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27話

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「まあ、商会に良い経理担当者を雇い入れられた事と魔眼所持者達の望みを叶えられた事によるやる気の向上が出来たと思えば、ギリギリとんとんと言えなくもない消費額なのでは?」

フィーナが苦い顔をしながら言った言葉に、私は再びため息をついた。

「それは分かるよ。でも、王都にある伯爵邸の購入金と同等の金額を使ったとなると、少し落ち込んだだけだよ。

まあ、その分の消費金額は『何でも屋商会』で儲けられそうだから良いけどね」

そう、『何でも屋商会』は現状では、かなり儲けられてる商会に入る。
もちろん知名度的に言えば、魔眼所持者や依頼人、商会の人間程度しか無い。
しかし、『何でも屋商会』が請け負っている綺麗な仕事(主に急を要する公共事業(橋や貯水池の修繕)が多い)は、よく目立つ。
それにより認知度は貴族や役人にはほとんど当たり前と言えるほどに、平民にはじわじわと広がっている。

そんな商会は私がお披露目をした半年後に立ち上げて、今では商会立ち上げから4ヶ月、そろそろ2ヶ月後にある商会立ち上げ半年の記念パーティーをする準備をしなければならない頃に来ている。
もちろん普通ならこんなパーティーは無いのだが、この商会には敵が多いので味方作りの意味があるパーティーは主催しなければならないのだ。

そこで更に金が掛かると思うと、どうしてもため息が出てしまう。
そんな時、外から凄い大きな歓声のような物が聞こてきた。

普通なら、そのまま通り過ぎるが、あまりに大きな歓声の様な声と共に、歓声に掻き消されるくらい小さい悲鳴のような声も聞こえて来たので、馬車を止めさせた。

フィーナに外に見て来る様に指示をして馬車の中で、フィーナが戻って来るのを待っていると、フィーナが焦った様子で馬車の中に戻って来た。

普段は焦る事が無いフィーナを見て、相当の事があったのかと思っていると、フィーナが顔色を悪くして言った。

「外で、黒色の闇魔法の魔眼を発現させた者が教会の独断で処刑されようとしています」

それを聞き、すぐに馬車を飛び降りた。
すぐに周りに目を向けると、処刑されようとしている場所は広場になっていた。

そして、その広場には1人の女の子、おそらく私の1つ下の年齢の子が、木の柱に縛られ、今にも火炙りにされようとしていた。

私は火は既に女の子のすぐ下まで迫っていたのを見て、無意識の内に魔法を使い、火を『水玉』で消した。


私は火が消えてから、自分が無意識の内に火を消したのだと理解したが、その時には処刑の見物人である周りに居た平民達や教会の人間が私を驚いた様な表情で見ていた。
私は、私自身の迂闊な行動に、『失敗したか』と思ったが、処刑されようとしていた女の子の泣きそうな表情を見て、『偶には人助けも良いか、黒色の魔眼所持者だし』と思い直して、私は女の子の方に歩き出した。

そんな私に、女の子を処刑しようとしていた教会の人間が魔法で攻撃を仕掛けて来たが、それを私の後ろに着いてきていたフィーナが全て叩き落した。
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