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カラクリ屋敷✨✨✨
真姫✨✨✨
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揚羽の里へ来襲した嵐はおさまる気配はない。
地鳴りのような雷鳴が轟いた。
分家の真姫は、どっぷりと湯船に浸かりくつろいでいた。
全身から汗が滲んで白い柔肌が、かすかに桜色に染まっている。
「ううゥン……、清貴様の首の無いご遺体は……」
真姫は唸りながら考えを巡らせていた。
ハッキリと見たわけではないが、背格好は似ていた。
しかしおそらく清貴の遺体ではない。清貴ならばもっと肌が青白いだろう。
「あれは……、間違いない」
兄、清基のものだ。
清貴の寝所に首を切断した兄の清基の遺体を見せしめのように磔にしたのだろう。
いったいなんのためにそんな面倒な事をしたのか。
また雷鳴が響いた。
「ン……」その時、湯殿の扉がゆっくりと開いていく。
「グエッへへへ……」不気味な笑い声が聞こえてきた。
「無礼な! 何ヤツ?」咄嗟に真姫は怒鳴りつけた。
「お姫様、ずい分と色っぽくなりましたねェ……」
顔中傷のある怪物のような男が顔を覗かせた。
「ううゥ……、お前は土蜘蛛衆の力鬼!!」
咄嗟に両腕で白くたわわな胸元を隠した。
「バカな、見張り番はどうした」
「グエッへへへ、見張り番の二人なら外でおねんねしてるよ」
「おねんね……?」
「ああァ、ちょっとばかり首を捻ってやったから、もう二度と起きることはないだろうけどね」
どうやら首を括り殺したようだ。
「何ィ……」
「さァ、お姫様。行きましょうか。ワシらの新世界へ。グエッへへへ……」
丸太のような腕を伸ばし華奢なマキの腕を掴まえた。
「キャァァァーー……」
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
地鳴りのような雷鳴が轟いた。
分家の真姫は、どっぷりと湯船に浸かりくつろいでいた。
全身から汗が滲んで白い柔肌が、かすかに桜色に染まっている。
「ううゥン……、清貴様の首の無いご遺体は……」
真姫は唸りながら考えを巡らせていた。
ハッキリと見たわけではないが、背格好は似ていた。
しかしおそらく清貴の遺体ではない。清貴ならばもっと肌が青白いだろう。
「あれは……、間違いない」
兄、清基のものだ。
清貴の寝所に首を切断した兄の清基の遺体を見せしめのように磔にしたのだろう。
いったいなんのためにそんな面倒な事をしたのか。
また雷鳴が響いた。
「ン……」その時、湯殿の扉がゆっくりと開いていく。
「グエッへへへ……」不気味な笑い声が聞こえてきた。
「無礼な! 何ヤツ?」咄嗟に真姫は怒鳴りつけた。
「お姫様、ずい分と色っぽくなりましたねェ……」
顔中傷のある怪物のような男が顔を覗かせた。
「ううゥ……、お前は土蜘蛛衆の力鬼!!」
咄嗟に両腕で白くたわわな胸元を隠した。
「バカな、見張り番はどうした」
「グエッへへへ、見張り番の二人なら外でおねんねしてるよ」
「おねんね……?」
「ああァ、ちょっとばかり首を捻ってやったから、もう二度と起きることはないだろうけどね」
どうやら首を括り殺したようだ。
「何ィ……」
「さァ、お姫様。行きましょうか。ワシらの新世界へ。グエッへへへ……」
丸太のような腕を伸ばし華奢なマキの腕を掴まえた。
「キャァァァーー……」
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