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5話

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私が教室に入って来た馬鹿共を黙らせていると、再び生徒が1人入って来た。

入って来た生徒は、周囲の見回して教室内にいる生徒の大半が顔色を悪くして、黙り込んで居るのを見て、何かがあったのを察したらしい。
しかし、その生徒は何も言わず私達の元まで歩いて来て、懐から手紙を取り出した。
その手紙を私達の方に出しながら、その生徒は言った。

「本来ならば昨日渡すべき手紙だったのだが、渡すタイミングを逸してしまった。王家から個人的な手紙だ。受け取ってはくれないか?」

そう言ったのは、第二王子だった。
この王子は婚約者じゃなかったので、名前を覚えてない、というか婚約者の名前も覚えてないけど。
本当なら分かるのだろうけど、私の場合はお披露目会の朝まで時間を戻す為に必要な魔力を得る為に、記憶の大半を魔力に変えたせいで分からない。
流石に王家の人間の名前くらいは、後で覚えておこう。

そんな事を考えていると、王子は流石に頭を下げる事はしなかったが、それに近い雰囲気を出して居たので、多少は顔を立てた。

「王家からですか?伯爵家の屋敷に届けて下されば、わざわざ王子の手を煩わせる事も無かったのですが」

「確かにそうなのだが、王家は2人を無理矢理呼んでしまったからな。この程度の誠意は見せたかったのだ」

「そうでしたか」

それだけ言って手紙を受け取った。
手紙を受け取ったが、王子は席に座ろうとしなかったので、質問した。

「もしや、今手紙を拝見し、返事をした方がよろしいでしょうか?」

「すまない、そうして貰えると助かる」

そう言った王子に内心で舌打ちして、大人しく手紙を開けた。
手紙には長々と書いてあったが、要約すると次の休日に王城に来い、学園では第一王子、第二王子と仲良くしろと書いてあり、一番最後の所に王妃のサインが書かれていた。

その手紙を見て、自然と魔力を放出させるのを止められなかった。

「はぁ?」

「ローニャ様?」

「なに、フィーナ」

「あの、教室が凍り付き始めているのですが」

私がフィーナの言葉を聞いて、周りを見ると確かに凍り付き始めていて、護衛も飛び込んて来ていたが、その護衛も教室に居た生徒共々、下半身が凍りついていた。

ただし、フィーナだけは全く凍り付いていなかった。
それを見て、私は自己理解した。

「なるほど、私は無意識でフィーナを攻撃しないくらいの事は出来るんだね」

「いえ、あの、その前に氷を溶いたほうが」

「ん?ああ、そうだね。『氷魔支配』」

私が魔法を使うと、私が出してしまっていた氷は消した。
氷が消えたことにより生徒、護衛共に動けるようになった。
それから、すぐに教師が飛び込んで来て、無意識だったとはいえ魔法を使ってしまった為、今回は流石に教員室に呼ばれた。
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