上 下
3 / 29
666は悪魔のナンバー

666

しおりを挟む
「うわァーーッなんだこりゃァーーーッ?」
 思わずボクは絶叫してしまった。


 ボクの目に映った光景は想像を越えていた。


 校庭に大きく机で【666】と記されてあった。


 いくつもの机を並べて【666】とかたどっているようだ。


 クラスのひとつやふたつ分の机を並べなくてはならないだろう。




『フフゥン、【666】は悪魔のナンバーさァ』
 ナポレオンはヤケに楽しそうだ。


「な、なんだよ。悪魔のナンバーって?」
 なぜか、心臓がドキドキしてきた。

 不吉な予感だ。


 慌ててボクは校門を乗り越え、校庭に足を踏み入れた。
 昨夜の豪雨のせいで足元がぬかるんでいた。



 昨日、この校庭を見たときはなにもなかったはずだ。



 おそらく何者かが、ひと晩の間に校庭に机を並べたのだろう。



 いや、どれだけ時間を掛けて並べたのか、わからないが一人や二人では到底、無理なミッションだろう。



 いったいなんのために、こんなイタズラをしたのか。




「ううゥ……!」
 それにしても校庭に記された【666】を見ていると胸騒ぎがしてきた。



『フフゥン、『心あるものは【獣の数字】をとなえよ。【獣の数字】はヒトの数字にして『666』なり!』』


「なにィ、何だ【獣の数字】って?」


『フフゥン、ヨハネの黙示録の一説さァ』


「はァ、ヨハネの黙示録って、なんだよ?」
 聖書なのだろうか。



『ヨハネの黙示録は新約聖書の一番最後の書だよ。聖書の中で唯一、予言的な記述があるんだ!』


「予言の書なのか?」
 やはりこの【666】は、なにかの予言なのだろうか。



『あらゆる禍《わざわい》が書かれてあって、神と悪魔による『最後の審判』も記されてあるんだ!』



「ふぅん、『最後の審判』ねえェ?」
 難しいことはわからない。
 だが、不吉なことは確かだ。



 ボクはゆっくりと並べられた机を見つめた。


 小学生用の机だ。
 ひとつひとつはそれほど重くはない。



 その時、不意に校舎から悲鳴が聞こえた。


「キャァァァァーーーーッ」
 女の子の絶叫だ。


「ううゥ……?」
 いったいこの学校でなにが起きていると言うんだ。









 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

体育教師に目を付けられ、理不尽な体罰を受ける女の子

恩知らずなわんこ
現代文学
入学したばかりの女の子が体育の先生から理不尽な体罰をされてしまうお話です。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜おしっこ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとHなショートショートの詰め合わせ♡

親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・

マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。 「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」 「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」 「・・・?は、はい」 いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・ その夜。

♡ちょっとエッチなアンソロジー〜アソコ編〜♡

x頭金x
大衆娯楽
♡ちょっとエッチなショートショートつめあわせ♡

放課後の秘密~放課後変身部の活動記録~

八星 こはく
児童書・童話
 中学二年生の望結は、真面目な委員長。でも、『真面目な委員長キャラ』な自分に少しもやもやしてしまっている。  ある日望結は、放課後に中庭で王子様みたいな男子生徒と遭遇する。しかし実は、王子様の正体は保健室登校のクラスメート・姫乃(女子)で……!?  姫乃は放課後にだけ変身する、『放課後変身部』の部員だったのだ!  変わりたい。いつもと違う自分になりたい。……だけど、急には変われない。  でも、放課後だけなら?  これは、「違う自分になってみたい」という気持ちを持った少年少女たちの物語。

「学校でトイレは1日2回まで」という校則がある女子校の話

赤髪命
大衆娯楽
とある地方の私立女子校、御清水学園には、ある変わった校則があった。 「校内のトイレを使うには、毎朝各個人に2枚ずつ配られるコインを使用しなければならない」 そんな校則の中で生活する少女たちの、おしがまと助け合いの物語

意味がわかると下ネタにしかならない話

黒猫
ホラー
意味がわかると怖い話に影響されて作成した作品意味がわかると下ネタにしかならない話(ちなみに作者ががんばって考えているの更新遅れるっす)

双葉病院小児病棟

moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。 病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。 この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。 すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。 メンタル面のケアも大事になってくる。 当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。 親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。 【集中して治療をして早く治す】 それがこの病院のモットーです。 ※この物語はフィクションです。 実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。

処理中です...