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2章 対魔獣戦闘編
78話(フィーナ視点)
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「『フィーナの脳の時間を引き延ばせ!!』」
ローニャ様が叫んだ瞬間には、頭の中が随分とスッキリした。
そして、私が自身の体に掛けていた身体強化魔法を維持しやすくなった。
それに戸惑ったが、身体強化魔法によって若干だが、ズレていた私の体の感覚がピッタリとハマった気がした。
というか、ピッタリとハマったのだろう。
今まで気が付けなかった理由は、単純に身体強化魔法によって強化された体をコントロールする事に集中していた為だろう。
体をコントロールしても余裕がある今の状態なら、一気にあの豚の魔獣を倒せる。
しかし、この私の状態はローニャ様が先程の叫んだ内容を、時間魔法で行ったのだろう。
それならば、恐らく初めての魔法であるだろうものを私に掛けているローニャ様は、相応以上の集中をしているはず。
それならば、ローニャ様にはこれ以上は負担をかけられない。
そう考えた私は、私の速度でローニャ様が怪我をしないように、ローニャ様にも身体強化魔法を使用した。
そして、ローニャ様に身体強化魔法が作用したのを確認した後、豚の魔獣に向かって走った。
私の身体能力は現在5倍になっているが、周りの魔獣は豚の魔獣を中核として、私達へと魔法を的確に当ててこようとして来る。
それのせいで今までは、近づけなかったが、今は違う。
周りから放たれる魔法を避け、避けられない魔法は剣で逸らし、逸らせない魔法は剣で消し飛ばす。
そうして、次々に魔法をなんとかし、豚の魔獣へと徐々に近付いて行った。
このまま行けば、いずれかはどうにかできる。
それでも私が抱えているローニャ様は元々の身体能力が低いせいで5倍になっていても、私の身体能力が5倍になっている状態の動きには辛そうにしている。
出来るだけ早くあの豚の魔獣を片付けなければ、この頭が何時もよりも回る状態が終わってしまえば、負担をかけてしまっているローニャ様はすぐには参戦できない可能性もある。
それなら、多少の危険を承知で動くしかない。
私はローニャ様を今立っている場所に降ろし、一瞬だけ身体強化を動けなくなる限界ギリギリの9倍にし、体を回転させるように剣を振るった。
それにより、周りの魔獣は私達に向かって放っていた魔法毎吹き飛び、一瞬の間でローニャを攻撃出来る範囲に、敵は居なくなった。
それを一瞬で確認すると、豚の魔獣まで一気に接近して剣で首を落としてた。
それからすぐに振り返ると、ローニャ様は周りを凍り付かせ魔獣を倒していた。
それでもローニャ様は肩を息をしていて、とても辛そうにしていた。
それを見て、私はローニャ様の元まで走り、そのまま抱き抱え、負担にならないように身体強化を3倍まで下げて、この場を走って離脱した。
ローニャ様が叫んだ瞬間には、頭の中が随分とスッキリした。
そして、私が自身の体に掛けていた身体強化魔法を維持しやすくなった。
それに戸惑ったが、身体強化魔法によって若干だが、ズレていた私の体の感覚がピッタリとハマった気がした。
というか、ピッタリとハマったのだろう。
今まで気が付けなかった理由は、単純に身体強化魔法によって強化された体をコントロールする事に集中していた為だろう。
体をコントロールしても余裕がある今の状態なら、一気にあの豚の魔獣を倒せる。
しかし、この私の状態はローニャ様が先程の叫んだ内容を、時間魔法で行ったのだろう。
それならば、恐らく初めての魔法であるだろうものを私に掛けているローニャ様は、相応以上の集中をしているはず。
それならば、ローニャ様にはこれ以上は負担をかけられない。
そう考えた私は、私の速度でローニャ様が怪我をしないように、ローニャ様にも身体強化魔法を使用した。
そして、ローニャ様に身体強化魔法が作用したのを確認した後、豚の魔獣に向かって走った。
私の身体能力は現在5倍になっているが、周りの魔獣は豚の魔獣を中核として、私達へと魔法を的確に当ててこようとして来る。
それのせいで今までは、近づけなかったが、今は違う。
周りから放たれる魔法を避け、避けられない魔法は剣で逸らし、逸らせない魔法は剣で消し飛ばす。
そうして、次々に魔法をなんとかし、豚の魔獣へと徐々に近付いて行った。
このまま行けば、いずれかはどうにかできる。
それでも私が抱えているローニャ様は元々の身体能力が低いせいで5倍になっていても、私の身体能力が5倍になっている状態の動きには辛そうにしている。
出来るだけ早くあの豚の魔獣を片付けなければ、この頭が何時もよりも回る状態が終わってしまえば、負担をかけてしまっているローニャ様はすぐには参戦できない可能性もある。
それなら、多少の危険を承知で動くしかない。
私はローニャ様を今立っている場所に降ろし、一瞬だけ身体強化を動けなくなる限界ギリギリの9倍にし、体を回転させるように剣を振るった。
それにより、周りの魔獣は私達に向かって放っていた魔法毎吹き飛び、一瞬の間でローニャを攻撃出来る範囲に、敵は居なくなった。
それを一瞬で確認すると、豚の魔獣まで一気に接近して剣で首を落としてた。
それからすぐに振り返ると、ローニャ様は周りを凍り付かせ魔獣を倒していた。
それでもローニャ様は肩を息をしていて、とても辛そうにしていた。
それを見て、私はローニャ様の元まで走り、そのまま抱き抱え、負担にならないように身体強化を3倍まで下げて、この場を走って離脱した。
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