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未来の揚羽の里✨✨✨

✨✨✨✨

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 何とか俺たちは古井戸をよじ昇り、屋敷へと着いた。
 九死に一生を得た感じだ。

「キャァ信さん、良かった。生きててェ……!!」
 お蘭は感激して信乃介に抱きついた。
「ああァ……、本当に良かった」
 彼もしみじみと生きている実感を噛みしめているようだ。

「よぉ、平家の隠し財宝は……」
 源内が訊くと信乃介らは苦笑いを浮かべ首を振った。
「お宝を奪おうとした土蜘蛛衆の将宗らは、みんな落盤に押しつぶされたよ」

「ケッケケェ……」
 しかしヒデだけは高笑いし、大事に懐から金塊を取り出した。
「見ろよ。オイラは何とか、これだけ持ち出したぜ」
 さすが山師のヒデだ。したたかで転んでもタダでは起きないようだ。
 どさくさに紛れて宝の山から幾つか持ち出したらしい。


 朝日が昇り夜が明ける頃、嵐は過ぎ去った。
 昨夜の喧騒が嘘のように穏やかな青空が広がっていく。

 しかし屋敷では見張り番等が右往左往していた。無理もないだろう。
 お舘様の清国が無惨に殺され、しかも地震により地下の洞窟に潜った土蜘蛛衆も壊滅的だ。何より里の民も相当、被害を受けた。傷ついた怪我人も続出したみたいだ。

「清雅様!」見張り番等は俺にひれ伏した。
「いや、俺は……、そんな」

「本日から当家のお舘様は清雅様です。なんなりとご命令下さい」
「はァ……」俺は助けを乞うようにチラッとお蝶を見た。

「でしたら、すぐに村人の安否と真姫マキ様や清斎様等の行方の捜索を……」
 お蝶は新しく主となった俺に進言した。
「そうだ。まずは地震による村人らの安否と、引き続き真姫様や清斎様等の捜索をして下さい」

「ハッ畏まりました」
 さっそく屋敷内の捜索が始まった。

 やがて地下にある座敷牢から痛々しい姿で真姫マキが救出された。


 縄で吊るされ全身鞭打たれた挙げ句、袋叩きにされたようだ。憔悴しきっている。

真姫マキ様……」
 無惨な姿に安易には声さえ掛けられない。







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