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666は悪魔のナンバー

西園寺家

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「へえェ、なんだよ。ここは江戸時代の武家屋敷にタイムスリップしたのか。オレたちは?」
 ジョーは相変わらず軽口を叩いた。


「ううゥン」ボクは玄関を見ただけで怖じ気づいた。



『フフゥン、確かにね。さァマリリン。お祖母様に挨拶しようか?』
 けれどもナポレオンはまったく動じた様子は見られない。

 小学生のクセにどういう神経なんだろう。


「お祖母様、マリです。今、帰りました」
 インターフォンを使って屋敷の中へ呼びかけた。
 玄関のカギは開いているようだ。
 ゆっくりとドアが開いた。



 そこには四十代の妙齢な女性が待ち構えていた。


「マリ。勝手に外へ出かけて、しかもそちらの方々に送ってもらったの?」
 彼女が西園寺玲子だ。
 お祖母様と言われたが、とても若々しい。
 美人女優といった感じだ。


 睨まれただけで、背筋が凍るような眼差しだ。


「申し訳ありません。ボクたちは決して怪しい者ではありません」
 取り敢えずボクは頭を下げて言い訳をした。
 


「そうそう、オレたちは、いわゆる悪を滅ぼす『正義の少年探偵団』ですよ」
 真っ赤なモヒカン頭のジョーが言っても説得力がない。

 イケメンだが、どちらかと言えばヤンキー顔だ。




「はァ少年探偵団?」
 途端にお祖母様は渋い顔だ。
 



『ハイ、ボクが少年探偵団の龍宮寺ナポレオンと申します』
 リモートで挨拶をした。



「なッ、龍宮寺さん?」


『ええェ、これからしばらくマリさんをお預かりしたいんですが』


「マリを。ふざけないで。これ以上、くだらない事件に西園寺家を巻き込まないでください」
 物腰は丁寧だが毅然とした態度だ。




「ううゥ……」
 とてもではないが、反論できるような雰囲気ではない。











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