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55話
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第一訓練場に到着すると、アリアが兵士(こちらからは見えないものの、おそらく魔眼所持者)に魔法の訓練を見て貰っていた。
アリアは、今の所は足を止めてなら魔法を使う事が出来ている。
国軍に所属するなら、それでも良いだろうし、むしろ動きながら魔法を使う事が出来る魔眼所持者よりも、威力の高い攻撃性の魔法を使う事が出来る魔眼所持者の方が重宝される傾向になってきている。
まあ、敵味方入り乱れる事がある実戦を経験している者は、足を止めてしか魔法を使えない魔眼所持者なんて、そこらの新兵と同じだと言うし、私も同意見と言える。
とにかく、今のアリアの優先事項は、動きながらでも魔法を使う事が出来る様に鍛える事だと思っている。
なのに、今は足を止めての的当ての訓練をしていた。
しかも、闇系統の魔眼なら、直接攻撃よりも妨害や隠密の方が得意である。
それなのに人相手に魔法の訓練をするのではなく、的に攻撃性の魔法を当てる訓練を行わせるとは、見当違いも良い所。
国軍で鍛えた魔眼所持者達には当たりと外れがある、という噂を耳にした事があるけど、この訓練を見ているとあながち間違いでもなさそうに思える。
そんな事を考えつつ、アリアの訓練を隠れながら見ていると、防衛大臣に見つかった。
「おや、これはフロービス伯爵。要件は済んだのかね?」
「ええ、なのでアリアと合流しに来ました。とはいえ、アリアが国軍の訓練に参加できる機会も希になりましたから、少しだけ訓練を見ていようかと」
「ほお?あの魔眼所持者が国軍の訓練に参加できないと?」
「ええ、私達でアリアは保護と育成を行う事になりましたので」
「なるほど、確かにあの魔眼所持者もその方がよかろう。あの魔眼所持者は国軍や騎士には合わんからな」
「国軍や騎士に合わないですか?」
「ああ、国軍の訓練はどの魔眼所持者でも一律で同じ内容になってしまう。しかも、肉体を鍛える事と魔法の攻撃力を上げる事しか注視していない。
逆に騎士の訓練は護衛な上に、見栄えも重要になってくる。あの魔眼所持者は容姿の見栄えは良いが、魔法の見栄えが良くない」
私は防衛大臣の話に表情にこそ出さなかったものの、内心では半部には納得し、もう半分には納得していなかった。
国軍の訓練が一律になってしまうのは、軍という多数での行動になってしまう性質上仕方無い面がある。
軍に向いている人材は、圧倒的に強い強者ではなく、他と歩みを合わせられる兵士なのだ。
なので、アリアが国軍に向かないのは分かっていた。
アリアが得意な魔法は妨害が主になってくる筈だが、魔法の妨害は国軍では役立たずと言われるだろう。
なので、こちらには納得出来た。
しかし、アリアが騎士に向かないというのは理解できなかった。
騎士とは何かを守る者なので、無意識でフィーナを一瞬とはいえ止められる魔法ならば十分にゆうように思えた。
なので、防衛大臣に質問した。
「アリアの容姿が良いのは同意しますが、魔法の見栄えですか。つまり、防衛大臣殿は騎士が使う魔法には見栄えが必要であると?」
アリアは、今の所は足を止めてなら魔法を使う事が出来ている。
国軍に所属するなら、それでも良いだろうし、むしろ動きながら魔法を使う事が出来る魔眼所持者よりも、威力の高い攻撃性の魔法を使う事が出来る魔眼所持者の方が重宝される傾向になってきている。
まあ、敵味方入り乱れる事がある実戦を経験している者は、足を止めてしか魔法を使えない魔眼所持者なんて、そこらの新兵と同じだと言うし、私も同意見と言える。
とにかく、今のアリアの優先事項は、動きながらでも魔法を使う事が出来る様に鍛える事だと思っている。
なのに、今は足を止めての的当ての訓練をしていた。
しかも、闇系統の魔眼なら、直接攻撃よりも妨害や隠密の方が得意である。
それなのに人相手に魔法の訓練をするのではなく、的に攻撃性の魔法を当てる訓練を行わせるとは、見当違いも良い所。
国軍で鍛えた魔眼所持者達には当たりと外れがある、という噂を耳にした事があるけど、この訓練を見ているとあながち間違いでもなさそうに思える。
そんな事を考えつつ、アリアの訓練を隠れながら見ていると、防衛大臣に見つかった。
「おや、これはフロービス伯爵。要件は済んだのかね?」
「ええ、なのでアリアと合流しに来ました。とはいえ、アリアが国軍の訓練に参加できる機会も希になりましたから、少しだけ訓練を見ていようかと」
「ほお?あの魔眼所持者が国軍の訓練に参加できないと?」
「ええ、私達でアリアは保護と育成を行う事になりましたので」
「なるほど、確かにあの魔眼所持者もその方がよかろう。あの魔眼所持者は国軍や騎士には合わんからな」
「国軍や騎士に合わないですか?」
「ああ、国軍の訓練はどの魔眼所持者でも一律で同じ内容になってしまう。しかも、肉体を鍛える事と魔法の攻撃力を上げる事しか注視していない。
逆に騎士の訓練は護衛な上に、見栄えも重要になってくる。あの魔眼所持者は容姿の見栄えは良いが、魔法の見栄えが良くない」
私は防衛大臣の話に表情にこそ出さなかったものの、内心では半部には納得し、もう半分には納得していなかった。
国軍の訓練が一律になってしまうのは、軍という多数での行動になってしまう性質上仕方無い面がある。
軍に向いている人材は、圧倒的に強い強者ではなく、他と歩みを合わせられる兵士なのだ。
なので、アリアが国軍に向かないのは分かっていた。
アリアが得意な魔法は妨害が主になってくる筈だが、魔法の妨害は国軍では役立たずと言われるだろう。
なので、こちらには納得出来た。
しかし、アリアが騎士に向かないというのは理解できなかった。
騎士とは何かを守る者なので、無意識でフィーナを一瞬とはいえ止められる魔法ならば十分にゆうように思えた。
なので、防衛大臣に質問した。
「アリアの容姿が良いのは同意しますが、魔法の見栄えですか。つまり、防衛大臣殿は騎士が使う魔法には見栄えが必要であると?」
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