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9話 話し合い①
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オーディン様とお昼を取り終えてから家に帰り、夕食の時間になるまで、ずっとオーディン様の言葉が頭の中に響いていた。
オーディン様の言動や国王陛下より聞かれたという無能の扱い方。
これらを含めて考えると、国王陛下はバルストン公爵家を快く思っていない事が分かる。
そして、その事をオーディン様に直接伝えている。
更にオーディン様個人かドースベルク侯爵家にも、その事について相談もしている。
つまり、バルストン公爵家と関わりを持ち続けるのは危険度が高い。
でも、こちらが伯爵家で、相手は公爵家である時点で関わりを絶つのは難しい。
それならば公爵家が落ちる時に私一人だけが道連れになれば良い。
だから、急いでダエスティ様と結婚し、伯爵家から籍を抜きたいと夕食後にお父様に話をした。
お父様は私に「少し考える時間をくれ」と言った。
その翌日、学園は休みの日だったので、自室で本を読みながら今後の行動を考えていると、お父様に呼ばれた。
お父様の執務室に向かおうとすると、侍女には応接室に行くように言われた。
その事で「昨日の結婚の話をダエスティにするのかしら」と考えて、急いで応接室に向かった。
応接室に到着すると、応接室の扉は開いていた。
そこにはお父様とお母様、お兄様に何故かオーディン様が居た。
お母様もお兄様も表情から感情は読み取れなかったものの、部屋の雰囲気はピリピリとしていた。
そんな雰囲気に応接室に入る前に足を止めてしまうと、お父様が私に座るように言った。
その言葉に従って座った所で、お父様がオーディン様に話しかけた。
「本日は急なお話でしたがお時間を頂き、ありがとうございます」
「いえ、こちらとしても伯爵とはお話したいと思っていましたから、問題ありませんよ。
それで、ご要件はなんでしょうか?」
「スコットとバルストン・ダエスティ公爵令息の婚約破棄についてご協力をお願いしたいのです」
私は驚いたものの、お母様とお兄様はお父様の言葉を聞いても、動揺をしていなかった。
その様子を見て、お母様とお兄様も今回の話を、あらかじめ知っていて賛同しているからこそ、この場にいるのだと理解した。
そんな私をよそに、オーディン様とお父様は話を続けていた。
「ほう、スコット嬢とその婚約者の婚約破棄ですか。
伯爵家から公爵家へと婚約破棄するのは相当の覚悟ですね。
ですが、それをなぜ私が手伝わなければならないのです?」
「オーディン様は、もうじき伯爵位を得ると聞いています。
更に主家に名を連ねるとも、そして何処かの家が代わりとして主家から外されるとも聞いてます。
オーディン様はバルストン公爵家を代わりに外すつもりなのではありませんか?」
オーディン様はお父様の言葉に、愉快そうに深い笑みを浮かべた。
※主家
『異能者』が出る可能性がある王族を含めた、30家の貴族家
王家=1家 公爵家=3家 侯爵家=6家 伯爵家=20家
侯爵家並びに伯爵家には『筆頭』と呼ばれる、同じ爵位の中でも優れている家がある
オーディン様の言動や国王陛下より聞かれたという無能の扱い方。
これらを含めて考えると、国王陛下はバルストン公爵家を快く思っていない事が分かる。
そして、その事をオーディン様に直接伝えている。
更にオーディン様個人かドースベルク侯爵家にも、その事について相談もしている。
つまり、バルストン公爵家と関わりを持ち続けるのは危険度が高い。
でも、こちらが伯爵家で、相手は公爵家である時点で関わりを絶つのは難しい。
それならば公爵家が落ちる時に私一人だけが道連れになれば良い。
だから、急いでダエスティ様と結婚し、伯爵家から籍を抜きたいと夕食後にお父様に話をした。
お父様は私に「少し考える時間をくれ」と言った。
その翌日、学園は休みの日だったので、自室で本を読みながら今後の行動を考えていると、お父様に呼ばれた。
お父様の執務室に向かおうとすると、侍女には応接室に行くように言われた。
その事で「昨日の結婚の話をダエスティにするのかしら」と考えて、急いで応接室に向かった。
応接室に到着すると、応接室の扉は開いていた。
そこにはお父様とお母様、お兄様に何故かオーディン様が居た。
お母様もお兄様も表情から感情は読み取れなかったものの、部屋の雰囲気はピリピリとしていた。
そんな雰囲気に応接室に入る前に足を止めてしまうと、お父様が私に座るように言った。
その言葉に従って座った所で、お父様がオーディン様に話しかけた。
「本日は急なお話でしたがお時間を頂き、ありがとうございます」
「いえ、こちらとしても伯爵とはお話したいと思っていましたから、問題ありませんよ。
それで、ご要件はなんでしょうか?」
「スコットとバルストン・ダエスティ公爵令息の婚約破棄についてご協力をお願いしたいのです」
私は驚いたものの、お母様とお兄様はお父様の言葉を聞いても、動揺をしていなかった。
その様子を見て、お母様とお兄様も今回の話を、あらかじめ知っていて賛同しているからこそ、この場にいるのだと理解した。
そんな私をよそに、オーディン様とお父様は話を続けていた。
「ほう、スコット嬢とその婚約者の婚約破棄ですか。
伯爵家から公爵家へと婚約破棄するのは相当の覚悟ですね。
ですが、それをなぜ私が手伝わなければならないのです?」
「オーディン様は、もうじき伯爵位を得ると聞いています。
更に主家に名を連ねるとも、そして何処かの家が代わりとして主家から外されるとも聞いてます。
オーディン様はバルストン公爵家を代わりに外すつもりなのではありませんか?」
オーディン様はお父様の言葉に、愉快そうに深い笑みを浮かべた。
※主家
『異能者』が出る可能性がある王族を含めた、30家の貴族家
王家=1家 公爵家=3家 侯爵家=6家 伯爵家=20家
侯爵家並びに伯爵家には『筆頭』と呼ばれる、同じ爵位の中でも優れている家がある
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