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4話
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「何を言っているのですか?」
私はお父様の言葉を理解できなかった。
そもそも私とギルの婚約は政治的な部分が大きい。
辺境伯家の領地は王国を魔物から守る為の盾である為に、公爵家と伯爵家の2つの家と隣接している。
そもそも我が国の公爵家はかなり特殊な家で、何ら瑕疵も無く王家から出る事になった王族とその子供しか名乗れない爵位になっている。
そして、現在の公爵家は王弟殿下の子供の馬鹿が名乗っている。
因みに、王弟殿下は未だにご健在であるものの、ご隠居された後は王弟殿下の妻と大変仲睦まじく余生を送っているそうだ。
王弟殿下は瑕疵が無いどころか、いくかの功績もあるので、隠居は止められたらしいが、『妻とゆっくり過ごしたい』と強硬なされたのだとか。
しかし、どうせ余生を過ごすなら息子の馬鹿を直してから、過ごしてほしかったと思っている貴族が多い、というか思っていない者は居ないだろう。
唯一思っていないのは、身内に甘すぎる国王陛下くらい。
他の王族の方々は眉を潜めているのを見た者が居るから、良くは思っていないだろう。
それなのに、どうしてギルと私の婚約破棄と、公爵と私の結婚の話が出るのか理解できなかった。
だからこそ、お父様に否定して欲しくて、質問した。
「私とギルの婚約破棄?
それに公爵と結婚?
流石に、この状況では言ってはいけない類の冗談ですよ?
どうなれば、その様な話が出るのですか?」
「うむ、陛下だ」
「陛下?
国王陛下が、どうかしたのですか?」
「今回の件の会議中に、陛下が『辺境伯家は奢っていたのだろうな』と発言なされた。
会議に出席していた者の半数以上が陛下の言葉に耳を疑っていた様子だった。
だが、公爵だけが陛下の言葉を即座に肯定し、こう進言した。
『やはり、辺境伯という地位は不要なのでしょう。今こそ、王家がその地を取り返し、立て直さなければなりません」と。
流石に、それは会議に出席していた者達で封殺したが、代わりに『王家が辺境伯に影響力を持つべき』だと主張した」
「つまり、辺境伯家と隣接している2家の両方を王家に取り込むべきという流れになってしまったのですか?」
「ああ、その通りだ」
「会議の流れについては、納得は出来ませんが理解はしました。
ですが、婚約破棄と結婚の理由が分かりません」
「王妃殿下や王太子殿下、王女殿下は王族の責を正しく理解された上で、正しく果たされている。
おそらく陛下は、それが寂しかったのだろう。
その為に、頻繁に頼ってくる駄目な親族を擁護したいのだろうな。
会議の後に、陛下と同席していた公爵から『マーガレットを正妻とし、辺境伯家との橋渡しとせよ。子供は平民の妾に産ませれば良い』と言われたよ」
「な!?
そんな事、あって良いはずがありません!!」
「その通りだ。
だからこそ私もその場で拒否したし、その後に王太子殿下と王妃殿下と面会し、釘を刺して頂けるように頼んだ。
元々、ギルベルトと王太子殿下が友人であったし、マーガレットは王妃殿下に気に入られているから、請け負って下さった。
だが、陛下が王命を持ち出された場合、拒否できなくなってしまう」
「王、命?
まさか、そんな王命を下せる訳がありません」
「いや、おそらく今の陛下なら下しかねない。
なにより、あの公爵が側に居ては、他の者の話なぞ、聞くか怪しい」
私はお父様の言葉に絶句してしまった。
国王陛下は名君とは言えなかったものの、暗君でも無かった。
戦乱でも無い世の中で、平凡で問題を起こさぬ王。
それは一見何でもないように見えて、実はとても大切な事。
安定して国を動かす為には、保守的になる必要もあれば、停滞しないように革新的になる必要もある。
その判断を間違えること無く、少しづつでも国が成長しているのだから、陛下は名君とは呼ばれないものの優秀な王だった。
そんな国王陛下が、いくら弟の子供とは言え、1貴族家に肩入れし、結婚を命じたといえ事を信じたくなかった。
そこまで考えた所で、おかしい事に気が付いた。
お父様は公爵が国王陛下に進言したと言っていた。
別に進言した事自体はおかしくなくとも、あまりにも悪知恵が働いている内容だった。
公爵は夜会にすら平民の愛人を連れてきた事のある大馬鹿。
それなのに辺境の『教会』が崩壊し、自領が危機に瀕しているのに、そんな悪知恵を働かせる暇があるのか?
おそらくは無い。
国を動かしている方々なら、転んでもただでは起きないように振る舞えるだろうが、大馬鹿にそれほどの頭はない。
なら何故、公爵は国王陛下に進言出来たのか。
現状で最もあり得る可能性は、辺境の『教会』が崩壊し、『結界』が壊れる事を知っていて準備していた。
ここまで来ると、公爵が黒にしか思えなくなってしまった。
その為に私が顔を歪めていると、お父様も顔を歪ませて私に言った。
「マーガレット。
会議中の公爵の振る舞いを考慮すると、私達の考えは間違ってないだろう。
だからこそ辺境は心配だろうけど、マーガレット自身も気を付けないといけないよ」
「はい。
既成事実を作られないように、ですね。
とはいえ、王国全土に関係する緊急事態ですから、落ち着くまではお茶会や夜会もないのではありませんか?」
「そうだね、しばらくは中止になるだろう。
でも、それは大規模な物だけで、小規模な物は残る筈だ。
その小規模な物で偶然を装われると対処が難しいから、親しい物からの招待でも応じてはいけないよ」
「それほどですか?」
「ああ、特に今回は嫌な感じがするんだ」
私はお父様の嫌な感じという言葉を聞いて、顔を引き攣らせてしまった。
元々、嫌な予感はよく当たると言われているけれど、お父様の嫌な感じは当たる。
しかも、お父様の嫌な感じは、特大の厄介事である事が多い。
更に現状の状況を考えるなら、まずもって辺境関連の厄介事は確定。
そして、公爵に関わるなと言っているなら、公爵は本気で私と結婚する気の可能性が高い。
ギルや辺境伯家との仲は良好だし、結婚は楽しみにしていた。
それを邪魔しようとするとは、許さない。
私はお父様の言葉を理解できなかった。
そもそも私とギルの婚約は政治的な部分が大きい。
辺境伯家の領地は王国を魔物から守る為の盾である為に、公爵家と伯爵家の2つの家と隣接している。
そもそも我が国の公爵家はかなり特殊な家で、何ら瑕疵も無く王家から出る事になった王族とその子供しか名乗れない爵位になっている。
そして、現在の公爵家は王弟殿下の子供の馬鹿が名乗っている。
因みに、王弟殿下は未だにご健在であるものの、ご隠居された後は王弟殿下の妻と大変仲睦まじく余生を送っているそうだ。
王弟殿下は瑕疵が無いどころか、いくかの功績もあるので、隠居は止められたらしいが、『妻とゆっくり過ごしたい』と強硬なされたのだとか。
しかし、どうせ余生を過ごすなら息子の馬鹿を直してから、過ごしてほしかったと思っている貴族が多い、というか思っていない者は居ないだろう。
唯一思っていないのは、身内に甘すぎる国王陛下くらい。
他の王族の方々は眉を潜めているのを見た者が居るから、良くは思っていないだろう。
それなのに、どうしてギルと私の婚約破棄と、公爵と私の結婚の話が出るのか理解できなかった。
だからこそ、お父様に否定して欲しくて、質問した。
「私とギルの婚約破棄?
それに公爵と結婚?
流石に、この状況では言ってはいけない類の冗談ですよ?
どうなれば、その様な話が出るのですか?」
「うむ、陛下だ」
「陛下?
国王陛下が、どうかしたのですか?」
「今回の件の会議中に、陛下が『辺境伯家は奢っていたのだろうな』と発言なされた。
会議に出席していた者の半数以上が陛下の言葉に耳を疑っていた様子だった。
だが、公爵だけが陛下の言葉を即座に肯定し、こう進言した。
『やはり、辺境伯という地位は不要なのでしょう。今こそ、王家がその地を取り返し、立て直さなければなりません」と。
流石に、それは会議に出席していた者達で封殺したが、代わりに『王家が辺境伯に影響力を持つべき』だと主張した」
「つまり、辺境伯家と隣接している2家の両方を王家に取り込むべきという流れになってしまったのですか?」
「ああ、その通りだ」
「会議の流れについては、納得は出来ませんが理解はしました。
ですが、婚約破棄と結婚の理由が分かりません」
「王妃殿下や王太子殿下、王女殿下は王族の責を正しく理解された上で、正しく果たされている。
おそらく陛下は、それが寂しかったのだろう。
その為に、頻繁に頼ってくる駄目な親族を擁護したいのだろうな。
会議の後に、陛下と同席していた公爵から『マーガレットを正妻とし、辺境伯家との橋渡しとせよ。子供は平民の妾に産ませれば良い』と言われたよ」
「な!?
そんな事、あって良いはずがありません!!」
「その通りだ。
だからこそ私もその場で拒否したし、その後に王太子殿下と王妃殿下と面会し、釘を刺して頂けるように頼んだ。
元々、ギルベルトと王太子殿下が友人であったし、マーガレットは王妃殿下に気に入られているから、請け負って下さった。
だが、陛下が王命を持ち出された場合、拒否できなくなってしまう」
「王、命?
まさか、そんな王命を下せる訳がありません」
「いや、おそらく今の陛下なら下しかねない。
なにより、あの公爵が側に居ては、他の者の話なぞ、聞くか怪しい」
私はお父様の言葉に絶句してしまった。
国王陛下は名君とは言えなかったものの、暗君でも無かった。
戦乱でも無い世の中で、平凡で問題を起こさぬ王。
それは一見何でもないように見えて、実はとても大切な事。
安定して国を動かす為には、保守的になる必要もあれば、停滞しないように革新的になる必要もある。
その判断を間違えること無く、少しづつでも国が成長しているのだから、陛下は名君とは呼ばれないものの優秀な王だった。
そんな国王陛下が、いくら弟の子供とは言え、1貴族家に肩入れし、結婚を命じたといえ事を信じたくなかった。
そこまで考えた所で、おかしい事に気が付いた。
お父様は公爵が国王陛下に進言したと言っていた。
別に進言した事自体はおかしくなくとも、あまりにも悪知恵が働いている内容だった。
公爵は夜会にすら平民の愛人を連れてきた事のある大馬鹿。
それなのに辺境の『教会』が崩壊し、自領が危機に瀕しているのに、そんな悪知恵を働かせる暇があるのか?
おそらくは無い。
国を動かしている方々なら、転んでもただでは起きないように振る舞えるだろうが、大馬鹿にそれほどの頭はない。
なら何故、公爵は国王陛下に進言出来たのか。
現状で最もあり得る可能性は、辺境の『教会』が崩壊し、『結界』が壊れる事を知っていて準備していた。
ここまで来ると、公爵が黒にしか思えなくなってしまった。
その為に私が顔を歪めていると、お父様も顔を歪ませて私に言った。
「マーガレット。
会議中の公爵の振る舞いを考慮すると、私達の考えは間違ってないだろう。
だからこそ辺境は心配だろうけど、マーガレット自身も気を付けないといけないよ」
「はい。
既成事実を作られないように、ですね。
とはいえ、王国全土に関係する緊急事態ですから、落ち着くまではお茶会や夜会もないのではありませんか?」
「そうだね、しばらくは中止になるだろう。
でも、それは大規模な物だけで、小規模な物は残る筈だ。
その小規模な物で偶然を装われると対処が難しいから、親しい物からの招待でも応じてはいけないよ」
「それほどですか?」
「ああ、特に今回は嫌な感じがするんだ」
私はお父様の嫌な感じという言葉を聞いて、顔を引き攣らせてしまった。
元々、嫌な予感はよく当たると言われているけれど、お父様の嫌な感じは当たる。
しかも、お父様の嫌な感じは、特大の厄介事である事が多い。
更に現状の状況を考えるなら、まずもって辺境関連の厄介事は確定。
そして、公爵に関わるなと言っているなら、公爵は本気で私と結婚する気の可能性が高い。
ギルや辺境伯家との仲は良好だし、結婚は楽しみにしていた。
それを邪魔しようとするとは、許さない。
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