上 下
58 / 119
本家大邸宅✨✨✨

💕💕💕

しおりを挟む
 一同の熱く好奇の視線が俺とお蝶に注がれていく。

「フフ、清雅様……。他の事は考えずお蝶のことだけを見て下さい」
 お蝶は熱い眼差しで俺を見つめ囁きかけた。甘い吐息が俺の頬を撫でていく。
 一気に、全身から汗が滲んだ。
「ううゥ……」そうは云っても嫌でも視線を感じてしまう。

 お蝶の白い胸元が昂奮しているのだろう。薄っすらと桜色に染まっていく。なんとも艶めかしく弾力性に富んだ肌なのだろう。

「ゴックン……」お蘭も初めて目にするのだろう。 
 音を立てて生唾を飲み込んだ。隣りに座る信乃介の手をギュッと握った。

 すでに俺の下半身は痛いほどたかまっていた。
 だが、まだ周囲の視線が気になる。羞恥心をぬぐいきれない。
「フフ……、愉快だろう。清雅!!」
 当主の清国もお松の身体を翫《もてあそ》び、満足げに笑みを浮かべている。なんて卑劣な好色漢だ。
 退屈しのぎに、側妻《そばめ》と交わるつもりか。
 正妻のお律は憎しみの眼差しで俺たちを睨んでいた。

 お蝶の身体からみだらで淫蕩いんとうな雰囲気が漂っていく。しびれるほど甘く自堕落でフシダラな匂いを放っていた。
「ああァ……」
 いつしか俺はお蝶の手練手管に惑わされ、何も他が見えなくなっていった。

 ゆっくりとお蝶は俺を優しく包み込んでいく。形の良い唇が俺のモノへと重なっていった。
 ぬめるような舌が俺の唇を舐め、俺の口をこじ開けていく。甘く濡れた舌が俺のモノへ絡みついていった。息が止まるような長い口づけだ。
 お互いむさぼり合うみたいな長く激しい口づけだ。こんなに長い口づけは生まれて初めてだ。
 妖しく腰が蠢き俺の敏感な部分を刺激していく。

「あッあァああァ……、清雅様ァ」
 お蝶も感じているのか、喘ぐような吐息を漏らした。

「ンううゥ……、お蝶ォ……」快感に咽ぶように全身が震えていた。
 もう俺も他人の視線など気にならない。
 もはや二人だけの世界を堪能していた。
 二人の身体が一つになろうとしていた。
「ああァ……、お蝶ォォォ……!!」
 思わず俺の全身が弓のように反り返った。

 その時、薄っすらと俺の胸元に刻印が浮き出した。揚羽蝶の入れ墨だ。


「おおォォ! 見ろよ。キヨの胸元を!!」
 ヒデが興味津々に身を乗り出して指差した。
「ううゥ……、あれが噂に聞く陽炎カゲロウ彫りか」
 源内が笑みを浮かべてつぶやいた。
「うッうゥン……」信乃介も唸るように頷いた。
 昂奮したように一同が目を丸くした。

「ぬうぅ……」
 お律が悔しそうに歯噛みした。









☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

織田信長IF… 天下統一再び!!

華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。 この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。 主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。 ※この物語はフィクションです。

剣客逓信 ―明治剣戟郵便録―

三條すずしろ
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞:痛快! エンタメ剣客賞受賞】 明治6年、警察より早くピストルを装備したのは郵便配達員だった――。 維新の動乱で届くことのなかった手紙や小包。そんな残された思いを配達する「御留郵便御用」の若者と老剣士が、時に不穏な明治の初めをひた走る。 密書や金品を狙う賊を退け大切なものを届ける特命郵便配達人、通称「剣客逓信(けんかくていしん)」。 武装する必要があるほど危険にさらされた初期の郵便時代、二人はやがてさらに大きな動乱に巻き込まれ――。 ※エブリスタでも連載中

陣借り狙撃やくざ無情譚(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品)

牛馬走
歴史・時代
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品)猟師として生きている栄助。ありきたりな日常がいつまでも続くと思っていた。  だが、陣借り無宿というやくざ者たちの出入り――戦に、陣借りする一種の傭兵に従兄弟に誘われる。 その後、栄助は陣借り無宿のひとりとして従兄弟に付き従う。たどりついた宿場で陣借り無宿としての働き、その魔力に栄助は魅入られる。

豊家軽業夜話

黒坂 わかな
歴史・時代
猿楽小屋や市で賑わう京の寺院にて、軽業師の竹早は日の本一の技を見せる。そこに、参詣に訪れていた豊臣秀吉の側室・松の丸殿が通りがかり、竹早は伏見城へ行くことに。やがて竹早は秀頼と出会い…。

滝川家の人びと

卯花月影
歴史・時代
故郷、甲賀で騒動を起こし、国を追われるようにして出奔した 若き日の滝川一益と滝川義太夫、 尾張に流れ着いた二人は織田信長に会い、織田家の一員として 天下布武の一役を担う。二人をとりまく織田家の人々のそれぞれの思惑が からみ、紆余曲折しながらも一益がたどり着く先はどこなのか。

蘭癖高家

八島唯
歴史・時代
 一八世紀末、日本では浅間山が大噴火をおこし天明の大飢饉が発生する。当時の権力者田沼意次は一〇代将軍家治の急死とともに失脚し、その後松平定信が老中首座に就任する。  遠く離れたフランスでは革命の意気が揚がる。ロシアは積極的に蝦夷地への進出を進めており、遠くない未来ヨーロッパの船が日本にやってくることが予想された。  時ここに至り、老中松平定信は消極的であるとはいえ、外国への備えを画策する。  大権現家康公の秘中の秘、後に『蘭癖高家』と呼ばれる旗本を登用することを―― ※挿絵はAI作成です。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

信忠 ~“奇妙”と呼ばれた男~

佐倉伸哉
歴史・時代
 その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。  父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。  稀代の英邁を父に持ち、その父から『天下の儀も御与奪なさるべき旨』と認められた。しかし、彼は父と同じ日に命を落としてしまう。  明智勢が本能寺に殺到し、信忠は京から脱出する事も可能だった。それなのに、どうして彼はそれを選ばなかったのか? その決断の裏には、彼の辿って来た道が関係していた――。  ◇この作品は『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n9394ie/)』『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093085367901420)』でも同時掲載しています◇

処理中です...