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13話 話し合い⑤

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私はオーディン様が帰ってから、執務室へと戻ったお父様に抗議するしか無かった。

「お父様。
なぜオーディン様に協力なさるのですか?

確かに主家の役割は理解しています。
ですが、コーディング家が事の主軸になりかねない自体は避けるべきです」

「確かに、その通りだ。

だが、仮にコーディング家が主体となってしまっても、オーディン様がこちらに付いている事に代わりはない。

その時点で、コーディング家が滅んだとしても、私達は悪いようにはされない筈だ」

「それはオーディン様が最後まで味方で居て頂ける前提ではありませんか。

それにオーディン様はお忙しい方です。
国境の緊張が高まれば現地に赴き、反乱の気配があれば静める為に奔走し、貴族の大きな不正があれば暴き出す。
先程の証拠の事も考えるなら、それ以上に動き回っている筈です。

その隙を突かれ、コーディング伯爵家のみが標的にされれば、どうなるかを考えられないお父様では無いでしょう?」

私の言葉を聞いたお父様は話しながらも続けていた書類整理の手を止めた。
そして、私の目を見て聞いてきた。

「オーディン様とは同学年だな?」

「え?
は、はい」

「つまり、オーディン様は学園の2学年。
15歳になる年に入学する事を考えれば、今は17歳になっているだろう。

我が国では15歳になる年に成人となるが、それでも学園在籍中は準成人の扱いで、成人している大人達が守る対象になっている、筈だ。

それなのにオーディン様は既に国防の面で代え難い成果を出している。
それは分かるな?」

「は、はい。

主家の人間への誘拐未遂や国境の小競り合い、貴族の不正等の大幅な減少。
その他にも目に見える成果でさえ、相当の成果があると聞いています」

「そうだ。

今の王国は黄金期に向かっていると自国内だけでなく、他国からも言われるようになった。
しかし、それは私達大人だけでなく、オーディン様のお力の所が大きい。

私はオーディン様と直接話した事があまりない。
だから、オーディン様が望んで今の地位に就いているのか分からない。

だからこそ準成人のオーディン様の助力になり、相応の利益があるなら賭けになっても乗るしか無いんだよ」

お父様は私を見ながら、誰か別の人を見ているように見えた。
しかし、お父様はすぐに私から視線を外して、笑顔になった。

「なに私は伯爵家の当主だ。
仮に賭けに負けたとしても、家族や使用人、領民達には負担が行かないように動く事くらい出来る。

だから、スーは安心していなさい」
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