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秘密の洞窟✨✨✨✨

巨大地震……✨✨✨

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 突然の大きな地鳴りとともに洞窟内が揺れた。
 地震だ。
 徐々に揺れは激しくなっていく。

「おい、みんな逃げろォ!」
 すぐさま俺は金に群がっている連中に声を掛けた。
「金だ。金塊だァーー……」
「俺のモノだ。俺の金だァーー!!」
 しかし土蜘蛛衆は欲にかられ聞こえていない。なんともあさましい光景だ。

「早く逃げろォ!  早くしないと洞窟が崩れるぞ」
 信乃介も声を限りに叫んだ。

「うるさい!  金だ。金を全部持ち出せェ!!」
 だが欲に目のくらんだ将宗や加助は金塊を全部、抱えて運びだそうとしている。

「ダメだ。お蝶!  お蘭を連れて俺たちだけでも逃げるんだ」
 俺はお蝶へ命じた。洞窟が崩れれば元も子もない。

「ハイ……、行きますよ。お蘭!」お蝶が蘭の腕を引いた。
「でも金塊が……」お蘭も名残惜しそうだ。

「ヒデ、お蘭! 行くぞ。死んでは元も子もない」
 信乃介も人命第一のようだ。

 その時、更に大きく洞窟内が揺れた。さすがに今度はみんな逃げ惑った。
 ついに洞窟が崩落し土蜘蛛衆が大きな岩盤の下敷きになった。
「うッ、わァァーー」阿鼻叫喚だ。
 断末魔の悲鳴が洞窟内をこだました。

 俺たちも逃げようとした。だが、その前にお律が立ちはだかった。
「逃がすかァ!  清雅ァ!」
 まさに夜叉のような顔で俺を睨んでいる。もはや俺以外、目に入らないのだろう。

「お律様も逃げましょう。早くしないとこの橋も崩れます」
 すでに崩れ掛かっている。

「黙れェ……。死ねェーー!!」
 目を血走らせて俺に斬りかかってきた。
 死なば諸共。俺を地獄へ道連れにする気なのか。

 背後は断崖絶壁。落ちれば奈落の底へ真っ逆さまだ。







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