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3章後半 『終わり』編
130話
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「あ、あぁあぁ~!!『氷城』ぅ~!!」
私が残りの魔力を使って作り出した氷の城は、完全なものとは言えなかった。
しかし、そんな事はどうでもいいくらいに気持ち悪かった。
その気持ち悪さは酷くなり、段々と世界が普通の世界で無いと感じる程に頭がおかしくなり、更にはただ生きているだけで泣きたくなる。
そんな変な事になっていると、なんの前触れもなく急に気が楽になった。
「うゔっ、おぇぇぇえ~」
しかし、直前まで完全におかしくなっていた私は、その楽になった際の落差で更に気持ち悪くなり、吐いた。
しばらく吐き続けて、ようやく落ち着いた頃になんで楽になったのかが分かった。
私が楽になった理由は時間魔法が使えるようになったからだ。
正確に言えば、時間魔法の魔眼の魔力が戻ったからだろうか?
階段の時から時間魔法は使えていなかった。
それはあの女に時間魔法の魔眼を封印されているからだと理解していたが、正確には時間魔法の魔眼の魔力を封印されていたらしい。
それにより、間接的に時間魔法が使えなくなっていた。
更に、時間魔法の魔眼の魔力が封印されていたことで相対的に私の総魔力量も減り、水と氷の魔眼の魔力を使い果たした時の反動が他の魔眼の所持者と同様に出たのだろう。
その事を理解してから、すぐに『逆行』を使用して水と氷の魔眼の魔力を戻した。
それにより、ようやくおかしな辛さ等も消え、先程の余韻以外はいつも通りに戻った。
そこまで来て、ようやく頭をまともに動かせるようになり、立ち上がろうとした。
しかし、そのタイミングを狙ったかのように、氷の城が揺れ、立ち上がろうとしていた私は揺れで倒れてしまった。
氷の城が揺れることは想定していた。
といっても、攻撃を受けて氷の城は揺れるたまろうし、そう長くは持たないだろうという事を考えていただけだけど。
その為、想定していた氷の城が揺れるよりも、私は驚くことがあった。
それはいくら氷の城が揺れたといっても、それはまだ立っていられる範囲だった。
それなのに、私は倒れてしまったということに驚いていた。
「まともに力が入らない。魔力はうごかせているから何かの攻撃を受けている可能性は低い筈。それなら、これは私の方が問題か」
膝が笑っている、腰が抜けているという状態ではないと思うが、体に力が入らないならば、それに近い事は起こっているだろう。
何故かと言われれば、先程の余韻以外には思い付かない。
そう思い、私は自身の太ももを手で軽く叩きながら、体が動かない理由が恐怖ではないと言い切れないので、私自身に言い聞かせるように、そして理由と目標を確認するように言った。
「時間魔法を使える今が最大の好機。あの女はフィーナを使って私を殺そうとした。だから、殺す。
そして、あの女を殺すためにはフィーナを元に戻し、『グラトニースライム』の邪魔をさせず、あの女に気づかれずに即死級の攻撃を入れれば良いだけ」
そう言ってから、深呼吸をした。
「す~ぅ、ふぅ~。よし、もう大丈夫」
私が残りの魔力を使って作り出した氷の城は、完全なものとは言えなかった。
しかし、そんな事はどうでもいいくらいに気持ち悪かった。
その気持ち悪さは酷くなり、段々と世界が普通の世界で無いと感じる程に頭がおかしくなり、更にはただ生きているだけで泣きたくなる。
そんな変な事になっていると、なんの前触れもなく急に気が楽になった。
「うゔっ、おぇぇぇえ~」
しかし、直前まで完全におかしくなっていた私は、その楽になった際の落差で更に気持ち悪くなり、吐いた。
しばらく吐き続けて、ようやく落ち着いた頃になんで楽になったのかが分かった。
私が楽になった理由は時間魔法が使えるようになったからだ。
正確に言えば、時間魔法の魔眼の魔力が戻ったからだろうか?
階段の時から時間魔法は使えていなかった。
それはあの女に時間魔法の魔眼を封印されているからだと理解していたが、正確には時間魔法の魔眼の魔力を封印されていたらしい。
それにより、間接的に時間魔法が使えなくなっていた。
更に、時間魔法の魔眼の魔力が封印されていたことで相対的に私の総魔力量も減り、水と氷の魔眼の魔力を使い果たした時の反動が他の魔眼の所持者と同様に出たのだろう。
その事を理解してから、すぐに『逆行』を使用して水と氷の魔眼の魔力を戻した。
それにより、ようやくおかしな辛さ等も消え、先程の余韻以外はいつも通りに戻った。
そこまで来て、ようやく頭をまともに動かせるようになり、立ち上がろうとした。
しかし、そのタイミングを狙ったかのように、氷の城が揺れ、立ち上がろうとしていた私は揺れで倒れてしまった。
氷の城が揺れることは想定していた。
といっても、攻撃を受けて氷の城は揺れるたまろうし、そう長くは持たないだろうという事を考えていただけだけど。
その為、想定していた氷の城が揺れるよりも、私は驚くことがあった。
それはいくら氷の城が揺れたといっても、それはまだ立っていられる範囲だった。
それなのに、私は倒れてしまったということに驚いていた。
「まともに力が入らない。魔力はうごかせているから何かの攻撃を受けている可能性は低い筈。それなら、これは私の方が問題か」
膝が笑っている、腰が抜けているという状態ではないと思うが、体に力が入らないならば、それに近い事は起こっているだろう。
何故かと言われれば、先程の余韻以外には思い付かない。
そう思い、私は自身の太ももを手で軽く叩きながら、体が動かない理由が恐怖ではないと言い切れないので、私自身に言い聞かせるように、そして理由と目標を確認するように言った。
「時間魔法を使える今が最大の好機。あの女はフィーナを使って私を殺そうとした。だから、殺す。
そして、あの女を殺すためにはフィーナを元に戻し、『グラトニースライム』の邪魔をさせず、あの女に気づかれずに即死級の攻撃を入れれば良いだけ」
そう言ってから、深呼吸をした。
「す~ぅ、ふぅ~。よし、もう大丈夫」
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