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魔神戦:其の五
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甲高い金属音が鳴り響く。
背後から突き出された魔神の手を、胴装備から瞬時に張った障壁が受け止めている。
もしもを想定して、最高硬度の障壁を仕込んでおいてよかった。
背後に振り向きながら回し蹴りを放つ。
魔神の側頭部を綺麗に捉えた蹴りで魔神が吹き飛ぶ。
が、次の瞬間には背後に殺気。
右斜め後ろに跳んで魔神の右半身に背中を押し当て、後ろに下がった時の勢いで投げ飛ばす。
魔神が目の前で消える。
直後、横からの殺気。
刀を薙ぎ払って斬りつける。
トン。
軽い音と共に、魔神が僕の刀に飛び乗った。
軽業師か何かのようだ。
そのまま魔神は腕の上をスタスタと歩いてくる。
ハッと我に帰り、回転して魔神を振り落とす。
正面に向き直った時、魔神は居なかった。
途端、後ろに気配。
刀を持つ方とは逆の手で背後へ肘打ち。
大気に穴を開ける勢いで放たれた肘鉄は何にも命中せずに空を切った。
フッと、太陽の光が翳った。
同時に、首が持っていかれそうになるほどの衝撃が襲い掛かる。
勢いに逆らうことなく吹き飛び、少しでも衝撃を殺す。
受け身をとって立ち上がり、首の様子を確かめながら敵を探す。
首には特に異常なし。
衝撃はすごかったが、今すぐどうこうなるという程でもない。
魔神は見当たらない。
「足りない。足りないぞ?」
耳元で声がした。
振り返りながら刀を振るう。
一歩下がった魔神が軽々と刀を躱す。
ぬるりと刀の間合いの内側に入り込んだ魔神が拳を引き絞る。
目にも留まらぬ速度で振り抜かれた拳に吹き飛ばされて宙を舞う。
下を見ると王都が。
魔神が僕の真上に現れる。
重ね合わされた両手はさながらスレッジハンマーのようだ。
握り固められた両手が振り落とされる。
真っ逆さまに王城に叩き落とされる。
王城の一階まで叩き落とされ、立ち上がる。
城の中は騒然としている。
魔神の気配は五階あたり。
王族に手を出そうとしているのか…!
今しがた叩き落とされた穴から飛び出す。
もう少しで魔神の手が王の喉に触れるところで、間に合った。
横合いから首を締め上げて城を飛び出す。
その際ちょびっと城壁が壊れたが気にするほどではないだろう。
地面に魔神を叩きつける。
気を練り込んだ小型ナイフを創り出して四肢を地面に縫いとめる。
ナイフと同様、気を練り込んだ刀を創り出して心臓に向けて構える。
振りかぶって、思い切り振り下ろす。
何の抵抗もなく魔神の皮膚を突き破った刀はそのまま骨を絶って、心臓を穿った。
背後から突き出された魔神の手を、胴装備から瞬時に張った障壁が受け止めている。
もしもを想定して、最高硬度の障壁を仕込んでおいてよかった。
背後に振り向きながら回し蹴りを放つ。
魔神の側頭部を綺麗に捉えた蹴りで魔神が吹き飛ぶ。
が、次の瞬間には背後に殺気。
右斜め後ろに跳んで魔神の右半身に背中を押し当て、後ろに下がった時の勢いで投げ飛ばす。
魔神が目の前で消える。
直後、横からの殺気。
刀を薙ぎ払って斬りつける。
トン。
軽い音と共に、魔神が僕の刀に飛び乗った。
軽業師か何かのようだ。
そのまま魔神は腕の上をスタスタと歩いてくる。
ハッと我に帰り、回転して魔神を振り落とす。
正面に向き直った時、魔神は居なかった。
途端、後ろに気配。
刀を持つ方とは逆の手で背後へ肘打ち。
大気に穴を開ける勢いで放たれた肘鉄は何にも命中せずに空を切った。
フッと、太陽の光が翳った。
同時に、首が持っていかれそうになるほどの衝撃が襲い掛かる。
勢いに逆らうことなく吹き飛び、少しでも衝撃を殺す。
受け身をとって立ち上がり、首の様子を確かめながら敵を探す。
首には特に異常なし。
衝撃はすごかったが、今すぐどうこうなるという程でもない。
魔神は見当たらない。
「足りない。足りないぞ?」
耳元で声がした。
振り返りながら刀を振るう。
一歩下がった魔神が軽々と刀を躱す。
ぬるりと刀の間合いの内側に入り込んだ魔神が拳を引き絞る。
目にも留まらぬ速度で振り抜かれた拳に吹き飛ばされて宙を舞う。
下を見ると王都が。
魔神が僕の真上に現れる。
重ね合わされた両手はさながらスレッジハンマーのようだ。
握り固められた両手が振り落とされる。
真っ逆さまに王城に叩き落とされる。
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城の中は騒然としている。
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王族に手を出そうとしているのか…!
今しがた叩き落とされた穴から飛び出す。
もう少しで魔神の手が王の喉に触れるところで、間に合った。
横合いから首を締め上げて城を飛び出す。
その際ちょびっと城壁が壊れたが気にするほどではないだろう。
地面に魔神を叩きつける。
気を練り込んだ小型ナイフを創り出して四肢を地面に縫いとめる。
ナイフと同様、気を練り込んだ刀を創り出して心臓に向けて構える。
振りかぶって、思い切り振り下ろす。
何の抵抗もなく魔神の皮膚を突き破った刀はそのまま骨を絶って、心臓を穿った。
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