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カラクリ屋敷✨✨✨

刀剣✨✨✨

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 異様な雰囲気の中、婚礼の儀が執り行われた。
 当主、清国の命令なので従わなければならない。

 まるで御伽おとぎ話しのようなうたげだ。龍宮城へ迷い込んだ浦島太郎の気分だ。
 住む世界がまったく違った。

「清雅!」上座に座る当主、清国に呼ばれた。
「ハイ、なんでしょうか……」
 俺は、畏まって頭を下げた。
「これからは、お主に平家再興の全権を託したぞ」
「そんな大層なことを……」

「フフゥン、すでに幾つも布石は打っておる。腐り切った徳川の世などワシ等が終わらせてくれよう」
 当主、清国は不敵に笑みを浮かべた。
「はァ……」頷いたものの困惑した。
 そんな途方もない平家再興の野望など俺は考えたこともない。
「そうだ。清雅!  これを受け取れ」
 当主、清国は俺の前に刀剣を一太刀、差し出した。
 よほど大事な刀剣のようだ。

「ううゥ……、こちらは……?」
「平家に代々伝わる刀剣じゃ!  見よ。ここに揚羽蝶の家紋が刻まれておるだろう」
 打刀のツバを指差した。
「揚羽蝶……」平家の紋章だ。確かに打刀のツバに揚羽蝶の家紋が刻まれていた。
 間違いなく由緒正しい刀剣だろう。
 その刹那、不意に奥座敷の外で騒ぎが起こった。

『退けェ……。私は正妻の律だ。そこを退けェ……』
 見張り番を相手に、大声で喚いているようだ。ケンカ腰だ。
 押しのけるように無理やり、お律が奥座敷へ入り込んできた。
「お舘様!  清斎が……。清斎が見つからないのです!」
 見張り番がなんとか取り抑えようとしているが、お律は場違いなほど取り乱している。尋常ではない。

「ぬうぅ、わかった。清斎の件は、手下の土蜘蛛衆にも探させておる!  暫くすれば見つかるだろう」
 清国もわずらわしそうに応えた。 

「いいえ、首謀者はその者…、清雅様なのです!!」
 お律はまた俺を指差した。

「そんな……、無茶を云わないで下さい。俺は清斎様には何もしていません」

「ぬうぅ、その刀剣は、まさか。お舘様……!!」
 お律は俺の受け取った刀剣を見て睨みつけた。

「その刀のツバに平家の家紋が刻まれた刀剣も、本来は清斎が授かるモノだ。返せェ。清雅ァ……」
 
「いえ、それは……」返せと怒鳴りつけられても、俺も今清国に戴いたばかりだ。

「わかっておるわ。そなたの魂胆など。その者は、清斎だけでは飽き足らず清貴様まで拐《さら》って、この揚羽の里を好き勝手に支配するつもりなのです!!」

「ううゥ、好き勝手に支配なんて滅相もない」

「この者が……、清雅が江戸から来て災いを招いたのです」
 お律は俺を指を差し名指しした。

「ええッい!  もう良い!  わずらわしい。誰か。このお律を何処かへやれ」
 ついに当主、清国もしびれを切らしたようだ。
 手下を怒鳴りつけ、お律を他所よそへやろうとした。

「ううゥ……、しかし」だが、お律は納得出来ないみたいだ。

 その時、また廊下を慌ただしく駆けてくる者がいた。見張り番の男だ。
「お、お舘様ァーー。た、大変です!!」








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