14 / 15
13話 話し合い⑤
しおりを挟む
私はオーディン様が帰ってから、執務室へと戻ったお父様に抗議するしか無かった。
「お父様。
なぜオーディン様に協力なさるのですか?
確かに主家の役割は理解しています。
ですが、コーディング家が事の主軸になりかねない自体は避けるべきです」
「確かに、その通りだ。
だが、仮にコーディング家が主体となってしまっても、オーディン様がこちらに付いている事に代わりはない。
その時点で、コーディング家が滅んだとしても、私達は悪いようにはされない筈だ」
「それはオーディン様が最後まで味方で居て頂ける前提ではありませんか。
それにオーディン様はお忙しい方です。
国境の緊張が高まれば現地に赴き、反乱の気配があれば静める為に奔走し、貴族の大きな不正があれば暴き出す。
先程の証拠の事も考えるなら、それ以上に動き回っている筈です。
その隙を突かれ、コーディング伯爵家のみが標的にされれば、どうなるかを考えられないお父様では無いでしょう?」
私の言葉を聞いたお父様は話しながらも続けていた書類整理の手を止めた。
そして、私の目を見て聞いてきた。
「オーディン様とは同学年だな?」
「え?
は、はい」
「つまり、オーディン様は学園の2学年。
15歳になる年に入学する事を考えれば、今は17歳になっているだろう。
我が国では15歳になる年に成人となるが、それでも学園在籍中は準成人の扱いで、成人している大人達が守る対象になっている、筈だ。
それなのにオーディン様は既に国防の面で代え難い成果を出している。
それは分かるな?」
「は、はい。
主家の人間への誘拐未遂や国境の小競り合い、貴族の不正等の大幅な減少。
その他にも目に見える成果でさえ、相当の成果があると聞いています」
「そうだ。
今の王国は黄金期に向かっていると自国内だけでなく、他国からも言われるようになった。
しかし、それは私達大人だけでなく、オーディン様のお力の所が大きい。
私はオーディン様と直接話した事があまりない。
だから、オーディン様が望んで今の地位に就いているのか分からない。
だからこそ準成人のオーディン様の助力になり、相応の利益があるなら賭けになっても乗るしか無いんだよ」
お父様は私を見ながら、誰か別の人を見ているように見えた。
しかし、お父様はすぐに私から視線を外して、笑顔になった。
「なに私は伯爵家の当主だ。
仮に賭けに負けたとしても、家族や使用人、領民達には負担が行かないように動く事くらい出来る。
だから、スーは安心していなさい」
「お父様。
なぜオーディン様に協力なさるのですか?
確かに主家の役割は理解しています。
ですが、コーディング家が事の主軸になりかねない自体は避けるべきです」
「確かに、その通りだ。
だが、仮にコーディング家が主体となってしまっても、オーディン様がこちらに付いている事に代わりはない。
その時点で、コーディング家が滅んだとしても、私達は悪いようにはされない筈だ」
「それはオーディン様が最後まで味方で居て頂ける前提ではありませんか。
それにオーディン様はお忙しい方です。
国境の緊張が高まれば現地に赴き、反乱の気配があれば静める為に奔走し、貴族の大きな不正があれば暴き出す。
先程の証拠の事も考えるなら、それ以上に動き回っている筈です。
その隙を突かれ、コーディング伯爵家のみが標的にされれば、どうなるかを考えられないお父様では無いでしょう?」
私の言葉を聞いたお父様は話しながらも続けていた書類整理の手を止めた。
そして、私の目を見て聞いてきた。
「オーディン様とは同学年だな?」
「え?
は、はい」
「つまり、オーディン様は学園の2学年。
15歳になる年に入学する事を考えれば、今は17歳になっているだろう。
我が国では15歳になる年に成人となるが、それでも学園在籍中は準成人の扱いで、成人している大人達が守る対象になっている、筈だ。
それなのにオーディン様は既に国防の面で代え難い成果を出している。
それは分かるな?」
「は、はい。
主家の人間への誘拐未遂や国境の小競り合い、貴族の不正等の大幅な減少。
その他にも目に見える成果でさえ、相当の成果があると聞いています」
「そうだ。
今の王国は黄金期に向かっていると自国内だけでなく、他国からも言われるようになった。
しかし、それは私達大人だけでなく、オーディン様のお力の所が大きい。
私はオーディン様と直接話した事があまりない。
だから、オーディン様が望んで今の地位に就いているのか分からない。
だからこそ準成人のオーディン様の助力になり、相応の利益があるなら賭けになっても乗るしか無いんだよ」
お父様は私を見ながら、誰か別の人を見ているように見えた。
しかし、お父様はすぐに私から視線を外して、笑顔になった。
「なに私は伯爵家の当主だ。
仮に賭けに負けたとしても、家族や使用人、領民達には負担が行かないように動く事くらい出来る。
だから、スーは安心していなさい」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる