89 / 119
カラクリ屋敷✨✨✨
✨✨✨
しおりを挟む
清貴の寝所は異様な雰囲気だ。
寝所では、すでに信乃介が来て遺体を確認していた。
「し、信乃介先生……」俺も遺体を見た瞬間、息を飲んだ。
無惨にも首が無くなっている。
「うううゥ……、これは!!」
なんて云う残虐な振る舞いだろう。目をそむけたくなるほどだ。とても正視に耐えない。
首の無い胴体が磔にされ、胸には刀剣が貫いてあった。
壁には血文字で『おごる平家はひさしからず』と書かれてある。よほど平家に怨みのある者の仕業なのだろうか。
「清さん……。いや、清雅様」
信乃介が俺に向かって云った。
「ハイ、なにか、わかりましたか?」
「ええェ、この遺体は何処か別の場所で斬られたようです。その遺体の首を切断して、ここへ磔にしたんだと思われます」
「なるほど……」確かに、ここで首を切断したとすれば出血が少ない。
「それと清貴様には俺も一度しかお会いしてないので、絶対とは云えませんが……。
俺の見立てでは、この遺体は清貴様ではないようです」
「えェ、なんですッてェ。清貴様ではない?」
俺はすぐに聞き返した。
「では誰だと云うんですか」
「おそらく年格好は似ているかもしれませんが、青白がった清貴様にしては日焼けして健康的です」
「なるほど清貴様は長患いでしたからね」
「ええェ、それにかなりの剣の腕前かと……。手の平に剣《ケン》ダコがありますし」
「うン……」俺も遺体の手の平を確認した。俺などとは比較にならないほど剣ダコがあった。
かなりの剣の達人なのだろう。
「では、清基様でしょうか」
傍らからお蝶が助言した。
「清基様……?」
「ハイ、分家の長男です。闇御前、清継様のご子息です。かなりの剣豪だと云う噂です」
「なるほど……」
そうなのかもしれない。
「うッおおォーッ! まただ。清貴様まで殺されたァ!!」
背後からお律が悲鳴を上げた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚
寝所では、すでに信乃介が来て遺体を確認していた。
「し、信乃介先生……」俺も遺体を見た瞬間、息を飲んだ。
無惨にも首が無くなっている。
「うううゥ……、これは!!」
なんて云う残虐な振る舞いだろう。目をそむけたくなるほどだ。とても正視に耐えない。
首の無い胴体が磔にされ、胸には刀剣が貫いてあった。
壁には血文字で『おごる平家はひさしからず』と書かれてある。よほど平家に怨みのある者の仕業なのだろうか。
「清さん……。いや、清雅様」
信乃介が俺に向かって云った。
「ハイ、なにか、わかりましたか?」
「ええェ、この遺体は何処か別の場所で斬られたようです。その遺体の首を切断して、ここへ磔にしたんだと思われます」
「なるほど……」確かに、ここで首を切断したとすれば出血が少ない。
「それと清貴様には俺も一度しかお会いしてないので、絶対とは云えませんが……。
俺の見立てでは、この遺体は清貴様ではないようです」
「えェ、なんですッてェ。清貴様ではない?」
俺はすぐに聞き返した。
「では誰だと云うんですか」
「おそらく年格好は似ているかもしれませんが、青白がった清貴様にしては日焼けして健康的です」
「なるほど清貴様は長患いでしたからね」
「ええェ、それにかなりの剣の腕前かと……。手の平に剣《ケン》ダコがありますし」
「うン……」俺も遺体の手の平を確認した。俺などとは比較にならないほど剣ダコがあった。
かなりの剣の達人なのだろう。
「では、清基様でしょうか」
傍らからお蝶が助言した。
「清基様……?」
「ハイ、分家の長男です。闇御前、清継様のご子息です。かなりの剣豪だと云う噂です」
「なるほど……」
そうなのかもしれない。
「うッおおォーッ! まただ。清貴様まで殺されたァ!!」
背後からお律が悲鳴を上げた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
おぼろ月
春想亭 桜木春緒
歴史・時代
「いずれ誰かに、身体をそうされるなら、初めては、貴方が良い。…教えて。男の人のすることを」貧しい武家に生まれた月子は、志を持って働く父と、病の母と弟妹の暮らしのために、身体を売る決意をした。
日照雨の主人公 逸の姉 月子の物語。
(ムーンライトノベルズ投稿版 https://novel18.syosetu.com/n3625s/)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる