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1章 王国編
14話
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いつの間にか天井がある部屋の中にいた。
視界の中には天井には何も写っていない。
だから、体を動かそうとして所で、私の視界に女の人が映り込んだ。
「おはようございます。声は出せますか?」
「声?」
「良かった、声は出せるようですね。それでは、こちらは何に見えますか?」
そう言うと、女はすぐに視界から消えて今度は赤い薔薇の花が現れた。
「赤い薔薇?」
「ひとまず、声と目は大丈夫そうですね。お加減はいかがですか?なにか、違和感等はありませんか?」
「いえ、ありません。ただ、かなり眠いです」
「眠い、ですか。分かりました、ひとまずお休み頂いて大丈夫ですよ。お休みなさい」
そう言うと、女は私が目を閉じたのを確認して部屋から出て行った。
かなり眠いのは本当だが、眠りに落ちる前に部屋から出てくれたのは助かった。
まず、私は起き上がり部屋を見回した。
私が居る部屋はどうやら庭が眺められるらしく、部屋の窓からは庭園が見えるが、ここが何階かは分からない。
次に私は魔眼の力を使い薄い水面を作り出し、簡易的な鏡を作った。
そして、左目の確認をした。
カモフラージュは、右目は解けていたが、左目は解けていなかった。
これには助かった。
右目の魔眼の力は大々的に使ってしまったので隠れていては不自然過ぎる、逆に使っていない左目の魔眼があれば、私は頭のおかしい研究者達の実験対象になる可能性もなくはない。
なので理由は分からないが右目は解けて、左目は解けていない現状は最適。
正直に言えば起きて一番最初に心配したことは、左目の魔眼が誰かに見られており、秘密がバレてしまっていることだったので、運が良かった。
恐らく、私が気絶したのは魔眼が発現したばかりなのに、かなり力を使ったからだろう。
魔眼が発現した当初は、まずは体に魔眼を慣らすことが大切だと、何かの本に書いてあった記憶があるので、今後は気を付けよう。
そこまで考えた所で、眠気に逆らう限界が来た。
私は私が起き上がったことで捲れた毛布を自身にかけ直し、再び眠りについた。
再び目を開けた時、私の左側にフィーナがおり、フィーナは心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「フィーナ?」
「フロービス嬢、良かった、ようやく目が覚めたのですね。何処か、具合の悪い所はありませんか?」
「ええ、無いけど、どうしたのフィーナ。貴方らしくない、泣きそうな顔をしているわ」
私がそう言うと、フィーナは目を強く閉じ、自分を責めるように話しだした。
「あの魔獣が2つ目の魔眼を発現させる前に倒していれば、フロービス嬢に無理をさせることもなければ、倒れるまで発現したばかりの魔眼を酷使させ、フロービス嬢が1度目を覚ましたとはいえ、3日間も眠り続ける事もありませんでした。
フロービス嬢。私が未熟だったばかりに誠に申し訳ありませんでした」
そう言って、フィーナは頭を下げた。
視界の中には天井には何も写っていない。
だから、体を動かそうとして所で、私の視界に女の人が映り込んだ。
「おはようございます。声は出せますか?」
「声?」
「良かった、声は出せるようですね。それでは、こちらは何に見えますか?」
そう言うと、女はすぐに視界から消えて今度は赤い薔薇の花が現れた。
「赤い薔薇?」
「ひとまず、声と目は大丈夫そうですね。お加減はいかがですか?なにか、違和感等はありませんか?」
「いえ、ありません。ただ、かなり眠いです」
「眠い、ですか。分かりました、ひとまずお休み頂いて大丈夫ですよ。お休みなさい」
そう言うと、女は私が目を閉じたのを確認して部屋から出て行った。
かなり眠いのは本当だが、眠りに落ちる前に部屋から出てくれたのは助かった。
まず、私は起き上がり部屋を見回した。
私が居る部屋はどうやら庭が眺められるらしく、部屋の窓からは庭園が見えるが、ここが何階かは分からない。
次に私は魔眼の力を使い薄い水面を作り出し、簡易的な鏡を作った。
そして、左目の確認をした。
カモフラージュは、右目は解けていたが、左目は解けていなかった。
これには助かった。
右目の魔眼の力は大々的に使ってしまったので隠れていては不自然過ぎる、逆に使っていない左目の魔眼があれば、私は頭のおかしい研究者達の実験対象になる可能性もなくはない。
なので理由は分からないが右目は解けて、左目は解けていない現状は最適。
正直に言えば起きて一番最初に心配したことは、左目の魔眼が誰かに見られており、秘密がバレてしまっていることだったので、運が良かった。
恐らく、私が気絶したのは魔眼が発現したばかりなのに、かなり力を使ったからだろう。
魔眼が発現した当初は、まずは体に魔眼を慣らすことが大切だと、何かの本に書いてあった記憶があるので、今後は気を付けよう。
そこまで考えた所で、眠気に逆らう限界が来た。
私は私が起き上がったことで捲れた毛布を自身にかけ直し、再び眠りについた。
再び目を開けた時、私の左側にフィーナがおり、フィーナは心配そうに私の顔を覗き込んでいた。
「フィーナ?」
「フロービス嬢、良かった、ようやく目が覚めたのですね。何処か、具合の悪い所はありませんか?」
「ええ、無いけど、どうしたのフィーナ。貴方らしくない、泣きそうな顔をしているわ」
私がそう言うと、フィーナは目を強く閉じ、自分を責めるように話しだした。
「あの魔獣が2つ目の魔眼を発現させる前に倒していれば、フロービス嬢に無理をさせることもなければ、倒れるまで発現したばかりの魔眼を酷使させ、フロービス嬢が1度目を覚ましたとはいえ、3日間も眠り続ける事もありませんでした。
フロービス嬢。私が未熟だったばかりに誠に申し訳ありませんでした」
そう言って、フィーナは頭を下げた。
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