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カラクリ屋敷✨✨✨
沙羅双樹の花の色✨✨✨
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屋敷では俺を歓迎する宴が盛大に開かれていた。
俺と分家の真姫の婚礼だ。彼女は華麗で美しい。江戸では食うや食わずだったご身分だ。
おそらく嫁の来てもなかっただろう。
普通なら嬉しくて仕方がないはずだが、今俺はそれどころではない。
清貴や清斎、そしてお蘭の行方が掴めず信乃介等が必死に捜索しているのだ。出来れば俺も捜索に加わりたい。
心穏やかにしている方が無理だろう。
しかし宴もたけなわだ。主役の俺が中座するワケにはいかない。
「如何されました。清雅様……、まだみんな見つかりませんか」
艶やかな格好の真姫が俺を心配して尋ねた。
「ハイ、清斎様も清貴様も皆目見当がつかないようで……」
その時、琵琶が奏でられ、『平家物語』が流れてきた。
『……諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色……』
「えッ、沙羅双樹の花の色……。あッ、そうだ!!」
その時、艶やかな紅い色を見て閃いた。
「なにか……?」
「花だ! 花の色だよ」そう云えば、折り鶴の中にも栞のように押し花が挟まっていた。あの紅い花もそうなのかもしれない。
「ええェ……、花? なんの花ですか」
「ちょッちょっと真姫様。来てください。
それからお蝶も……」
視線で、合図を送った。
俺は真姫の手を引いて、信乃介や源内等を探した。
「どうかしましたか? 清雅様……」
お蝶も不安な顔で俺に訊いた。
「信乃介先生や源内先生をご存知ありませんか」
俺は片っ端から見張りや女中を捕まえて尋ねた。
「さァ、あちらの方で見かけましたが……」
「先生ッ!」俺は邸内を駆け回って信乃介を探した。ようやく鍵を発見したのだ。
早く信乃介等にも報せなければ。
「先生ェ……」ようやく信乃介を探し出した。
だが彼もまた俺に話しがあるようだ。
「やァ、またマズい事が起きたんだ」顔を合わせた途端、信乃介の方から話しを切り出した。
「え……? なんでしょう」
「それが、ヒデのヤツまで消えたんだ」
「な、ヒデさんまで……。まさか……?」
聞けば、忽然と山師のヒデも姿を消してしまったようだ。
「そのこととは別に……、ちょっと俺の方も内密に話しを……、よろしいでしょうか」
「ン……」
「真姫様も良かったら教えて下さい。あの紅い花をどちらから採って来たのでしょうか」
俺は囁きかけた。
「フフゥン、そう。あの紅い花の秘密に気づいてしまったんですね」
また真姫は意味深に笑みを浮かべた。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
俺と分家の真姫の婚礼だ。彼女は華麗で美しい。江戸では食うや食わずだったご身分だ。
おそらく嫁の来てもなかっただろう。
普通なら嬉しくて仕方がないはずだが、今俺はそれどころではない。
清貴や清斎、そしてお蘭の行方が掴めず信乃介等が必死に捜索しているのだ。出来れば俺も捜索に加わりたい。
心穏やかにしている方が無理だろう。
しかし宴もたけなわだ。主役の俺が中座するワケにはいかない。
「如何されました。清雅様……、まだみんな見つかりませんか」
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その時、琵琶が奏でられ、『平家物語』が流れてきた。
『……諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色……』
「えッ、沙羅双樹の花の色……。あッ、そうだ!!」
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「花だ! 花の色だよ」そう云えば、折り鶴の中にも栞のように押し花が挟まっていた。あの紅い花もそうなのかもしれない。
「ええェ……、花? なんの花ですか」
「ちょッちょっと真姫様。来てください。
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俺は真姫の手を引いて、信乃介や源内等を探した。
「どうかしましたか? 清雅様……」
お蝶も不安な顔で俺に訊いた。
「信乃介先生や源内先生をご存知ありませんか」
俺は片っ端から見張りや女中を捕まえて尋ねた。
「さァ、あちらの方で見かけましたが……」
「先生ッ!」俺は邸内を駆け回って信乃介を探した。ようやく鍵を発見したのだ。
早く信乃介等にも報せなければ。
「先生ェ……」ようやく信乃介を探し出した。
だが彼もまた俺に話しがあるようだ。
「やァ、またマズい事が起きたんだ」顔を合わせた途端、信乃介の方から話しを切り出した。
「え……? なんでしょう」
「それが、ヒデのヤツまで消えたんだ」
「な、ヒデさんまで……。まさか……?」
聞けば、忽然と山師のヒデも姿を消してしまったようだ。
「そのこととは別に……、ちょっと俺の方も内密に話しを……、よろしいでしょうか」
「ン……」
「真姫様も良かったら教えて下さい。あの紅い花をどちらから採って来たのでしょうか」
俺は囁きかけた。
「フフゥン、そう。あの紅い花の秘密に気づいてしまったんですね」
また真姫は意味深に笑みを浮かべた。
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