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番外編 『王国学園』編

17話

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講義の時間になり、学園が用意した魔眼所持者と学生本人、更に護衛の戦闘を見て飽き飽きしていた私はため息をついた。

「はぁ~、魔眼所持者に魔眼所持者から身を守る術を教えてどうするのか。戦ったほうが早いのに」

「まあ、護衛との連携は大切ではないですか」

「私はそこらの護衛よりは余程強いから意味無いよ。それに、連携を必要とされる相手が残っているとは思えないな」

「あ~、それはまあ、確かに」

フィーナが苦笑いしながら私の言葉を肯定した。

そんなフィーナの言葉を聞いて、学園が用意した魔眼所持者達は眉を顰めた。
そんな魔眼所持者の中から1人が、私達に近付いてきた。
その魔眼所持者は私達に諭すように言った。

「確かに魔眼所持者が、この講義を受ける意味は薄いが、無駄ではないよ。どんな人でも、何時かは衰えてしまう。そうなった時に、この講義は役に立つはずだよ」

「衰えるまで、こんな無駄な講義を覚えている自信が無いので、無駄ですね」

私が正論で返すと、私に諭してきた魔眼所持者はため息をついてから、言った。

「確かにそうだね。でも、私も臨時講師として呼ばれている以上は、生徒に教えを与えなければならない。

だから、君には一度体験してもらおう」

私が講師の言葉に眉を顰めた瞬間に、体が重くなった。
更に、そこから加速度的に体が重くなり、全身に力が入らなくなるまでは早かった。

そこで咄嗟に私の手を見ると、まるで老婆になった様に皺くちゃだった。
それを見て、これは精神系の攻撃なのだと悟り、前方に魔法を放った。

「『氷結庭園』」

「がっ!?」

私が魔法を発動させると、小さく悲鳴が聞こえてきた。
その悲鳴が聞こえて来たタイミングで、皺くちゃだった手が元のハリのある手に戻った。

それを見てから、振り返りフィーナに問いかけた。

「ねえ、フィーナ。今のは、私個人に掛けられた幻術?それとも周りにも掛けられた幻術?」

「ローニャ様個人に掛けられたものでしたよ。まあ、それを術者を倒す事で解いたようですが」

「そう。まあ、講師なのだから、倒されるて恥をかく覚悟も出来ていたでしょうし、問題ないでしょ」

「ええ、問題ないかと。しかし、魔法は解除した方が良いでしょうね」

「それは分かってるよ。『氷魔支配』」

私はフィーナに返答してから、即座に人に当たっていた魔法のみを消した。
それによって動けるようになった、私に氷漬けにされていた魔眼所持者に、皮肉に聞こえるように笑い掛けた。

「先程の魔法は中々いいご教授でしたね。私の魔法も貴方様の教えになると良いのですが」

魔眼所持者は私の言葉に顔を真っ赤にした。
私はそれを無視して、こちらをチラチラと見つつも続いている講義を眺め、早く終わらないかと心の中でぼやいていた。




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