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1章 王国編

9話

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私の言葉の後、暫くの間沈黙の間が流れたが、黒色の魔眼の所持者がその沈黙を破った。

「仮に私達が本当に過激派だったとして、なぜそれに気が付いた事を隠さないのですか?」

「さっきも言ったけど、殺すつもりなら私達の前に出ずに襲いかかってくるはず。殺すつもりが無いなら、話くらい聞いてもいいと思っただけ。それで、そちらの本当の目的は?」

「本当なら話すつもりは無かったのですが、仕方ありませんね。私達の本当の目的は、そこのフィーナさんの勧誘と王宮内に居る同志達の作戦を見守る為ですよ。まあ、勧誘の方はダメそうなので諦めますけどね」

黒色の魔眼の所持者の言葉に私は眉を潜め、フィーナはさっきから話について行けないのか、それとも脳の処理量を超えたのかピクリともしない。

しかし、その時パーティー会場の方向から爆発音が響いた。
それでフィーナもやっと正気に戻り、私とフィーナがパーティー会場の方向に視線を送った一瞬の内に黒尽くめの3人は消えていた。

「き、消えた?」

フィーナがそう呟いている横で、私は既に失敗した事を自覚していた。
そもそもこのパーティーで事件が起こることは知っていた。
なにせ、私も巻き込まれたのだから当然知っている。

しかし、そのタイミングは、国王が退席し警備の人間の気が一瞬だけ緩んだタイミングだった筈。
なぜ、まだ国王が退席していないタイミングで爆発音がする?
まさか私の左目の魔眼の系統は時間操作じゃなかった?

そんな事を私が考えていると、フィーナの声が聞こえてきた。

「くっ!!やはり先程の3人は陛下を危険に晒す者達だったか!!先程捕まえられていれば!!」

「あの3人が?でもあの3人が目の前にいた時に爆発音が聞こえてきたわよ?」

「きっと何か合図を用意しておいて、他の仲間に実行させたのです!!それよりも早くこの場を離れましょう!!先程の爆発で庭に火が回ってしまえば、たちまち逃げ場が無くなります!!急ぎましょう!!」

そう言った身体強化の魔法を自身に使い私を抱えて庭を移動し始めた。
そして、私はフィーナに抱えられながら考えていた。

それは主に何故爆発が起こったのか、という思考が大半だった。
そもそもこの会場で事件が起こるのは知っていたし、その内容が爆発とそれに乗じ、魔獣を送り込む襲撃なのも知っていた。
でも、その主犯は事件発生直後に捕まった黒尽くめの3人組のー

「見つけたぞ!!やつだ!!殺せ!!」

その時、野太い男の声が聞こえ、3人の黒尽くめの人間が襲撃してきた。
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