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未来の揚羽の里✨✨✨
真相✨✨✨
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治療が、ひと段落ついたところで信乃介は握り飯を頬張りながら、もう一人ヒデに確認した。
「おいヒデ? ひとつ訊くが良いか……」
「ええェ……、なんだ。信さん? どうすれば美女にモテるかッて話しかァ」
「まァ、それも是非訊きたいが……。結局、お前を罠に掛けた女って云うのは誰だったんだ」
「えェ、それは……」あまり思い出したくないのか、少し躊躇いがちだ。
「清姫だったんだろう」
「ううゥ……、まァそうだ。あの時、夜叉羅刹の面を取った時はびっくりしたよ」
「そうか……。フフゥン、ありがとう。これであのカラクリの謎が解けたよ」
「あのカラクリ……?」
「謎が解けたところで憂さは晴れねえェけどな……」
ゆっくりと信乃介は清姫の病床へ向かっていった。
日が翳り、ひぐらしのなく頃、信乃介は美しく妖艶な美女、美鬼を清姫の病床で見つけた。
「やはりここでしたか」信乃介は笑みを浮かべた。
「ええェ……、本当に無事で良かったわ」
あれからずっと美鬼は、清姫につきっきりで看護に当たっていた。母親のお律は奈落の底へ落ちていき、兄の清斎もまだ瀕死の重態で伏せている。
清姫は可愛い寝顔で安心して寝ているようだ。
こうして寝顔を見ていると真姫に似ている。もちろん美鬼にもそっくりだ。
「可愛らしいですね。清姫は……」信乃介も微笑んだ。
「ええェ……、そうね」
「寝顔が真姫様にそっくりだ」
「はァ、そうでしょうか……」
「と云う事は、貴女とも似ているッてことだ。美鬼!!」
「フフゥン、何を云うか。私は清姫様ほど美しくはありませんよ」
「まだ惚けるつもりか……」
「何を……」
「フフゥン、ようやくわかったよ」
「な、何がだ?」
「貴女が、形振り構わず庇った理由がやっとわかったんですよ」
「ええェ……」
「あの嵐の真夜中の本陣での惨殺事件の真相がですよ」
「本陣での真相……? なんのことでしょうか」
「やはりあの嵐の夜、闇御前に襲われたのは、貴女ではなかったんですね」
「え、何を云っているんですか」
「襲われたのは、この娘……。清姫だったのですよ」
「ううゥ……、どうして、そんなことを」
「返り血で血まみれの清姫を救い出すため貴女は大芝居を打ったんです」
「ぬうぅ……、大芝居?」
「清姫は、どうしても江戸見物がしたかったんだ。そして、極秘に江戸へ来ていた。それを貴女たち土蜘蛛衆が影から護衛していたのでしょう」
「さァ……」シラを切るように、視線を逸らせた。
「そして、江戸からの帰り道、あの嵐の夜、清姫もあの旅籠へ泊まっていた。一瞬、清雅様が見た乙女と云うのは、やはり清姫のことだったんだ」
「フフゥン、知らないわ」
「そして清姫は闇御前から本陣へ呼ばれた。はじめは酌でもさせるつもりだったんだろう。
やがて闇御前は酔いが回り、清姫に手を掛けようとした。その時、闇御前が実の父親だと告白されたのでしょう。
しかも闇御前は知っていながら清姫を強姦しようとしたんだ。
そこで清姫は隠し持っていた短刀で闇御前を刺し殺してしまったんです」
「……」
「返り血で、血まみれになった彼女は逃げ出すことができなくなった。なにしろ外には屈強な見張り番がいますからね。血まみれで廊下を出れば、彼女が殺ったのは一目瞭然だ。そこで清姫は本陣の中から一番信頼できる貴女を呼んだ……。扉越しに闇御前が美鬼をここに呼べと云っているとでも嘘をついてね」
「ぬうぅ、私を……、どうして?」
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
「おいヒデ? ひとつ訊くが良いか……」
「ええェ……、なんだ。信さん? どうすれば美女にモテるかッて話しかァ」
「まァ、それも是非訊きたいが……。結局、お前を罠に掛けた女って云うのは誰だったんだ」
「えェ、それは……」あまり思い出したくないのか、少し躊躇いがちだ。
「清姫だったんだろう」
「ううゥ……、まァそうだ。あの時、夜叉羅刹の面を取った時はびっくりしたよ」
「そうか……。フフゥン、ありがとう。これであのカラクリの謎が解けたよ」
「あのカラクリ……?」
「謎が解けたところで憂さは晴れねえェけどな……」
ゆっくりと信乃介は清姫の病床へ向かっていった。
日が翳り、ひぐらしのなく頃、信乃介は美しく妖艶な美女、美鬼を清姫の病床で見つけた。
「やはりここでしたか」信乃介は笑みを浮かべた。
「ええェ……、本当に無事で良かったわ」
あれからずっと美鬼は、清姫につきっきりで看護に当たっていた。母親のお律は奈落の底へ落ちていき、兄の清斎もまだ瀕死の重態で伏せている。
清姫は可愛い寝顔で安心して寝ているようだ。
こうして寝顔を見ていると真姫に似ている。もちろん美鬼にもそっくりだ。
「可愛らしいですね。清姫は……」信乃介も微笑んだ。
「ええェ……、そうね」
「寝顔が真姫様にそっくりだ」
「はァ、そうでしょうか……」
「と云う事は、貴女とも似ているッてことだ。美鬼!!」
「フフゥン、何を云うか。私は清姫様ほど美しくはありませんよ」
「まだ惚けるつもりか……」
「何を……」
「フフゥン、ようやくわかったよ」
「な、何がだ?」
「貴女が、形振り構わず庇った理由がやっとわかったんですよ」
「ええェ……」
「あの嵐の真夜中の本陣での惨殺事件の真相がですよ」
「本陣での真相……? なんのことでしょうか」
「やはりあの嵐の夜、闇御前に襲われたのは、貴女ではなかったんですね」
「え、何を云っているんですか」
「襲われたのは、この娘……。清姫だったのですよ」
「ううゥ……、どうして、そんなことを」
「返り血で血まみれの清姫を救い出すため貴女は大芝居を打ったんです」
「ぬうぅ……、大芝居?」
「清姫は、どうしても江戸見物がしたかったんだ。そして、極秘に江戸へ来ていた。それを貴女たち土蜘蛛衆が影から護衛していたのでしょう」
「さァ……」シラを切るように、視線を逸らせた。
「そして、江戸からの帰り道、あの嵐の夜、清姫もあの旅籠へ泊まっていた。一瞬、清雅様が見た乙女と云うのは、やはり清姫のことだったんだ」
「フフゥン、知らないわ」
「そして清姫は闇御前から本陣へ呼ばれた。はじめは酌でもさせるつもりだったんだろう。
やがて闇御前は酔いが回り、清姫に手を掛けようとした。その時、闇御前が実の父親だと告白されたのでしょう。
しかも闇御前は知っていながら清姫を強姦しようとしたんだ。
そこで清姫は隠し持っていた短刀で闇御前を刺し殺してしまったんです」
「……」
「返り血で、血まみれになった彼女は逃げ出すことができなくなった。なにしろ外には屈強な見張り番がいますからね。血まみれで廊下を出れば、彼女が殺ったのは一目瞭然だ。そこで清姫は本陣の中から一番信頼できる貴女を呼んだ……。扉越しに闇御前が美鬼をここに呼べと云っているとでも嘘をついてね」
「ぬうぅ、私を……、どうして?」
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