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2章 対魔獣戦闘編

67話

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この王城と瓜二つの氷の城にある浴場はかなり広く、人が100人は同時に肩まで湯に浸かる事が出来るのではないなと思うほどである。
そんな浴場に湯を張るのは、流石に魔力により湯(周りが氷なので多少高めの温度で水)を生成するので魔力の消費量がばかにならない為にしない。

代わりに浴場にある湯船の端に私とフィーナが入れる程度の囲いを作った。
そこに『城氷』により魔力が、殆どないない右目の魔眼から魔力を搾り取り、その魔力でお湯を生成し、囲いの中に湯を張った。

そこまでから、さあ服を脱ごうと思った時に、フィーナをどうしようか考えていなかったのを思い出した。
フィーナは私よりも歳上であり、更には騎士である事もあり私よりも体格がかなり良い。

一応は、フィーナの服を無理矢理脱がせて、湯に入れることは出来るものの、それではフィーナが溺れてしまった時に私が引っ張り上げる事が出来ない事も考えられる。

しかし、フィーナを湯に入れないという選択肢もない。
何故なら、フィーナの体も『氷結庭園』によりかなり冷えており、放っておいたら凍傷になる可能性も十分にあるし、下手をすればそのまま死んでしまう可能性も無くはない。
ひとまず、今は鎧と服を脱がせて、お湯を体に掛けるくらいしか出来ないかな?

そう考えて、フィーナの鎧と服を脱がせ、氷で作った両手で持たなければ落としてしまう程の大きさの器で湯を掬って、フィーナの首から下にかけた。
すると、フィーナの体がビクリとその場で跳ねた。
それに驚き、私もビクリとしてしまったものの、フィーナはその間に目を開けていた。

「うっ」

「フィーナ、『逆行』で一度は体を戻したけど、その後に『氷結庭園』で冷やされたから、まずは湯船に浸かって」

フィーナは私の言葉に頷くと、体を湯船に沈めた。
そして、私も着ていた服や靴を脱いで湯船に浸かった。

フィーナは暫く何かに耐えるように目を閉じ、険しい表情をしていたものの、次第に険しい表情はなくなり、穏やかな顔となった。
私も浸かり始めたばかりは、体の芯が冷えていたのか、若干の痛みを感じてしまうほどに刺激が強かったものの、既に湯がいい温度になっている。

本当なら、このままゆっくりしていたけど、そうもいかない。
この『氷城』は形と大きさ、更に人が生活できる様にするために魔力を振った為に防御力並びに攻撃力共に低い。
攻撃力は言わずもがな、防御力は城が大きいので、ある程度はなんとかなるものの、黒色の魔眼やそれ以下の虹色や紫色の魔眼でも魔力を攻撃力に全振りされた攻撃には耐えられないだろう。
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