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砂の城……✨✨✨
運命……✨✨✨
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それより問題は、さっき乗り込んできたあのストーカーだ。
グレイのパーカーのフードを目深に被り、マスクをしたアラフォーの怪しげな男。
私とレイラは京浜急行の青いバスに乗り、横浜の市内観光をしていた。
レイラは横浜在住だが、まったく市内の観光スポットを知らないらしい。私だって同様だ。
横浜なんて、ほとんど知らない。
新型感染症の所為なのか、バスの乗客は前方に数人いるだけだ。
そこへアイツが乗り込んできた。
まるで示し合わせたように。
どうやって、私たちの居所を突き止めたのだろう。
偶然にしては出来すぎている。
すれ違う瞬間、アイツは私を血走った目で睨んでいった。
私が黒髪で、レイラの恰好をしているので間違えたのだろう。
ガラガラに空いた最後尾へ座った。
大事そうに得体のしれないボストンバッグを胸に抱えて、狂気を孕んだように目が異様に光っている。
爆弾でも抱えて居るのだろうか。
他の客を寄せつけない感じだ。
マジで、こういう目をしたヤツはタチが悪い。
違法薬物でもやっている感じだ。
「ねえェ、ルナ! ありがと。一生恩に着るよ」
「別にィ……、たいしたコトじゃねえェよ」
計らずも今夜から私は龍崎家のお嬢様と入れ代わる事になった。
考えると憂鬱になってくる。
「フフ、ルナとこうして出逢ったのは運命だと思うんだ」
レイラは屈託のない笑顔で同意を求めた。
「ああァ……」生返事をした。
ゆっくり彼女と女子トークを愉しんでいる場合じゃない。
私の意識は、ずっとストーカーに釘付けだ。
なんとも言えない嫌な予感だ。
その時、最後尾の怪しげなストーカー男がカバンを開き、何やら細工をしている。
「ッで、さァ……」
相変わらず横でレイラが話しかけてきたが、まったく耳に入らない。
ヤツは、いったい何をしているんだろう。
「ああァ……!」
目を凝らして見るとアイツの手にはライターが握られていた。
「ヤバい!」
ライターでカバンの中の灯油か何かに火を放つつもりか。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
グレイのパーカーのフードを目深に被り、マスクをしたアラフォーの怪しげな男。
私とレイラは京浜急行の青いバスに乗り、横浜の市内観光をしていた。
レイラは横浜在住だが、まったく市内の観光スポットを知らないらしい。私だって同様だ。
横浜なんて、ほとんど知らない。
新型感染症の所為なのか、バスの乗客は前方に数人いるだけだ。
そこへアイツが乗り込んできた。
まるで示し合わせたように。
どうやって、私たちの居所を突き止めたのだろう。
偶然にしては出来すぎている。
すれ違う瞬間、アイツは私を血走った目で睨んでいった。
私が黒髪で、レイラの恰好をしているので間違えたのだろう。
ガラガラに空いた最後尾へ座った。
大事そうに得体のしれないボストンバッグを胸に抱えて、狂気を孕んだように目が異様に光っている。
爆弾でも抱えて居るのだろうか。
他の客を寄せつけない感じだ。
マジで、こういう目をしたヤツはタチが悪い。
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「別にィ……、たいしたコトじゃねえェよ」
計らずも今夜から私は龍崎家のお嬢様と入れ代わる事になった。
考えると憂鬱になってくる。
「フフ、ルナとこうして出逢ったのは運命だと思うんだ」
レイラは屈託のない笑顔で同意を求めた。
「ああァ……」生返事をした。
ゆっくり彼女と女子トークを愉しんでいる場合じゃない。
私の意識は、ずっとストーカーに釘付けだ。
なんとも言えない嫌な予感だ。
その時、最後尾の怪しげなストーカー男がカバンを開き、何やら細工をしている。
「ッで、さァ……」
相変わらず横でレイラが話しかけてきたが、まったく耳に入らない。
ヤツは、いったい何をしているんだろう。
「ああァ……!」
目を凝らして見るとアイツの手にはライターが握られていた。
「ヤバい!」
ライターでカバンの中の灯油か何かに火を放つつもりか。
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