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番外編 『王国学園』編

28話

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フィーナが魔法を全て叩き落したのを見た教会の人間と周りの野次馬は驚いた様な表情をした。
それを見て、タイミングはここだと判断した私は周りの野次馬全員にも聞こえるように大声で言った。

「この趣味の悪い見世物はなに?」

「何だと貴様!!浄化を邪魔しておいて、無礼だぞ!!」

「無礼?こんな昼前から、まだ大人になるかどうかくらいの、か弱そうな女の子を大の大人が寄って集って処刑しようとしている奴らに無礼もなにも無いでしょ?」

私の言葉に反論して来た男は、顔を真っ赤にして叫んだ。

「なんだと、貴様!!教会を敵に回すつもりか!!」

「そういう教会こそ、現フロービス伯爵家当主にして黒色の魔眼所持者である私と、その私の護衛にして黒色の魔眼所持者であるフィーナを同時に相手取るつもり?」

「なっ!?」

私の言葉で、私達の正体に気が付いたのか、教会の関係者や周りの野次馬達はざわついた。
そして、教会の関係者や野次馬達は素早く自分の立場と私の立場の差を理解して、地面に膝を付き出した。

因みに、貴族が多い王都では、貴族の当主が正式に自分の名と貴族家の名前を名乗った場合、即座に膝を付くのが暗黙の礼儀となっている。

そんな理由から野次馬は膝は付き、教会の関係者も先程は私に叫んだ男以外は膝を付いた。
教会の中でも、貴族に礼をしなくとも良いのは教皇や枢機卿くらいだが、そのどちらにもあの男は見えなかった。

しかし、男が教皇ではないのは分かるが、枢機卿かどうかは分からかなかったので、枢機卿ならば自分から名乗るかと思い、私が男を見ていると、男はすぐにハッとしてから、即座に膝を付いた。
それを見て、『ああ、馬鹿なだけか』と理解してから、再び質問した。

「それで?この悪趣味とも言える見世物はなに?」

私の質問に、今膝を付いた男が体を小刻みに震わせながら答えた。

「は、はい。闇魔法の魔眼を発現させた者がおりましたので、しょ、処刑をと」

「闇魔法の魔眼、ね。それで何故処刑を?」

「そ、それはや、闇魔法の魔眼はきょ、教義に反しますので」

「教義?

確か『全ての力には貧賤は無く平等であるが故に、博愛を忘れずに振るわなければならない』とかじゃなかった?ねえ、フィーナ」

「はっ、その他にも多数ありますが、この度の件に関連しているもののみを上げるとすれば、その通りだったかと思われます」

私がフィーナに質問すると、フィーナは膝を地面に付いて答えた。
私は急にフィーナに話を降ったが、流石はフィーナと言うべきか、ここに人目が多くあるという事で、ちゃんと立場を意識した立ち振る舞いをしてくれている。

そんなフィーナに少しだけ笑みを浮かべながら、私に受け答えしていた馬鹿男に質問した。

「それで?どの教義に反するの?」
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