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3章 ダンジョン突入編
57話 元奴隷は階段に戻る
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コボルト共との戦闘の片付けが全て終わってから、ハクとセリカに質問した。
「それで?これからどうする?ダンジョンの外に出て、今日の寝床を確保するか?」
「ダンジョンの中では泊まれないのか?」
「泊まれはするが、それなら夜番がキツイぞ」
「そうか、夜番か。これからは必要になるか、考えていなかったな」
俺の言葉にハクは眉を顰めた。
そんなハクを見ながら、仕方無いと頷きながら言った。
「まあ、それも仕方無いだろう。夜番なんて、経験してなければ、早々思いつかない」
「ふふん、そうでもないよ?」
俺の言葉に、セリカは満面の笑みを浮かべながら反論した。
それに首を傾げていると、セリカは自分の胸に手を突っ込んだ。
それを見た瞬間に、俺はセリカに背中を向けた。
本当なら見たい気もするが、他に人が居ない3人パーティーで男女間の問題はおこせないのだ。
そんな理由からセリカが胸に手を突っ込んだのを見ないでいると、セリカが俺の前に回り込んできて、俺に小さな箱を渡してきた。
その箱は片手で覆えるくらいの大きさだったが、まだ人肌の暖かさがあった。
それを気にしないようにしていると、セリカが説明しだした。
「それは結界を発動させる魔道具の中では、最小の魔道具だよ。名前は【最も小さい結界生成魔道具】を略して、『サイケツちゃん』かな」
「こ、こっちの名前もなんというか」
「ん?変だった?」
「い、いや別に?それじゃあ階段に戻って、野営しようか」
俺が苦笑いしながらそう言って振り返ると、俺の目の前にハクが居た。
それに驚き、ビクリと体を反応させた。
そんな俺にハクは手を出して来た。
そのまま何かを待っているハクに、何がしたいのかと思っていると、ハクの視線がセリカから渡された魔道具に向いていた。
それを見て、『なるほど』と理解して、すぐにハクに魔道具を渡した。
魔道具を受け取ったハクは、セリカの頭を小突いた。
「変な所から出した物をロキに押し付けるな」
「へ、変な所って、酷いな。こういうのはちょっとだけ夢があるでしょ?」
セリカはそう言いながら、俺を見てきた。
それに首を傾げていると、セリカは有り得ない者を見る目で見てきて、ハクはため息をついていた。
「ロキ、胸から物を取り出すのは、夢だよ?」
「いや、そんな夢はないだろ?なにを言っているんだ?」
「セリカはオタクだったんだ。でなければ、膨大な数の魔道具を作り出す想像力は生まれない」
「な、なるほど?因みに、オタクとは?」
「ん、端的に言えば、想像力豊かで夢見がちな人だな」
「なるほど」
「いや、なるほどじゃないよ!?私はオタクじゃないし」
セリカは焦った様子で、俺に言い訳してきた。
オタクというものをほぼ知らないので、何故焦っているのか分からないので、首を傾げているとハクがため息をついた。
「なんで焦っているんだ。そもそもロキはオタクを知らないんだから、問題ないだろう」
「あ、そっか。いや、でも昔オタクだった事をバラさないでよ」
「今でもオタクだろう?今でも推しのをグッズを眺めているのは知っているぞ」
「うえ!?いや、それは息抜きというか、気分転換というか、イメージの構築の為というか」
「言い訳が見苦しいぞ。それよりも、さっさと階段に戻るぞ」
セリカとハクはそんなやり取りをして、愉しそうに話をしていた。
それを見て、昔から仲が良かったのだろうと、ハクに質問してみた。
「2人はいつからの付き合いなんだ?」
「そうだな、瀬里香が何歳までおねしょをしていたか、分かるくらいからか?」
「だぁ~!!それは一番駄目なヤツ!!というか、それは私も分かるからね!?
言っちゃだめだよ!?言ったら、私も言うからね!?」
「分かった、分かった。まあ、子供の頃からの付き合いなのは確かだ。一応、柴田もだが、今はもうな」
ハクは寂しそうな顔をして言った。
それを見て、拠点から引き離したのは悪かったと思い、口に出した。
「ん、そうか。別れさせてしまって、悪かったな」
「いや、最近は変わって来てしまっていたからな。もう会えないかもしれないが、不思議と寂しさというものは感じない」
「そうだね。なんか、発言力を求めるような感じになってたし、私も寂しさはないかな」
こんな事を話しながら、3人で階段に戻った。
因みに、戻った理由は、昨日の内に魔物は階段に近寄っても、入っては来ないと確認していたからだ。
そんな階段に戻ってから、魔法陣がある階段の横の空間に、魔法陣と被らない位置に、ダンボールとその上に布を被せた、簡易的な寝床を2つ作った。
1つはハクとセリカ用、もう1つは俺のものだ。
その2つを『サイケツちゃん』の効果範囲に入る様に配置して、夜番の順番も決めた。
夜番の順番は最初にハク、次に俺、最後にセリカとなった。
俺とハクは、セリカはしなくても良いと言ったのだが、セリカ本人が『まだ魔道具を作れる時間が無いけど、それまで何もしないのは嫌だから』と言って、譲らなかったので、3人でのローテーションになった。
それから食事や寝るまで間に階段に寄ってきた魔物を排除していると、ハクが何気無しに話題を振ってきた。
「そういえば、DPは今まで通りに1しか増えなかったが、魔物の数はいきなり増えたな。
11層で最大は20匹か。このダンジョンが100層まであるとしたら、一体何体の魔物を同時に相手取るのだろうな」
「次の層の数次第だが、190匹くらいじゃないか?」
「190匹くらい?その理由は?」
「これまで1層増える毎に1匹、そして10層増える事を節目として10匹増えるなら、50層で仮定して考えると95匹だろ?それを倍にして190匹だ。
まあ、次の層で、増加する魔物の数が2匹になるとすれば、凄まじい数になるが、流石に無いだろう」
「なるほど、確かにそうだな」
俺がハクと話をしていると、階段の外を警戒していたセリカが話しかけて来た。
「ちょっと2人共、早く寝てね?私は一晩起きてる自身はないよ?」
「ああ、分かっている。おやすみ、ロキ、瀬里香」
「そうだな。時間になったら起こしてくれ。おやすみ、ハク、セリカ」
「うん、分かっているよ。おやすみ、ロキ、ハク」
「それで?これからどうする?ダンジョンの外に出て、今日の寝床を確保するか?」
「ダンジョンの中では泊まれないのか?」
「泊まれはするが、それなら夜番がキツイぞ」
「そうか、夜番か。これからは必要になるか、考えていなかったな」
俺の言葉にハクは眉を顰めた。
そんなハクを見ながら、仕方無いと頷きながら言った。
「まあ、それも仕方無いだろう。夜番なんて、経験してなければ、早々思いつかない」
「ふふん、そうでもないよ?」
俺の言葉に、セリカは満面の笑みを浮かべながら反論した。
それに首を傾げていると、セリカは自分の胸に手を突っ込んだ。
それを見た瞬間に、俺はセリカに背中を向けた。
本当なら見たい気もするが、他に人が居ない3人パーティーで男女間の問題はおこせないのだ。
そんな理由からセリカが胸に手を突っ込んだのを見ないでいると、セリカが俺の前に回り込んできて、俺に小さな箱を渡してきた。
その箱は片手で覆えるくらいの大きさだったが、まだ人肌の暖かさがあった。
それを気にしないようにしていると、セリカが説明しだした。
「それは結界を発動させる魔道具の中では、最小の魔道具だよ。名前は【最も小さい結界生成魔道具】を略して、『サイケツちゃん』かな」
「こ、こっちの名前もなんというか」
「ん?変だった?」
「い、いや別に?それじゃあ階段に戻って、野営しようか」
俺が苦笑いしながらそう言って振り返ると、俺の目の前にハクが居た。
それに驚き、ビクリと体を反応させた。
そんな俺にハクは手を出して来た。
そのまま何かを待っているハクに、何がしたいのかと思っていると、ハクの視線がセリカから渡された魔道具に向いていた。
それを見て、『なるほど』と理解して、すぐにハクに魔道具を渡した。
魔道具を受け取ったハクは、セリカの頭を小突いた。
「変な所から出した物をロキに押し付けるな」
「へ、変な所って、酷いな。こういうのはちょっとだけ夢があるでしょ?」
セリカはそう言いながら、俺を見てきた。
それに首を傾げていると、セリカは有り得ない者を見る目で見てきて、ハクはため息をついていた。
「ロキ、胸から物を取り出すのは、夢だよ?」
「いや、そんな夢はないだろ?なにを言っているんだ?」
「セリカはオタクだったんだ。でなければ、膨大な数の魔道具を作り出す想像力は生まれない」
「な、なるほど?因みに、オタクとは?」
「ん、端的に言えば、想像力豊かで夢見がちな人だな」
「なるほど」
「いや、なるほどじゃないよ!?私はオタクじゃないし」
セリカは焦った様子で、俺に言い訳してきた。
オタクというものをほぼ知らないので、何故焦っているのか分からないので、首を傾げているとハクがため息をついた。
「なんで焦っているんだ。そもそもロキはオタクを知らないんだから、問題ないだろう」
「あ、そっか。いや、でも昔オタクだった事をバラさないでよ」
「今でもオタクだろう?今でも推しのをグッズを眺めているのは知っているぞ」
「うえ!?いや、それは息抜きというか、気分転換というか、イメージの構築の為というか」
「言い訳が見苦しいぞ。それよりも、さっさと階段に戻るぞ」
セリカとハクはそんなやり取りをして、愉しそうに話をしていた。
それを見て、昔から仲が良かったのだろうと、ハクに質問してみた。
「2人はいつからの付き合いなんだ?」
「そうだな、瀬里香が何歳までおねしょをしていたか、分かるくらいからか?」
「だぁ~!!それは一番駄目なヤツ!!というか、それは私も分かるからね!?
言っちゃだめだよ!?言ったら、私も言うからね!?」
「分かった、分かった。まあ、子供の頃からの付き合いなのは確かだ。一応、柴田もだが、今はもうな」
ハクは寂しそうな顔をして言った。
それを見て、拠点から引き離したのは悪かったと思い、口に出した。
「ん、そうか。別れさせてしまって、悪かったな」
「いや、最近は変わって来てしまっていたからな。もう会えないかもしれないが、不思議と寂しさというものは感じない」
「そうだね。なんか、発言力を求めるような感じになってたし、私も寂しさはないかな」
こんな事を話しながら、3人で階段に戻った。
因みに、戻った理由は、昨日の内に魔物は階段に近寄っても、入っては来ないと確認していたからだ。
そんな階段に戻ってから、魔法陣がある階段の横の空間に、魔法陣と被らない位置に、ダンボールとその上に布を被せた、簡易的な寝床を2つ作った。
1つはハクとセリカ用、もう1つは俺のものだ。
その2つを『サイケツちゃん』の効果範囲に入る様に配置して、夜番の順番も決めた。
夜番の順番は最初にハク、次に俺、最後にセリカとなった。
俺とハクは、セリカはしなくても良いと言ったのだが、セリカ本人が『まだ魔道具を作れる時間が無いけど、それまで何もしないのは嫌だから』と言って、譲らなかったので、3人でのローテーションになった。
それから食事や寝るまで間に階段に寄ってきた魔物を排除していると、ハクが何気無しに話題を振ってきた。
「そういえば、DPは今まで通りに1しか増えなかったが、魔物の数はいきなり増えたな。
11層で最大は20匹か。このダンジョンが100層まであるとしたら、一体何体の魔物を同時に相手取るのだろうな」
「次の層の数次第だが、190匹くらいじゃないか?」
「190匹くらい?その理由は?」
「これまで1層増える毎に1匹、そして10層増える事を節目として10匹増えるなら、50層で仮定して考えると95匹だろ?それを倍にして190匹だ。
まあ、次の層で、増加する魔物の数が2匹になるとすれば、凄まじい数になるが、流石に無いだろう」
「なるほど、確かにそうだな」
俺がハクと話をしていると、階段の外を警戒していたセリカが話しかけて来た。
「ちょっと2人共、早く寝てね?私は一晩起きてる自身はないよ?」
「ああ、分かっている。おやすみ、ロキ、瀬里香」
「そうだな。時間になったら起こしてくれ。おやすみ、ハク、セリカ」
「うん、分かっているよ。おやすみ、ロキ、ハク」
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