11 / 14
アフターストーリー お茶会編
過去話 第一王子誘拐⑩
しおりを挟む
その後は王妃様がすぐに服を用意して下さいました。
因みに用意して下さったのはメイド服でした。
別室で着替えをしました。
まあ、別室といっても国王陛下や宰相様達がいらっしゃる部屋とは扉が繋がっている、隣の部屋でしたが。
とにかく、私は用意して下さったメイドを着るために、別室で『龍神の加護』を発動させました。
この時に、「私が変化するのを見ていたい」とおっしゃる王妃様と、私の着替えをお手伝いして下さったお母様は一緒の部屋にいました。
その後は国王陛下や宰相様達がいらっしゃる部屋に戻り、私の変身後の姿を説明した後に『龍神の加護』の風の力を使い、当時は第一王子殿下だったアレン様の声を探しました。
アレン様の声を探し当てるのは、無数にある声を聞き分ける為に中々難易度が高かったですが、たまたま王城ですれ違っていた時に声をお聞きしていたので、なんとか見つける事が出来ました。
しかし、問題はアレン様を見つける事が出来てからでした。
その問題は当時の私には理解できていませんでしたから、首を傾げながら国王陛下や宰相様達に言いました。
「第一王子殿下のおおよその場所が分かりました。ただ周りを何かに囲まれてるのか、声を聞き取りづらいです。
それに第一王子殿下の近くに、多くの子供らしき声と多くの大人らしきがあります。ただ大人らしき声は下品に笑っていますが、子供達は誰も笑っておらず、泣いている者も居るみたいです」
私がそう報告すると、国王陛下や宰相様達は私の報告の前半は安心した顔をしていました。
しかし、後半になるに連れて、どんどん表情は険しくなっていき、私の『子供達は泣いている者も居るみたいです』と言う言葉を聞いた時点で、天を仰ぎ見ていました。
私がその光景に首を傾げていると、騎士団長様が言いました。
「陛下、これは一大事です。一刻も早く第一王子殿下を救出せねば、他の者に勘付かれかねません。急ぎ、信頼のおける部下のみで編成した救出部隊を作り、第一王子殿下を救出しましょう」
騎士団長様がそう言うと、国王陛下は無言で頷きました。
国王陛下が頷いたのを見た騎士団長様は、今度は私に言いました。
「デナータ嬢。それで第一王子殿下が居る大体の場所は分かるだろうか?今から王都の地図を持ってくるから、第一王子殿下の場所を教えてくれ」
私は騎士団様の言葉に首を横に振りながら言いました。
「あ、あの実は第一王子殿下は王都の中には居なくて、それにこの場所からかなり離れているので、方向は分かりますが正確な位置が分かりません」
私がそう言うと、皆様が頭を抱えられました。
私はその当時は何故頭を抱えているのか分かりませんでしたが、今ならば第一王子殿下が王都の外に居るという事は誘拐は確定で、方向は分かっていたとしても王都外ならば範囲が広すぎて見つけるのに時間がかかるだけでなく、騎士団長様が信頼出来る部下だけだと探しきれないからだと分かります。
頭を抱えている皆様を見ながら私は言いました。
「ここからでは正確な位置は分かりませんが、もっと近くに行けば、王都の外に出て暫くすれば正確な位置が分かると思います。ですから私を連れて行って下さい」
因みに用意して下さったのはメイド服でした。
別室で着替えをしました。
まあ、別室といっても国王陛下や宰相様達がいらっしゃる部屋とは扉が繋がっている、隣の部屋でしたが。
とにかく、私は用意して下さったメイドを着るために、別室で『龍神の加護』を発動させました。
この時に、「私が変化するのを見ていたい」とおっしゃる王妃様と、私の着替えをお手伝いして下さったお母様は一緒の部屋にいました。
その後は国王陛下や宰相様達がいらっしゃる部屋に戻り、私の変身後の姿を説明した後に『龍神の加護』の風の力を使い、当時は第一王子殿下だったアレン様の声を探しました。
アレン様の声を探し当てるのは、無数にある声を聞き分ける為に中々難易度が高かったですが、たまたま王城ですれ違っていた時に声をお聞きしていたので、なんとか見つける事が出来ました。
しかし、問題はアレン様を見つける事が出来てからでした。
その問題は当時の私には理解できていませんでしたから、首を傾げながら国王陛下や宰相様達に言いました。
「第一王子殿下のおおよその場所が分かりました。ただ周りを何かに囲まれてるのか、声を聞き取りづらいです。
それに第一王子殿下の近くに、多くの子供らしき声と多くの大人らしきがあります。ただ大人らしき声は下品に笑っていますが、子供達は誰も笑っておらず、泣いている者も居るみたいです」
私がそう報告すると、国王陛下や宰相様達は私の報告の前半は安心した顔をしていました。
しかし、後半になるに連れて、どんどん表情は険しくなっていき、私の『子供達は泣いている者も居るみたいです』と言う言葉を聞いた時点で、天を仰ぎ見ていました。
私がその光景に首を傾げていると、騎士団長様が言いました。
「陛下、これは一大事です。一刻も早く第一王子殿下を救出せねば、他の者に勘付かれかねません。急ぎ、信頼のおける部下のみで編成した救出部隊を作り、第一王子殿下を救出しましょう」
騎士団長様がそう言うと、国王陛下は無言で頷きました。
国王陛下が頷いたのを見た騎士団長様は、今度は私に言いました。
「デナータ嬢。それで第一王子殿下が居る大体の場所は分かるだろうか?今から王都の地図を持ってくるから、第一王子殿下の場所を教えてくれ」
私は騎士団様の言葉に首を横に振りながら言いました。
「あ、あの実は第一王子殿下は王都の中には居なくて、それにこの場所からかなり離れているので、方向は分かりますが正確な位置が分かりません」
私がそう言うと、皆様が頭を抱えられました。
私はその当時は何故頭を抱えているのか分かりませんでしたが、今ならば第一王子殿下が王都の外に居るという事は誘拐は確定で、方向は分かっていたとしても王都外ならば範囲が広すぎて見つけるのに時間がかかるだけでなく、騎士団長様が信頼出来る部下だけだと探しきれないからだと分かります。
頭を抱えている皆様を見ながら私は言いました。
「ここからでは正確な位置は分かりませんが、もっと近くに行けば、王都の外に出て暫くすれば正確な位置が分かると思います。ですから私を連れて行って下さい」
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。
つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。
彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。
なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか?
それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。
恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。
その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。
更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。
婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。
生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。
婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。
後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。
「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。
悪役令嬢は所詮悪役令嬢
白雪の雫
ファンタジー
「アネット=アンダーソン!貴女の私に対する仕打ちは到底許されるものではありません!殿下、どうかあの平民の女に頭を下げるように言って下さいませ!」
魔力に秀でているという理由で聖女に選ばれてしまったアネットは、平民であるにも関わらず公爵令嬢にして王太子殿下の婚約者である自分を階段から突き落とそうとしただの、冬の池に突き落として凍死させようとしただの、魔物を操って殺そうとしただの──・・・。
リリスが言っている事は全て彼女達による自作自演だ。というより、ゲームの中でリリスがヒロインであるアネットに対して行っていた所業である。
愛しいリリスに縋られたものだから男としての株を上げたい王太子は、アネットが無実だと分かった上で彼女を断罪しようとするのだが、そこに父親である国王と教皇、そして聖女の夫がやって来る──・・・。
悪役令嬢がいい子ちゃん、ヒロインが脳内お花畑のビッチヒドインで『ざまぁ』されるのが多いので、逆にしたらどうなるのか?という思い付きで浮かんだ話です。
「次点の聖女」
手嶋ゆき
恋愛
何でもかんでも中途半端。万年二番手。どんなに努力しても一位には決してなれない存在。
私は「次点の聖女」と呼ばれていた。
約一万文字強で完結します。
小説家になろう様にも掲載しています。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる