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3章 ダンジョン突入編
58話 元奴隷は目標を決める
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夜番を用意していたものの、夜番の時にも、寝ていた時にも何も起こらなかった。
まあ、何か起こる可能性が低い場所で寝ていたので、何も起こってくれない方が断然いいので、それは良かった。
朝になって、寝ていた俺とセリカはハクに起こされた。
「2人共、そろそろ時間だぞ。起きろ」
俺はハクの言葉で素直に体を起こせた。
一応、まだ奴隷から開放されて一週間と少しなので、まだまだ奴隷の生活習慣は抜けない。
一応、言葉遣いや癖なんかは、奴隷の首輪が取れた時から戻ったが、他の事は中々戻らない。
分かり易い例を上げると、人に起きろと言われると即座に目覚めてしまうことだろう。
その為、眠くとも起きれてしまう俺と違い、セリカは被っている布を顔まで被せていた。
「うう~、もう少し~」
「駄目だ。今日も忙しいんだ。それにDPで買えるものも増やしておきたい。それに今日からは周辺の偵察もする予定だ。やる事は多いぞ」
「うう~」
セリカはハクに説得されて、なんとか起きてきた。
セリカが起きてくる間にオークを食って朝食を済ませ、ハクに質問した。
「今日は何層まで潜る?」
「そうだな。今までのペースで考えるなら出来れば13層、余裕を持って行動するなら11層に行きたい所だが、道に迷うと下手に動くと戻ってこれなくなる。
ロキはどうやって下に向かう階段を探り当てたんだ?」
「虱潰しに動いただけだ」
「ああ、なるほど。そうなると、1日1層後略出来れば良い方か。ということは、今日は12層到達を目指して進もう。
出来れば暗くなる前に外の偵察を済ませたいが、ダンジョン攻略と外の偵察の順番を逆にするか?」
俺はハクに言われた提案について、少し考えてから答えた。
「確かに順番を逆にした方が良いかもしれないな。
だが、どちらにしてもセリカは、ここで魔道具を作ってもらったほうが良くないか?飛び道具の件もあるしな」
「確かにな。それなら、今日は私が偵察に行って、明日はロキが偵察に行こう。偵察に行っていない方が、瀬里香の護衛でどうだ?
偵察するなら毎日同じ人間が行ったほうが良いが、それだと判断に偏りが出る可能性もあるしな」
俺はハクの提案に少し考え込んだ。
確かに、ハクの提案したと通りにする利点は理解できる。
1人でずっと見ていても、違和感に気がづけない可能性がある。
しかし、その可能性には、毎日人が変わると、逆に違和感に気がづけない可能性もある。
他にも、1人で偵察を続けると、魔物の数の緩やかな増加に気付けない可能性もある。
それに外に近接戦特化のやばい魔物が居たら、ハクは殺されるだろう。
生きているかどうかはパーティー欄を見れば分かるが、助けに行っても間に合うかどうか、分からない。
それらを総合しても、ハクは俺と交互に偵察をする必要があると判断した。
それなら、俺はハクを信じるしかない。
「分かった。偵察と護衛は、日毎に交代しよう。ただし昼前、12時になるよりは前に帰って来い」
「分かった。それなら瀬里香が起きたら、すぐに行ってくる」
そう言って、ハクはセリカを起こしに向かった。
俺はそんなハクを見ながら、ダンジョンと布をポーチに仕舞った。
その間にハクはセリカを起こし、すぐに魔法陣に魔石を嵌めてから、ダンジョンの外に向かった。
セリカはハクが外に出た頃に、ダンボールの上から退いてくれたので、それをポーチに仕舞いつつ水魔法を使い、まだ少し寝ぼけていたセリカを起こした。
「わきゃ!?な、なに、なに!?」
俺に小さく威力もほぼ無い『水玉』を顔にぶつけられたセリカは、寝ぼけていた様子から、急に覚醒し驚いた様に周りを見回した。
セリカは周りを見回して、俺しか居ないと分かると安心した様に息を吐いてから、首を傾げた。
「あれ、ハクは?トイレ?」
「いや、外に偵察に行ったぞ。とりあえず、遅くとも12時前には帰ってくるように伝えてあるから、数時間すれば戻って来る」
「ん?偵察は午後にするって言ってなかった?」
「いや、合ってるぞ。だが、午後に偵察をすると、途中から辺りが暗くなる可能性もあるから、朝に偵察する事にしたんだ。
今は予定もないし、セリカは魔道具作りをするか?それとも昨日稼いだDPで何か買うか?」
俺はセリカにこの後は何をするかを質問した。
仮に魔道具作りをするなら、俺のポーチに入っている素材を出すためだ。
セリカは悩むような仕草をしてから、答えた。
「ん~、とりあえず売ってる商品の確認からかな。何が売ってるか知らないと、無駄にDPが掛かるかもしれないしね」
「なるほど、それもそうか。それなら、俺も周りを警戒しつつ、『ショップ販売』を見てみるか。
あ、そう言えば、『初回限定商品』の欄はどうなってる?」
「どういうこと?」
俺の質問にセリカは首を傾げた。
なので、俺もこんな質問をした理由を説明した。
「拠点に居るときに、『初回限定商品』の1つを買ったんだが、個人毎の初回なのか、それとも全体の初回なのか気になったんだ」
「ああ、なるほどね。確認するからちょっと待って。
あった、食料(成人男性1食分)だけが売り切れで、無くなってるね。これ買ったの?」
「ああ、それだ。セリカの方にも無いというは全体の初回か。それなら今の内に買い占めておくか?」
俺の言葉にセリカは渋い顔をした。
「ん~、それはどうだろう。止めたほうが良いかも」
「なぜだ?」
「ほら、私達が拠点から離れて、ここに潜ってくる事は向こうにも把握されてる訳でしょ?
そんな状態で『初回限定商品』を買い占めたら、無駄に恨まれるよ?だから、使えそうなのだけにした方が良いと思う」
「なるほど、確かに。それなら、どれを買うか」
俺はセリカの言葉に納得して、『初回限定販売』の品が写っている画面を眺め始めた。
俺が『初回限定販売』を見ていると、1つだけ異彩を放っている商品を見つけた。
それに首を傾げて、セリカに質問した。
「セリカ、『初回限定販売』の一番下にある【?】って、なんだからわかるか?」
「ん~?ちょっと待って。あ、これか。私の方でも【?】だね。
しかも、商品の名前も、説明も【?】で必要DPが100万って、おかしくない?」
「確かに、だがそれくらいDPが必要な物って事だろう?意外と良い物なんじゃないか?
俺が最初に買った、食料(成人男性。1食分)も普通ならDP100が必要なんだ。他の物も、『初回限定販売』の物と比較すると大体100倍は高い。
それなら10億DPの物が100万DPまで、下がっているんじゃないか?」
俺はセリカに説明する中で、自分で本当にそんな気がしてきた。
セリカは、そんな俺に呆れた目を向けてきた。
「それはそうかもしれないけど、どちらにしても今はそんなDPは無いでしょ?」
「ああ、無い。だから、今後はこれを目標にしようかと思ってな」
「えっ、ほ、本気?」
「ああ、俺は元々生きる為に生きているが、何かの目標はあった方がいいだろ?
もちろん、一番の目標にするつもりはないが、買うにしろ、買わないにしろ100万DPくらいは貯めれた方がいいだろ?」
「そ、それは、まあ、そうだね」
「まあ、ハクとセリカの2人にまで迷惑をかけるつもりはない。
あくまでも、個人的な今後の目標は100万DPを貯めることにするだけだ」
俺が笑顔で言った言葉に、これは言っても聞かないなという表情をしたセリカが、呆れた目を向けて来ていた。
しかし、俺はそれを無視して、突然出来た今後の目標に気合を入れた。
まあ、何か起こる可能性が低い場所で寝ていたので、何も起こってくれない方が断然いいので、それは良かった。
朝になって、寝ていた俺とセリカはハクに起こされた。
「2人共、そろそろ時間だぞ。起きろ」
俺はハクの言葉で素直に体を起こせた。
一応、まだ奴隷から開放されて一週間と少しなので、まだまだ奴隷の生活習慣は抜けない。
一応、言葉遣いや癖なんかは、奴隷の首輪が取れた時から戻ったが、他の事は中々戻らない。
分かり易い例を上げると、人に起きろと言われると即座に目覚めてしまうことだろう。
その為、眠くとも起きれてしまう俺と違い、セリカは被っている布を顔まで被せていた。
「うう~、もう少し~」
「駄目だ。今日も忙しいんだ。それにDPで買えるものも増やしておきたい。それに今日からは周辺の偵察もする予定だ。やる事は多いぞ」
「うう~」
セリカはハクに説得されて、なんとか起きてきた。
セリカが起きてくる間にオークを食って朝食を済ませ、ハクに質問した。
「今日は何層まで潜る?」
「そうだな。今までのペースで考えるなら出来れば13層、余裕を持って行動するなら11層に行きたい所だが、道に迷うと下手に動くと戻ってこれなくなる。
ロキはどうやって下に向かう階段を探り当てたんだ?」
「虱潰しに動いただけだ」
「ああ、なるほど。そうなると、1日1層後略出来れば良い方か。ということは、今日は12層到達を目指して進もう。
出来れば暗くなる前に外の偵察を済ませたいが、ダンジョン攻略と外の偵察の順番を逆にするか?」
俺はハクに言われた提案について、少し考えてから答えた。
「確かに順番を逆にした方が良いかもしれないな。
だが、どちらにしてもセリカは、ここで魔道具を作ってもらったほうが良くないか?飛び道具の件もあるしな」
「確かにな。それなら、今日は私が偵察に行って、明日はロキが偵察に行こう。偵察に行っていない方が、瀬里香の護衛でどうだ?
偵察するなら毎日同じ人間が行ったほうが良いが、それだと判断に偏りが出る可能性もあるしな」
俺はハクの提案に少し考え込んだ。
確かに、ハクの提案したと通りにする利点は理解できる。
1人でずっと見ていても、違和感に気がづけない可能性がある。
しかし、その可能性には、毎日人が変わると、逆に違和感に気がづけない可能性もある。
他にも、1人で偵察を続けると、魔物の数の緩やかな増加に気付けない可能性もある。
それに外に近接戦特化のやばい魔物が居たら、ハクは殺されるだろう。
生きているかどうかはパーティー欄を見れば分かるが、助けに行っても間に合うかどうか、分からない。
それらを総合しても、ハクは俺と交互に偵察をする必要があると判断した。
それなら、俺はハクを信じるしかない。
「分かった。偵察と護衛は、日毎に交代しよう。ただし昼前、12時になるよりは前に帰って来い」
「分かった。それなら瀬里香が起きたら、すぐに行ってくる」
そう言って、ハクはセリカを起こしに向かった。
俺はそんなハクを見ながら、ダンジョンと布をポーチに仕舞った。
その間にハクはセリカを起こし、すぐに魔法陣に魔石を嵌めてから、ダンジョンの外に向かった。
セリカはハクが外に出た頃に、ダンボールの上から退いてくれたので、それをポーチに仕舞いつつ水魔法を使い、まだ少し寝ぼけていたセリカを起こした。
「わきゃ!?な、なに、なに!?」
俺に小さく威力もほぼ無い『水玉』を顔にぶつけられたセリカは、寝ぼけていた様子から、急に覚醒し驚いた様に周りを見回した。
セリカは周りを見回して、俺しか居ないと分かると安心した様に息を吐いてから、首を傾げた。
「あれ、ハクは?トイレ?」
「いや、外に偵察に行ったぞ。とりあえず、遅くとも12時前には帰ってくるように伝えてあるから、数時間すれば戻って来る」
「ん?偵察は午後にするって言ってなかった?」
「いや、合ってるぞ。だが、午後に偵察をすると、途中から辺りが暗くなる可能性もあるから、朝に偵察する事にしたんだ。
今は予定もないし、セリカは魔道具作りをするか?それとも昨日稼いだDPで何か買うか?」
俺はセリカにこの後は何をするかを質問した。
仮に魔道具作りをするなら、俺のポーチに入っている素材を出すためだ。
セリカは悩むような仕草をしてから、答えた。
「ん~、とりあえず売ってる商品の確認からかな。何が売ってるか知らないと、無駄にDPが掛かるかもしれないしね」
「なるほど、それもそうか。それなら、俺も周りを警戒しつつ、『ショップ販売』を見てみるか。
あ、そう言えば、『初回限定商品』の欄はどうなってる?」
「どういうこと?」
俺の質問にセリカは首を傾げた。
なので、俺もこんな質問をした理由を説明した。
「拠点に居るときに、『初回限定商品』の1つを買ったんだが、個人毎の初回なのか、それとも全体の初回なのか気になったんだ」
「ああ、なるほどね。確認するからちょっと待って。
あった、食料(成人男性1食分)だけが売り切れで、無くなってるね。これ買ったの?」
「ああ、それだ。セリカの方にも無いというは全体の初回か。それなら今の内に買い占めておくか?」
俺の言葉にセリカは渋い顔をした。
「ん~、それはどうだろう。止めたほうが良いかも」
「なぜだ?」
「ほら、私達が拠点から離れて、ここに潜ってくる事は向こうにも把握されてる訳でしょ?
そんな状態で『初回限定商品』を買い占めたら、無駄に恨まれるよ?だから、使えそうなのだけにした方が良いと思う」
「なるほど、確かに。それなら、どれを買うか」
俺はセリカの言葉に納得して、『初回限定販売』の品が写っている画面を眺め始めた。
俺が『初回限定販売』を見ていると、1つだけ異彩を放っている商品を見つけた。
それに首を傾げて、セリカに質問した。
「セリカ、『初回限定販売』の一番下にある【?】って、なんだからわかるか?」
「ん~?ちょっと待って。あ、これか。私の方でも【?】だね。
しかも、商品の名前も、説明も【?】で必要DPが100万って、おかしくない?」
「確かに、だがそれくらいDPが必要な物って事だろう?意外と良い物なんじゃないか?
俺が最初に買った、食料(成人男性。1食分)も普通ならDP100が必要なんだ。他の物も、『初回限定販売』の物と比較すると大体100倍は高い。
それなら10億DPの物が100万DPまで、下がっているんじゃないか?」
俺はセリカに説明する中で、自分で本当にそんな気がしてきた。
セリカは、そんな俺に呆れた目を向けてきた。
「それはそうかもしれないけど、どちらにしても今はそんなDPは無いでしょ?」
「ああ、無い。だから、今後はこれを目標にしようかと思ってな」
「えっ、ほ、本気?」
「ああ、俺は元々生きる為に生きているが、何かの目標はあった方がいいだろ?
もちろん、一番の目標にするつもりはないが、買うにしろ、買わないにしろ100万DPくらいは貯めれた方がいいだろ?」
「そ、それは、まあ、そうだね」
「まあ、ハクとセリカの2人にまで迷惑をかけるつもりはない。
あくまでも、個人的な今後の目標は100万DPを貯めることにするだけだ」
俺が笑顔で言った言葉に、これは言っても聞かないなという表情をしたセリカが、呆れた目を向けて来ていた。
しかし、俺はそれを無視して、突然出来た今後の目標に気合を入れた。
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