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2章 対魔獣戦闘編

56話

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特殊魔法の特性とは、1つ魔力を無限に貯められること、2つ魔法の威力と魔力消費量がほぼイコールであること、3つ例え通常の魔法に同じ魔法が存在しても、そして逆に存在しなくとも他の魔法とは一線を画すること。

大まかに、この3つがミューに聞いた特殊魔法の事。
でも、私的にはミューが本当の事を話すとは思えないので、話半分くらいにしか聞いていないけど。

結局の所、何が言いたいかと言うと、フィーナの身体強化で空を移動したとした場合には、鳥の魔獣または地上から魔法攻撃に襲われ、私はそれにより命を落とすだろうということ。

そのせいで、フィーナは私を抱えた状態で森の中を走らなければならなくなっている。
近寄ってくる魔獣や動物は私が発動させた『感知雨』×『高温氷結』を、私が移動するとそれに合わせて中心が移動するようにしたので、撃退出来ている。

問題は周りの動物や魔獣達に補足されている、この状況から如何にして抜け出すか。
ここには人が居ないだろう(人が居てもまともに生き残れない)から、私の時間魔法とフィーナの封印魔法は使えるものの、それでも動物と魔獣達を振り切れる気がしない。

つまり、これから明日のミューが迎えに来る時間まで、上手く魔力をやり繰りして、ひたすら耐久するしかない?

私がその事に気が付き苦い顔をしていると、それに気が付いたフィーナが足を止めずに言った。

「ここから状況を打開する策がない感じですか?」

「ええ、フィーナの封印魔法は強敵相手には強いけど対多数には向いていないし、逆に私の時間魔法は対多数には強いけど強敵相手には効かない時もある。

でも今は全方位からの波状攻撃、しかもこれだけ派手に動かざる負えなかったから、森に居るどれだけの動物や魔獣が私達を捉えているか予測出来ない。

下手をすれば、森を全て破壊するまで、こちらを襲い続けて来る可能性もあるし」

「なるほど、それなら私に任せて下さい」

フィーナはそう言うなり足を止めて、私を降ろした。
私はフィーナの行動に疑問を抱きながらも、『まあ、フィーナが任せろと言っているのだから、大丈夫だろう』と思っていた。

すると、フィーナは剣を抜き、フィーナ自身と剣に身体強化の魔眼の魔力分を全て注ぎ込んだ。
本来ならば危険な行為である、この魔力全注入でも、私達2つ持ちダブルホルダーだと片方の魔眼の魔力を全て使っても全く問題ない。

ただ特殊魔法の方の魔眼の魔力を全て使い切った場合は死にはしないものの、疲労が凄いことになる。
理由は特殊魔法が使える魔眼には無限に魔力が貯まるため、1ヶ月も魔法を使わずに放置すれば通常の魔眼の何十倍以上の魔力が貯まる。
その魔力が全て放出されるのだから、疲労は当然と言える。

なので、身体強化の魔眼の魔力を全て注ぎ込んだのは問題無い。
しかし、フィーナは次の瞬間には地面に向かって剣を全力で振り下ろした。
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