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番外編 『王国学園』編

3話

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私が私が殺気を巻き散らかすと、周りから護衛の人間が私達に襲い掛かって来た。

私がそれに気が付いたと同時に、フィーナは学園の制服のポケットから、封印していた剣を取り出し、一撃で護衛共を蹴散らした。

護衛共はフィーナに一蹴された事に驚き、気絶していなかった者達は地面に転がったままで、フィーナをありえないものを見る目で見ていた。
そのフィーナは剣を仕舞わずに、ため息をついた。

「ローニャ様、急に殺気を出すのは止めてくださいよ。ここは『エンドシート学園』ではないのですよ」

私はフィーナがそう言ってから殺気を込めていた魔力を戻し、首を横に振りながら答えた。

「あれくらいなら挨拶だよ、フィーナ。それに私のリハビリが終わると同時に呼び付けてくれたんだから、嫌がらせくらいさせてくれても良いでしょ?」

私がそう言って反論すると、フィーナは諦めるように首を振ってから、剣を仕舞い、挨拶をした。

「皆様、ローニャ様の護衛騎士フィーナです。よろしくお願いいたします。それで先生、私達はどこに座れば?」

「え?あ、ああ、一応40人は授業を聞ける教室だから、好きな場所に座って授業を聞いて貰って構わない」

「そうですか。それならローニャ様、一番後ろの席はどうでしょうか?」

私はフィーナの言葉を聞いて、意外とフィーナもキレているのだなと理解した。

確かに教師は何処に座っても良いと言ったが、それは建前だ。
この学園には平民も多いが、平民は真ん中よりも前、貴族は真ん中よりも後ろで爵位が高い家の子供程後ろに座る。

そして、暗黙の了解として、一番後ろには座らない。
何故なら、一番後ろに座るのは王族だけと決まっているからだ。
まあ、学則には書いてないから、実際に座っても問題はないが。

要するに、フィーナは私達は王族でさえ指図は受けないと言いたいのだろう。
そんなフィーナの提案に私を笑みを浮かべた。

「良いね。そうしようか」

私がそう言うと、今まで地面に転がっていた護衛達が騒ぎ出した。

「ふ、ふざけるな!!ここは高位貴族のご子息、ご息女様達が入る上級クラスだぞ!!

そのクラスで殺気を撒き散らして、何事もなく居れると思っているのか!!」

私は馬鹿な護衛共にため息をつきながら、言った。

「はぁ?お前達が居るのに、そんなこと言うの?」

「な、なんだと!?」

「良い?ここは『王国学園』という、差別無く学びましょうという建前の元に作られた学び舎。

それなのに、いくら高位貴族や王族が居るとはいえ、教室に護衛が着くのはおかしいの。分かる?」

私がそう言うと、護衛達は息を呑んだ。
どれだけ自分が不味い事をしたのか理解したのだろう。
ばかな奴らだ。
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