64 / 69
2章 第1部 到着と初依頼
52話 救出へ
しおりを挟む
「ボスは何を隠しているのです?」
俺を見透かしたようにアイミナはそう質問してきた。
確かに俺はアイミナに隠し事をしている。
ただ、それは隠しても問題ない物だし、俺が対象しようとしていたから、アイミナは知る必要のない物だった。
だから、俺は知らなくても良いと言おうとしたが、アイミナの真剣な顔に口を一度閉じた。
そして、数秒考えてから再び口を開いた。
「俺が向かう方に『暴れ猿』が15匹と『アサシンモンキー』一匹がいる。だが、問題は奴らが人間を捕まえているという点と捕まっている人間というのが冒険者協会で俺達に話しかけてきた男とそのパーティーメンバーだろう3人の女であり、意識があるという点だ」
俺が話した内容にアイミナは目を見開いて驚いた。
まあ、この依頼は俺達に回されたので、通常なら居ない筈の人間が捕まっていれば驚きもするだろう。
しかも、意識があるせいで俺達は魔法を使えないときている。
なので、何も知らせずにアイミナには反対側に行ってもらって、もしも俺がやられたら俺の代わりに魔物を排除してもらうつもりだった。
それを全てアイミナに話すと、アイミナは少しだけ下を向いたあとに、俺が行ってほしいと言った方向を見ながら言った。
「分かったのです、私は向こうに向かうのです。でも、もしもボスが死んだり、正体がバレたりしたら、エリーシアと一緒にボスの恥ずかしい話を人に話して回ってやるのです」
そう言ってから走り出したアイミナに、俺はアイミナの遠回しの言葉にため息を付きながら、呟いた。
「素直じゃないのは別に良いが、恥ずかしい話を話し回られるのはゴメンだな」
◇
アイミナと別れてから移動を開始したので、魔物共が動き始める前に奴らを魔法で狙える位置に着けた。
基本的には魔力の動きに敏感な魔物相手ならば如何に魔力を隠しても、魔法を使おうとすればバレる。
そう基本的には、だ。
俺はそれを魔法でなんとかした。
魔物にも気取られない位置で『魔力隠蔽』という自身の魔力の動きや量なんかを隠す魔法を使用したのだ。
なので、今の俺は奴らに魔力を気取られないはずだ。
ただ長時間発動していたらバレるかもしれないので、さっさと行動を開始する。
今はある程度の距離で木の上に登っているので、まず威力が出やすいように血剣を全て血弓に変える。
剣から弓に変えたので、不要になった剣が出てきたが、それは『収納』に入れて出来上がった10本の血弓に『岩の矢』をセットする。
そして、意識があるせいで抵抗している人間には当たらないように、ここから魔力を隠した状態では倒せないであろう『アサシンモンキー』は狙わずに『暴れ猿』に狙いを定めた。
そして、一度深呼吸をしてから全ての血弓を同時に発射。
それからすぐに再び『岩の矢』を装填して、さっき狙わなかった5匹の『暴れ猿』と、残りの矢は『アサシンモンキー』に狙いを定めて発射した。
発射が終わったと同時に俺は気を飛び降りて、『身体強化』5倍にしながら、血弓にしている血を全て一本の剣にした。
それと同時に『暴れ猿』10匹に最初の『岩の矢』が正確に頭を撃ち抜いた。
そして、急に死んだ『暴れ猿』に『暴れ猿』と『アサシンモンキー』が混乱している間に、更に俺の追撃である『石の矢』5本が『暴れ猿』に命中。
流石に全てが致命傷ではなかったが、二匹は致命傷だろう。
『アサシンモンキー』には『岩の矢』が全て弾かれたが、今度は違う魔法の射程圏内に入ったので、魔法を使用した。
「『樹縛』!!」
『樹縛』とは俺が魔の森を出る前から考えて居た魔法だ。
その効果内容は周辺の木を利用して、相手を拘束する事。
ただ拘束するために使う木を部隊級の魔物であるトレントと同じでよくしなり、それでいて固く、更には魔法で燃えにくくした。
この魔法の行使は今回初めてだが、問題は無いはずだ。
一応念の為、『アサシンモンキー』を拘束するときに、右手と右足は外に引っ張るように拘束し、逆に左手と左足は胴体と一緒に拘束することで拘束力を上げた。
俺を見透かしたようにアイミナはそう質問してきた。
確かに俺はアイミナに隠し事をしている。
ただ、それは隠しても問題ない物だし、俺が対象しようとしていたから、アイミナは知る必要のない物だった。
だから、俺は知らなくても良いと言おうとしたが、アイミナの真剣な顔に口を一度閉じた。
そして、数秒考えてから再び口を開いた。
「俺が向かう方に『暴れ猿』が15匹と『アサシンモンキー』一匹がいる。だが、問題は奴らが人間を捕まえているという点と捕まっている人間というのが冒険者協会で俺達に話しかけてきた男とそのパーティーメンバーだろう3人の女であり、意識があるという点だ」
俺が話した内容にアイミナは目を見開いて驚いた。
まあ、この依頼は俺達に回されたので、通常なら居ない筈の人間が捕まっていれば驚きもするだろう。
しかも、意識があるせいで俺達は魔法を使えないときている。
なので、何も知らせずにアイミナには反対側に行ってもらって、もしも俺がやられたら俺の代わりに魔物を排除してもらうつもりだった。
それを全てアイミナに話すと、アイミナは少しだけ下を向いたあとに、俺が行ってほしいと言った方向を見ながら言った。
「分かったのです、私は向こうに向かうのです。でも、もしもボスが死んだり、正体がバレたりしたら、エリーシアと一緒にボスの恥ずかしい話を人に話して回ってやるのです」
そう言ってから走り出したアイミナに、俺はアイミナの遠回しの言葉にため息を付きながら、呟いた。
「素直じゃないのは別に良いが、恥ずかしい話を話し回られるのはゴメンだな」
◇
アイミナと別れてから移動を開始したので、魔物共が動き始める前に奴らを魔法で狙える位置に着けた。
基本的には魔力の動きに敏感な魔物相手ならば如何に魔力を隠しても、魔法を使おうとすればバレる。
そう基本的には、だ。
俺はそれを魔法でなんとかした。
魔物にも気取られない位置で『魔力隠蔽』という自身の魔力の動きや量なんかを隠す魔法を使用したのだ。
なので、今の俺は奴らに魔力を気取られないはずだ。
ただ長時間発動していたらバレるかもしれないので、さっさと行動を開始する。
今はある程度の距離で木の上に登っているので、まず威力が出やすいように血剣を全て血弓に変える。
剣から弓に変えたので、不要になった剣が出てきたが、それは『収納』に入れて出来上がった10本の血弓に『岩の矢』をセットする。
そして、意識があるせいで抵抗している人間には当たらないように、ここから魔力を隠した状態では倒せないであろう『アサシンモンキー』は狙わずに『暴れ猿』に狙いを定めた。
そして、一度深呼吸をしてから全ての血弓を同時に発射。
それからすぐに再び『岩の矢』を装填して、さっき狙わなかった5匹の『暴れ猿』と、残りの矢は『アサシンモンキー』に狙いを定めて発射した。
発射が終わったと同時に俺は気を飛び降りて、『身体強化』5倍にしながら、血弓にしている血を全て一本の剣にした。
それと同時に『暴れ猿』10匹に最初の『岩の矢』が正確に頭を撃ち抜いた。
そして、急に死んだ『暴れ猿』に『暴れ猿』と『アサシンモンキー』が混乱している間に、更に俺の追撃である『石の矢』5本が『暴れ猿』に命中。
流石に全てが致命傷ではなかったが、二匹は致命傷だろう。
『アサシンモンキー』には『岩の矢』が全て弾かれたが、今度は違う魔法の射程圏内に入ったので、魔法を使用した。
「『樹縛』!!」
『樹縛』とは俺が魔の森を出る前から考えて居た魔法だ。
その効果内容は周辺の木を利用して、相手を拘束する事。
ただ拘束するために使う木を部隊級の魔物であるトレントと同じでよくしなり、それでいて固く、更には魔法で燃えにくくした。
この魔法の行使は今回初めてだが、問題は無いはずだ。
一応念の為、『アサシンモンキー』を拘束するときに、右手と右足は外に引っ張るように拘束し、逆に左手と左足は胴体と一緒に拘束することで拘束力を上げた。
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
戦国陰陽師〜自称・安倍晴明の子孫は、第六天魔王のお家の食客になることにしました〜
水城真以
ファンタジー
自称・安倍晴明の子孫、明晴。ある日美濃に立ち寄った明晴がいつもの通りに陰陽術で荒稼ぎしていたら、岐阜城主・織田信長に目を付けられてしまう。城に連れて行かれた明晴は、ある予言を当ててしまったことから織田家の食客になることに!?
「俺はただ、緩くのんびり生きられたらいいだけなのにーー!!」
果たして自称・安倍晴明の子孫の運命やいかに?!
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる