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新魔法

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大地から、力を借りられるように、魔力を入れる以外の器を体内に作る。
そこに、大地からの力を注ぐ。
幾らか、溢れてしまったが一応は注ぐことに成功した。
練習すること半日程度。
大地から力を借りることにようやっと成功した。
まだ粗さがあるが一応実戦で使えない範囲ではない。
ステータスを確認してみると、SPという項目がうっすらと見える。
一応見えるし…まだ気を扱うことはできないけど成功ではないだろうか。
後は、これを形作って魔法にするだけ。
一度器に注いで仕舞えばあとは魔力とあまり変わらなかった。
魔法を構築し、発動しようとすると、頭の中に文字が浮かんだ。
詠唱…だろうか。
「力の根源たる我、刀神が地に命じ、理を切除し、膿を吐き出させよう。
彼の者を焼き尽くし、平穏を齎せ!」
仰々しい長い詠唱を唱え終わって出てきたのは小さな火の玉。
見かけは言ってはなんだが、しょぼい。
が、内包されているエネルギーは馬鹿にできないものがある。
間違って暴発でもさせようものならここら一帯は火の海になってもおかしくない。
流石は経験値の元といったところか。
さて、とりあえずは使えるようになったし、応用も試してみよう。
例えば、普通の魔法と混ぜてみたり、別属性の魔法を混ぜてみたり。
失敗や暴発の可能性があるし、別の場所でしてみよう。
魔法を消してから早希に一言言って僕は街の郊外まで走る。
もう一度、火の玉を作り出す。
周りは、砂漠のように何もない殺風景な場所だ。
これならまぁ、多少は大丈夫だろう。
まずは、どうしようか。
水と火の混合とかカッコよさそうだ。
よし、それでいこう。
また仰々しく長い詠唱を唱えて水球を作り出す。
ゆっくりと融合させていくように近づけると
危機感地スキルが反応した。
火球と水球をその場に置き去りにして宿までの長距離転移を敢行する。
大爆発が轟々と音を立て、宿の窓からでも見えるほどの強烈な閃光が駆けた。
太陽を隠していた雲が超高温で蒸発し、爆発地点を中心に雲ひとつない晴天が出来上がる。
どうやら失敗してしまったようだ。
原因はなんだろうか…水蒸気爆発?
次はやめておこうか。味方まで巻き込みそうだ。
ぽかんとしていた早希がこちらをジッと見ている。
「とても綺麗な花火だったね?早希?」
「う、うん…じゃなくて!何したの!?」
「ん?いや、ちょっと新しく覚えた魔法の実験をね?」
「へ、へぇ…」
まだ若干不満そうだったが一応は納得してくれたようだ。
ふむ…威力は高いけど巻き込みはあるなぁ。
むしろフレンドリーファイアで敗北しそうだ。
でも…いや、これなら…。
まぁ、まだ時間はある。
ゆっくりやっていこう。
世界をかけた戦いまで後四日。
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