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横須賀✨✨💕
迷惑系YouTuberハリーケン✨🤗✨✨
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この事件でマスコミやネットを賑わせたのは二人いた。
ひとりは神倉署のプリンス、神崎 美人管理官だ。
一連の連続殺人犯『ブラディジャスティス』を追い込んだ天才管理官としてフューチャーされていた。
本当の事をいえばクッキー様が解決したのだが、遠慮深い彼は手柄を全て神崎美人管理官に譲った。
『ブラディジャスティス』事件を解明した神倉署のプリンス、神崎美人として大々的に報道された。
その名の通り『美しい人』だ。
国宝的イケメンと言っても過言ではない。
その結果、神崎管理官の圧倒的なビジュアルにお茶の間の女子らが騒ぎ立てバズッた。
そしてバズッたと言えば、もう一人忘れてはならない男がいる。
迷惑系YouTuberのハリーケンだ。
ほとんど無名のYouTuberが、真島真二郎の遺体を生配信したおかげで、一夜にしてシンデレラボーイになった。
私たちは、そのYouTuberにアポイントを取って会う事になった。
京浜急行横須賀中央駅前の喫茶店『ルノワール』で彼を待っていた。
さすが横須賀だ。店内のBGMは『横須賀ストーリー』が流れていた。
宇崎竜童が作曲、阿木陽子が作詞を担当した軽快なロック・サウンドだ。
店内の客は疎らだった。だが、迷惑系YouTuberのハリーケンが来店すると一気に辺りが騒然とした。
『あれ、ほら例のYouTuberじゃン……』『マジマジ』
影で女子高生らがコソコソ騒いでいる。
「ケッケケ、ッたく、人気者はツラいねえェ……」
妙に恰好をつけて、ハリーケンは私たちの前に腰をおろした。
芸人としてはイケメンだが、チャラそうな男性だ。
傲っているカレを見た途端、妙にムカついてきた。
「いい気になって、それでいいワケェ……。
あの廃墟探訪ッて、無許可なんでしょ!」
つい私は彼を招いたにも関わらず強い口調で注意してしまった。
「わかってますよ。警察からも大目玉でさァ」
ハリーケンは、肩をすくめ用意されたコーヒーを飲んだ。
「あッ、ちちィ……」少し熱かったようだ。
「でしょうねェ……。清川仁の屋敷だって、住居不法侵入ですから。三年以下の懲役、または十万円以下の罰金ですよ」
クッキー様も冷静に忠告した。
「まァまァ、わかってるよ。マジでヤバいんだよねえェ……。一応、凶悪犯逮捕に貢献したんだけど、確かに法的には住居不法侵入だから、さァ……。
書類送検になるのか、ならないのか。
微妙なトコなんだよねえェ」
ハリーケンは苦笑いを浮かべた。
「フフゥン、捕まれば良いのに」ボソッとツッコミを入れた。
「ケッケケ、可愛らしい顔してキツいなァ。おかげで連続殺人犯の『ブラディジャスティス』は、自殺してバンバンザイなんだぜ」
不謹慎なネタでケラケラと笑った。
「ぬうッ」バンバンザイか、どうかは怪しいが。
「まァ、その事は置いておいてェ……。さっそくだけど、キミには訊きたいことがあるんだ」
改まってクッキー様が尋ねた。
「なんだい。怖い顔して、初体験の年齢か。中二の夏休みにさァ……」
ハリーケンは得意そうに下ネタを言った。
「聞きたくねえェよ……。そんな下ネタ」
私は、ソッコーでツッコミを入れた。
「ケッケケェ……」ハリーケンは舌をペロッと出して戯けた。
「ハリーさんに訊くけど誰かから密告があって、あの清川の屋敷へ撮影しに行ったんじゃないのか」
クッキー様は顔を寄せて彼にささやきかけた。
「えェ、タレコミ……?」私もキョトンとした。
「なッ何だよ……。いきなり、いやァ、別に」
ハリーケンは苦笑いを浮かべ視線を逸らせた。
明らかに怪しい素振りだ。
「警察だってバカじゃないんだ。いずれ遅かれ早かれ嗅ぎつけるはずだ」
クッキー様は小声でつぶやいた。
「うッううゥ……」
「誰なんだ。キミにタレコミをしたのは?」
クッキー様はハリーケンを睨みつけた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
ひとりは神倉署のプリンス、神崎 美人管理官だ。
一連の連続殺人犯『ブラディジャスティス』を追い込んだ天才管理官としてフューチャーされていた。
本当の事をいえばクッキー様が解決したのだが、遠慮深い彼は手柄を全て神崎美人管理官に譲った。
『ブラディジャスティス』事件を解明した神倉署のプリンス、神崎美人として大々的に報道された。
その名の通り『美しい人』だ。
国宝的イケメンと言っても過言ではない。
その結果、神崎管理官の圧倒的なビジュアルにお茶の間の女子らが騒ぎ立てバズッた。
そしてバズッたと言えば、もう一人忘れてはならない男がいる。
迷惑系YouTuberのハリーケンだ。
ほとんど無名のYouTuberが、真島真二郎の遺体を生配信したおかげで、一夜にしてシンデレラボーイになった。
私たちは、そのYouTuberにアポイントを取って会う事になった。
京浜急行横須賀中央駅前の喫茶店『ルノワール』で彼を待っていた。
さすが横須賀だ。店内のBGMは『横須賀ストーリー』が流れていた。
宇崎竜童が作曲、阿木陽子が作詞を担当した軽快なロック・サウンドだ。
店内の客は疎らだった。だが、迷惑系YouTuberのハリーケンが来店すると一気に辺りが騒然とした。
『あれ、ほら例のYouTuberじゃン……』『マジマジ』
影で女子高生らがコソコソ騒いでいる。
「ケッケケ、ッたく、人気者はツラいねえェ……」
妙に恰好をつけて、ハリーケンは私たちの前に腰をおろした。
芸人としてはイケメンだが、チャラそうな男性だ。
傲っているカレを見た途端、妙にムカついてきた。
「いい気になって、それでいいワケェ……。
あの廃墟探訪ッて、無許可なんでしょ!」
つい私は彼を招いたにも関わらず強い口調で注意してしまった。
「わかってますよ。警察からも大目玉でさァ」
ハリーケンは、肩をすくめ用意されたコーヒーを飲んだ。
「あッ、ちちィ……」少し熱かったようだ。
「でしょうねェ……。清川仁の屋敷だって、住居不法侵入ですから。三年以下の懲役、または十万円以下の罰金ですよ」
クッキー様も冷静に忠告した。
「まァまァ、わかってるよ。マジでヤバいんだよねえェ……。一応、凶悪犯逮捕に貢献したんだけど、確かに法的には住居不法侵入だから、さァ……。
書類送検になるのか、ならないのか。
微妙なトコなんだよねえェ」
ハリーケンは苦笑いを浮かべた。
「フフゥン、捕まれば良いのに」ボソッとツッコミを入れた。
「ケッケケ、可愛らしい顔してキツいなァ。おかげで連続殺人犯の『ブラディジャスティス』は、自殺してバンバンザイなんだぜ」
不謹慎なネタでケラケラと笑った。
「ぬうッ」バンバンザイか、どうかは怪しいが。
「まァ、その事は置いておいてェ……。さっそくだけど、キミには訊きたいことがあるんだ」
改まってクッキー様が尋ねた。
「なんだい。怖い顔して、初体験の年齢か。中二の夏休みにさァ……」
ハリーケンは得意そうに下ネタを言った。
「聞きたくねえェよ……。そんな下ネタ」
私は、ソッコーでツッコミを入れた。
「ケッケケェ……」ハリーケンは舌をペロッと出して戯けた。
「ハリーさんに訊くけど誰かから密告があって、あの清川の屋敷へ撮影しに行ったんじゃないのか」
クッキー様は顔を寄せて彼にささやきかけた。
「えェ、タレコミ……?」私もキョトンとした。
「なッ何だよ……。いきなり、いやァ、別に」
ハリーケンは苦笑いを浮かべ視線を逸らせた。
明らかに怪しい素振りだ。
「警察だってバカじゃないんだ。いずれ遅かれ早かれ嗅ぎつけるはずだ」
クッキー様は小声でつぶやいた。
「うッううゥ……」
「誰なんだ。キミにタレコミをしたのは?」
クッキー様はハリーケンを睨みつけた。
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