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秘密の洞窟✨✨✨✨

闇御前の正体✨✨✨✨

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「さすがだ……。信乃介殿」
 呻くように云った。おそらく致命傷だろう。
「ど、どうしてワシの小太刀を避けられたんだ」
 まるで事前に知っていたように。

「それは……、小太刀を投げるのが事前にわかっていたので」
「ほォ、なぜわかった。ワシが小太刀を投げることを」
 清貴は信乃介に尋ねた。

「ハイ、わずかに左手の握りが甘かったので、小太刀を放り投げて来ると事前にわかっていました。ですから咄嗟に避けることができたのです」
「ううゥ……」そうなのか。あの一瞬で、そんなことが。

「フフゥン、ううゥ……、なるほど……、清雅。済まぬ。こちらへ参られェ……」
 
「ハイ、清貴様……、兄上、なぜですか。どうして貴方様が闇御前の格好を」
 俺は双子の兄、清貴のすぐ耳元へ寄った。

「おごる平家はひさしからず……」
「ええェ……?」
「誓ってくれ……。清雅」
「ううゥ、誓ってとは何をでしょうか……?」

「平家を……、父上の野望を、お主の代で滅ぼしてほしい」

「ええェ……?  俺が平家の野望を滅ぼす」
「ぐうッ、そうだ……。紅い花の秘密は知っておろう」
「ハイ、ケシの花ですね」
「そうだ。あのケシの花の実を精製するとアヘンと云う怖ろしい麻薬になるのだ。人を惑わし、破滅させる恐ろしい花だ」

「ううゥ……」
「平家は、あの紅い花で天下を奪う気だ。そんな事をすれば、たとえ天下を取れたとしても人民が苦しみ破滅する……。
 絶対にあってはならない事だ。清雅……。
 お前が断ち切るのだ」

「あ、兄上……」
「ワシの出来なかったことを……、頼んだぞ」

「兄上!  ダメです。俺ひとりでは」
「お前には仲間がいるではないか。信乃介先生……、それに源内先生、そしてお蝶も……」

「清貴様、お気を確かに!!」お蝶も声を掛けた。
「フフ……、信乃介先生。ワシは侍として死ねる。ありがとう……」
「清貴様!」

「お蘭さん済まなかったな……」
「いえ、清貴様が闇御前だったなんてェ……」
 お蘭も辛そうに顔をしかめた。

「ぐうッ、頼んだぞ。清雅……」
 そう云うと兄上は力尽きた。

「清貴様ァーッ!!」
 洞窟内に悲痛な叫び声が響いた。









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