後の日記に、なる。
僕は、日記をうまく書けていたかな。
お母様。
もう少しで、僕も逝く事になる。
ウイプル王国を守護する、大いなる貴覇竜ラリュナピュート。
でも、僕には違った。
そうでしょう。
お母様。
貴女の名は、
スカリテラス・グリーンディ。
僕にとっては、ラリュナピュートじゃない。
僕も、いつかは竜の血が活性化される。
いずれ、翼竜になるのかも知れないから。
ウイプルの民としては、もう終わりで良かったのさ。
もう、ドラゴンバスターじゃない。
もう、ドラゴンバスターと。
母殺しと、
呼ばれなくて、いいんだ。
それだけでも、僕は嬉しい。
貴女の望みは果たした。
僕の望みは、貴女が。
苦しんでいても、
生きていて欲しかった
___________________
第1章 ドラゴンバスター END
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