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23話
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私が思考の沼にハマりかけていると、フィーナが思い付いたように言った。
「ローニャ様。もしかしてですが、現国王陛下は未来視の魔眼を持っているのではないですか?」
「未来視の魔眼?それは時間魔法の魔眼でしょ?国王が私と同じ魔眼を持っていると?」
「いえ、例えばの話ですし、未来視の魔眼である必要もありません。
仮に現国王陛下が何らかの形で未来を知ったりする事が出来る場合。知った未来でローニャ様が必要なのであれば、これまでの対応にも説明がつきませんか?」
フィーナにそう言われて、私はそれを前提に考えた。
仮に国王が未来を知り得る方法を所持していたとして、それならば国王がお披露目前から私にミサという王家の監視と、フィーナという騎士の護衛をつけたのはおかしくない。
更に、戻る前の人生で、明らかに片目がないにも関わらず、婚約を継続していた事にも説明がつく。
その上で私達が【終わり】を殺した事により、未来は何らかの形で確実に変化しているだろう。
その変化が、国王の動きに関連しているとすれば、国王の考えが読めないのも頷けてしまう。
フィーナの考えに同意せざる負えない私はため息をついた。
「確かに国王が未来を知り得る魔法を使えるとしたら、辻褄が合うね。問題は、その場合に私が必要になったと判断したら、王命を出してでも私を婚約者にしようとする可能性がある事だね。
さて、どうしようか」
私はそう言いながら、王命を出されない為の行動を考えていた。
しかし、前提として王命を出されない方法は殆ど無い。
それこそ、婚約者が居ようが、居まいがそれが国の為なら王命にて婚約者を変えられることは、極稀にだがある。
一応、帝国に所属すれば王国の王命は出されないが、今度は皇帝の命令は出される事になる可能性がある。
他にも王命が出されないようにするには、どうすれば良いかを考えていると、フィーナが提案して来た。
「それならば王国でも帝国でも影響のある商会を買収し、商会会長となるのはどうでしょうか?」
「無理だね。簡単に言って金が足りないし」
「それは確かに」
「それに、商会の会長くらいじゃ逆効果になる可能性も無くはないね。はぁ~、やっぱり王命を拒否する方法は無ー、?
拒否?そうか、拒否は出来ない。なら、拒否しなくて済むように、王命を出させなければ良いのか」
私が口元に手を当てて今後の行動を大まかに決めていると、フィーナが分かっていない顔をしていた。
それを見た私は簡単に説明した。
「王命の拒否は、王家に叛意ありとされるから断れない。でも、それが妥当な物でなければ、貴族達の王家への心象はどうなる?」
「それはもちろん悪くなると、っ!!つまり、ローニャ様との婚約は心象が悪くなりすぎて不味くなるように、あるいは婚約による不利益が大きくなるようにするという事ですね」
「そう言う事。まあ、その行動をバレる訳にはいかないから、下手な行動は取れないから、上手く動かないとね」
私は笑みを浮べながら、フィーナに今後の行動を説明した。
「ローニャ様。もしかしてですが、現国王陛下は未来視の魔眼を持っているのではないですか?」
「未来視の魔眼?それは時間魔法の魔眼でしょ?国王が私と同じ魔眼を持っていると?」
「いえ、例えばの話ですし、未来視の魔眼である必要もありません。
仮に現国王陛下が何らかの形で未来を知ったりする事が出来る場合。知った未来でローニャ様が必要なのであれば、これまでの対応にも説明がつきませんか?」
フィーナにそう言われて、私はそれを前提に考えた。
仮に国王が未来を知り得る方法を所持していたとして、それならば国王がお披露目前から私にミサという王家の監視と、フィーナという騎士の護衛をつけたのはおかしくない。
更に、戻る前の人生で、明らかに片目がないにも関わらず、婚約を継続していた事にも説明がつく。
その上で私達が【終わり】を殺した事により、未来は何らかの形で確実に変化しているだろう。
その変化が、国王の動きに関連しているとすれば、国王の考えが読めないのも頷けてしまう。
フィーナの考えに同意せざる負えない私はため息をついた。
「確かに国王が未来を知り得る魔法を使えるとしたら、辻褄が合うね。問題は、その場合に私が必要になったと判断したら、王命を出してでも私を婚約者にしようとする可能性がある事だね。
さて、どうしようか」
私はそう言いながら、王命を出されない為の行動を考えていた。
しかし、前提として王命を出されない方法は殆ど無い。
それこそ、婚約者が居ようが、居まいがそれが国の為なら王命にて婚約者を変えられることは、極稀にだがある。
一応、帝国に所属すれば王国の王命は出されないが、今度は皇帝の命令は出される事になる可能性がある。
他にも王命が出されないようにするには、どうすれば良いかを考えていると、フィーナが提案して来た。
「それならば王国でも帝国でも影響のある商会を買収し、商会会長となるのはどうでしょうか?」
「無理だね。簡単に言って金が足りないし」
「それは確かに」
「それに、商会の会長くらいじゃ逆効果になる可能性も無くはないね。はぁ~、やっぱり王命を拒否する方法は無ー、?
拒否?そうか、拒否は出来ない。なら、拒否しなくて済むように、王命を出させなければ良いのか」
私が口元に手を当てて今後の行動を大まかに決めていると、フィーナが分かっていない顔をしていた。
それを見た私は簡単に説明した。
「王命の拒否は、王家に叛意ありとされるから断れない。でも、それが妥当な物でなければ、貴族達の王家への心象はどうなる?」
「それはもちろん悪くなると、っ!!つまり、ローニャ様との婚約は心象が悪くなりすぎて不味くなるように、あるいは婚約による不利益が大きくなるようにするという事ですね」
「そう言う事。まあ、その行動をバレる訳にはいかないから、下手な行動は取れないから、上手く動かないとね」
私は笑みを浮べながら、フィーナに今後の行動を説明した。
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