73 / 188
2章 対魔獣戦闘編
72話(フィーナ視点)
しおりを挟む
ローニャ様は私が7階の階段に辿り着いたら床を落として良いと言われていたものの、それはしなかった。
何故なら、そのタイミングにて床を落とすのは最低限の時間しか稼げていない事である為。
私が稼ぐべき時間はローニャ様が10階まで行くまでの時間だけでなく、10階の脱出場所まで辿り着き、落ち着くまでの時間。
つまり、私がこの5階の床を落とすのはローニャ様が8階の階段の前まで辿り着いたタイミングよりも後。
そして、そのタイミングの合図が来た今よりあとが床を落すタイミング。
本来ならば、もう少し後まで待つべきであるものの、魔獣達に合わせて動物も混じって突撃してきている事から、その全てを私の後ろに通していない現状、私もそれ程に余裕があるわけではない。
よって、即座に床を落とすことにした。
ただし、本来は床は元々ローニャ様の『溶氷』という氷を解かす魔法を使用する予定だったので、私が身体強化魔法を普通通りに使って、ぎりぎり氷が割れるような厚さになっている。
しかし、今の私にそれは関係ない。
何故なら、私は既に身体強化魔法で、一瞬とはいえ10倍の身体能力までは出せるようになっているためだ。
まあ、10倍にするとその後に動けなくなる程に筋肉が使用されてしまうので、普段は3倍に止めているが。
そして、今回床を落とすのに使う身体能力は通常の身体能力の5倍である。
その5倍の身体能力を一瞬だけ使用して、6階に上がる階段の目の前で5階の床を殴りつけ、6階まで駆け上がった。
階段を駆け上がっている最中から、5階の床が4階に落ちる音が聞こえてきた為に、空を飛んでいる鳥の魔獣や動物達以外は最低でも足止めはできたと踏んだ。
そして、6階まで駆け上がった私は、私の後を追ってこれた魔獣が居ないかと、すぐに振り返ったものの、私のすぐには何も現れなかった。
しかし、それは身体能力の差によるものだったのか、少しすると多数の鳥の魔獣や動物達が6階目掛けてやってきた。
床を落としたので、地面を移動している魔獣や動物達は階段まで届く足場を作らなければ追っては来れない。
しかし、鳥の魔獣や動物達は違うとはわかっていたものの、やって来る数が多すぎる。
階段の前に陣取っているので、階段の幅くらいしか広がって来ないものの、私が5階で築いていた魔獣や動物の死体の壁の横幅よりも余程広いので、私が剣を振り回しても端を移動されると当たらない。
なので、私は剣を振り回すだけでなく、魔獣や動物達を蹴り殴りつけることで、秒間3匹以上は倒してるのに、まだ向かって来るし、魔獣は魔法も撃って来ている。
これは私が考えていたよりも保たないかもしれない。
ローニャ様、どうか脱出地点まで急いで下さい。
何故なら、そのタイミングにて床を落とすのは最低限の時間しか稼げていない事である為。
私が稼ぐべき時間はローニャ様が10階まで行くまでの時間だけでなく、10階の脱出場所まで辿り着き、落ち着くまでの時間。
つまり、私がこの5階の床を落とすのはローニャ様が8階の階段の前まで辿り着いたタイミングよりも後。
そして、そのタイミングの合図が来た今よりあとが床を落すタイミング。
本来ならば、もう少し後まで待つべきであるものの、魔獣達に合わせて動物も混じって突撃してきている事から、その全てを私の後ろに通していない現状、私もそれ程に余裕があるわけではない。
よって、即座に床を落とすことにした。
ただし、本来は床は元々ローニャ様の『溶氷』という氷を解かす魔法を使用する予定だったので、私が身体強化魔法を普通通りに使って、ぎりぎり氷が割れるような厚さになっている。
しかし、今の私にそれは関係ない。
何故なら、私は既に身体強化魔法で、一瞬とはいえ10倍の身体能力までは出せるようになっているためだ。
まあ、10倍にするとその後に動けなくなる程に筋肉が使用されてしまうので、普段は3倍に止めているが。
そして、今回床を落とすのに使う身体能力は通常の身体能力の5倍である。
その5倍の身体能力を一瞬だけ使用して、6階に上がる階段の目の前で5階の床を殴りつけ、6階まで駆け上がった。
階段を駆け上がっている最中から、5階の床が4階に落ちる音が聞こえてきた為に、空を飛んでいる鳥の魔獣や動物達以外は最低でも足止めはできたと踏んだ。
そして、6階まで駆け上がった私は、私の後を追ってこれた魔獣が居ないかと、すぐに振り返ったものの、私のすぐには何も現れなかった。
しかし、それは身体能力の差によるものだったのか、少しすると多数の鳥の魔獣や動物達が6階目掛けてやってきた。
床を落としたので、地面を移動している魔獣や動物達は階段まで届く足場を作らなければ追っては来れない。
しかし、鳥の魔獣や動物達は違うとはわかっていたものの、やって来る数が多すぎる。
階段の前に陣取っているので、階段の幅くらいしか広がって来ないものの、私が5階で築いていた魔獣や動物の死体の壁の横幅よりも余程広いので、私が剣を振り回しても端を移動されると当たらない。
なので、私は剣を振り回すだけでなく、魔獣や動物達を蹴り殴りつけることで、秒間3匹以上は倒してるのに、まだ向かって来るし、魔獣は魔法も撃って来ている。
これは私が考えていたよりも保たないかもしれない。
ローニャ様、どうか脱出地点まで急いで下さい。
0
お気に入りに追加
144
あなたにおすすめの小説
新婚初夜に浮気ですか、王太子殿下。これは報復しかありませんね。新妻の聖女は、王国を頂戴することにしました。
星ふくろう
ファンタジー
紅の美しい髪とエメラルドの瞳を持つ、太陽神アギトの聖女シェイラ。
彼女は、太陽神を信仰するクルード王国の王太子殿下と結婚式を迎えて幸せの絶頂だった。
新婚旅行に出る前夜に初夜を迎えるのが王国のしきたり。
大勢の前で、新婦は処女であることを証明しなければならない。
まあ、そんな恥ずかしいことも愛する夫の為なら我慢できた。
しかし!!!!
その最愛の男性、リクト王太子殿下はかつてからの二股相手、アルム公爵令嬢エリカと‥‥‥
あろうことか、新婚初夜の数時間前に夫婦の寝室で、ことに及んでいた。
それを親戚の叔父でもある、大司教猊下から聞かされたシェイラは嫉妬の炎を燃やすが、静かに決意する。
この王国を貰おう。
これはそんな波乱を描いた、たくましい聖女様のお話。
小説家になろうでも掲載しております。
白い結婚を言い渡されたお飾り妻ですが、ダンジョン攻略に励んでいます
時岡継美
ファンタジー
初夜に旦那様から「白い結婚」を言い渡され、お飾り妻としての生活が始まったヴィクトリアのライフワークはなんとダンジョンの攻略だった。
侯爵夫人として最低限の仕事をする傍ら、旦那様にも使用人たちにも内緒でダンジョンのラスボス戦に向けて準備を進めている。
しかし実は旦那様にも何やら秘密があるようで……?
他サイトでは「お飾り妻の趣味はダンジョン攻略です」のタイトルで公開している作品を加筆修正しております。
誤字脱字報告ありがとうございます!
美味しい料理で村を再建!アリシャ宿屋はじめます
今野綾
ファンタジー
住んでいた村が襲われ家族も住む場所も失ったアリシャ。助けてくれた村に住むことに決めた。
アリシャはいつの間にか宿っていた力に次第に気づいて……
表紙 チルヲさん
出てくる料理は架空のものです
造語もあります11/9
参考にしている本
中世ヨーロッパの農村の生活
中世ヨーロッパを生きる
中世ヨーロッパの都市の生活
中世ヨーロッパの暮らし
中世ヨーロッパのレシピ
wikipediaなど
実家から絶縁されたので好きに生きたいと思います
榎夜
ファンタジー
婚約者が妹に奪われた挙句、家から絶縁されました。
なので、これからは自分自身の為に生きてもいいですよね?
【ご報告】
書籍化のお話を頂きまして、31日で非公開とさせていただきますm(_ _)m
発売日等は現在調整中です。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
侯爵令嬢に転生したからには、何がなんでも生き抜きたいと思います!
珂里
ファンタジー
侯爵令嬢に生まれた私。
3歳のある日、湖で溺れて前世の記憶を思い出す。
高校に入学した翌日、川で溺れていた子供を助けようとして逆に私が溺れてしまった。
これからハッピーライフを満喫しようと思っていたのに!!
転生したからには、2度目の人生何がなんでも生き抜いて、楽しみたいと思います!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる