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闘技大会へ向けて
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今日も訓練明日も訓練明後日も訓練の訓練続き。
と言いたいところだけど今日が最終日だ。
早希はかなり上達してきたように思う。
魔力効率も上がってきたし、単純な速度も上がってきている。
反応速度、力の使い方、見切る力も上達している。
訓練の成果だ。
これで予選で落ちる何てことはないだろう。
いいとこまでは行けるはずだ。
「さて、じゃあ今日で終わりだよ。」
「はい!」
「僕から言えることはほとんどないけど、まぁ頑張れ。とだけ言わせてもらおうか。」
「はい!」
「それじゃあ、最終試験だ。早希が今日まで習ったこと全てを使って僕に擦り傷一つでも負わせられれば合格だよ。」
「はい!」
早希がガン=カタの構えを取る。
僕は師匠としてガン=カタで戦うと決めている。
もちろん弾丸は使うけど基本的に接近戦だ。
突っ込んでくる早希の銃を受け流し、同時に放たれた見えにくい風弾を空間の揺らめきのみで察知して避ける。
次は僕の番かな。
大地を踏み割りながら犬のように低く突っ込む。
早希まで到達した時に攻撃が当たるより早く上に跳ぶ。
砕かれた地面が目眩しになっているはずだ。
天駆で下へ急降下し、後ろに着地する。
早希が後ろを振り向くより早く周りをそれなりの速度で走り回る。
砂塵が巻き上がり、周囲に幾十もの残像ができる。
「さて、どれが本物の僕かな?」
迷宮にはこういう敵もいるし闘技大会にはあんまり関係ないかもだけど訓練にはなるさ。
「くっ…」
早希は苦し紛れに弾丸を四方八方に放つ。
残像には当たるけどそもそも残像は実態を持たない。
すり抜けてしまう。
「どうしたんだい?そんな攻撃じゃあ目を瞑ってても当たらないよ。」
残像を引き連れ、時に残像すら残さない速さで移動しながら僕は言う。
「これじゃあ当分合格は貰えないよ?」
一度止まり、残像を収束させる。そしてこの数日間の特訓で覚えた縮地を使う。
縮地スキルは直線的な移動には最適で、天駆の地上版だと思ってもらえればいい。
効果は直線移動の距離の速度を上げ、距離を詰めやすくする。
それだけ。
単純な効果故に使い道は広いけど、正直普通に走ったほうが早い。
ただ、レベルを上げれば強くなると信じている。
だから使っている。
今はレベル3。まだまだだ。
そのうち強くなればいいな。
近接戦に持ち込み、本命であるガン=カタを使っていく。
両手の銃で相手の銃を弾き、仕掛ける。
無防備になった早希の胴体に銃を当て、発砲する。
金属と金属のぶつかり合う甲高い音がし、衝撃を3度に渡って放つ弾丸が早希を吹き飛ばす。
吹き飛ばされる瞬間、早希がニヤリと笑った気がした。
受け身を取ると、こちらに銃を向け、発砲してくる。
風弾だ。
その弾を弾き返そうと銃を振るった瞬間、全方位に魔法が出現した。
全て風だ。もう逃げ場はない。
なら魔力攻撃であの風弾ごと全部吹きはらって…
「っ!?」
顔の横を普通の弾丸が通り過ぎていった。
ただし、電磁加速された超高速の弾丸が。
顔から血が飛び、同時に風弾が霧散した。
どうやら風弾に意識を向けている間にレールガンを撃たれたようだ。
不覚を取った。
早希の方を見ると、小さくガッツポーズをしていた。
どうやら僕の負けのようだ。
「はぁ…早希。僕の負けだ。君はもう十分強い。きっとそこら辺の人間には負けないだろう。」
「……ん。」
「僕から言えることは明日の闘技大会。全力で戦ってきな。…これだけだ。」
「んっ。」
「さて、じゃあ明日に備えて宿で体を休めようか。」
「ん。」
僕たちは宿に帰り夕飯を食べ、その後色々として1日を終えた。
さて、明日が楽しみだね。
と言いたいところだけど今日が最終日だ。
早希はかなり上達してきたように思う。
魔力効率も上がってきたし、単純な速度も上がってきている。
反応速度、力の使い方、見切る力も上達している。
訓練の成果だ。
これで予選で落ちる何てことはないだろう。
いいとこまでは行けるはずだ。
「さて、じゃあ今日で終わりだよ。」
「はい!」
「僕から言えることはほとんどないけど、まぁ頑張れ。とだけ言わせてもらおうか。」
「はい!」
「それじゃあ、最終試験だ。早希が今日まで習ったこと全てを使って僕に擦り傷一つでも負わせられれば合格だよ。」
「はい!」
早希がガン=カタの構えを取る。
僕は師匠としてガン=カタで戦うと決めている。
もちろん弾丸は使うけど基本的に接近戦だ。
突っ込んでくる早希の銃を受け流し、同時に放たれた見えにくい風弾を空間の揺らめきのみで察知して避ける。
次は僕の番かな。
大地を踏み割りながら犬のように低く突っ込む。
早希まで到達した時に攻撃が当たるより早く上に跳ぶ。
砕かれた地面が目眩しになっているはずだ。
天駆で下へ急降下し、後ろに着地する。
早希が後ろを振り向くより早く周りをそれなりの速度で走り回る。
砂塵が巻き上がり、周囲に幾十もの残像ができる。
「さて、どれが本物の僕かな?」
迷宮にはこういう敵もいるし闘技大会にはあんまり関係ないかもだけど訓練にはなるさ。
「くっ…」
早希は苦し紛れに弾丸を四方八方に放つ。
残像には当たるけどそもそも残像は実態を持たない。
すり抜けてしまう。
「どうしたんだい?そんな攻撃じゃあ目を瞑ってても当たらないよ。」
残像を引き連れ、時に残像すら残さない速さで移動しながら僕は言う。
「これじゃあ当分合格は貰えないよ?」
一度止まり、残像を収束させる。そしてこの数日間の特訓で覚えた縮地を使う。
縮地スキルは直線的な移動には最適で、天駆の地上版だと思ってもらえればいい。
効果は直線移動の距離の速度を上げ、距離を詰めやすくする。
それだけ。
単純な効果故に使い道は広いけど、正直普通に走ったほうが早い。
ただ、レベルを上げれば強くなると信じている。
だから使っている。
今はレベル3。まだまだだ。
そのうち強くなればいいな。
近接戦に持ち込み、本命であるガン=カタを使っていく。
両手の銃で相手の銃を弾き、仕掛ける。
無防備になった早希の胴体に銃を当て、発砲する。
金属と金属のぶつかり合う甲高い音がし、衝撃を3度に渡って放つ弾丸が早希を吹き飛ばす。
吹き飛ばされる瞬間、早希がニヤリと笑った気がした。
受け身を取ると、こちらに銃を向け、発砲してくる。
風弾だ。
その弾を弾き返そうと銃を振るった瞬間、全方位に魔法が出現した。
全て風だ。もう逃げ場はない。
なら魔力攻撃であの風弾ごと全部吹きはらって…
「っ!?」
顔の横を普通の弾丸が通り過ぎていった。
ただし、電磁加速された超高速の弾丸が。
顔から血が飛び、同時に風弾が霧散した。
どうやら風弾に意識を向けている間にレールガンを撃たれたようだ。
不覚を取った。
早希の方を見ると、小さくガッツポーズをしていた。
どうやら僕の負けのようだ。
「はぁ…早希。僕の負けだ。君はもう十分強い。きっとそこら辺の人間には負けないだろう。」
「……ん。」
「僕から言えることは明日の闘技大会。全力で戦ってきな。…これだけだ。」
「んっ。」
「さて、じゃあ明日に備えて宿で体を休めようか。」
「ん。」
僕たちは宿に帰り夕飯を食べ、その後色々として1日を終えた。
さて、明日が楽しみだね。
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