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カラクリ屋敷✨✨✨
✨✨✨
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どれほど時が流れたのだろう。すでに陽は西に傾き辺りは夕闇が迫っていた。蜩の鳴き声が聞こえてくる。
夜半から天候は崩れるらしい。風も強く吹いてきた。
あれからずっと捜索は続けられていた。
かなり屋敷の中を捜しているが、ようとして見つからない。相変わらず清貴、清斎、お蘭も行方知れずだ。
「お蘭! どこにいるんだァーー」
さすがに、信乃介もヒデも笑い事ではない。
それにしても可笑しな屋敷だ。
グルグルと同じ所を回っているような不思議な感覚がしてくる。
辺りは薄暗くまるで黄泉の国の迷宮を彷徨っているようだ。時折り遠雷も鳴り響いた。
不意に背後から女性に声を掛けられた。
「清雅様!」
「ええェ……?」
振り返ると当主、清国の側妻、お松が歩みよって来た。しびれるほど濃厚で甘美な匂いが漂ってきた。
「どうか、こちらへお戻りください。婚礼の儀の用意が整いました」
「いや、そんな婚礼の儀などしている場合ではないでしょう。清貴様も清斎様も行方知れずなんですよ」
もちろんお蘭もだが、この屋敷の方に取っては彼女が消えたことなど痛くも痒くもないだろう。
「大丈夫です。この屋敷から出れるはずはありませんから」
他人事のように冷たく微笑んだ。
「そ、それはそうかもしれませんが……、いくらなんでも、そんな言い方は」
無いだろう。清貴も清斎も平家にとっては、重要な人材だ。
「何処にしても時が来れば出てくるでしょう」
お松は意味深に笑みを浮かべた。
「うッううゥ……、しかし」
「あとは俺たちが探しますから、清雅さんは婚礼の儀の用意をなさって下さい」
信乃介は自信があるのだろうか、笑みを浮かべた。
「ですが……」
「大丈夫。邪鬼の狙いは俺だけなのですから。お蘭は俺をおびき寄せるための生け贄にするつもりでしょう。だとすれば、お蘭を殺しては生け贄にはならないでしょうからね」
「はァ……」
お蘭はそうかもしれないが、清貴と清斎は邪鬼に取って足手まといかもしれない。
いずれにしても彼等の安否が心配だ。
☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚☆゚.*・。゚
夜半から天候は崩れるらしい。風も強く吹いてきた。
あれからずっと捜索は続けられていた。
かなり屋敷の中を捜しているが、ようとして見つからない。相変わらず清貴、清斎、お蘭も行方知れずだ。
「お蘭! どこにいるんだァーー」
さすがに、信乃介もヒデも笑い事ではない。
それにしても可笑しな屋敷だ。
グルグルと同じ所を回っているような不思議な感覚がしてくる。
辺りは薄暗くまるで黄泉の国の迷宮を彷徨っているようだ。時折り遠雷も鳴り響いた。
不意に背後から女性に声を掛けられた。
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「ええェ……?」
振り返ると当主、清国の側妻、お松が歩みよって来た。しびれるほど濃厚で甘美な匂いが漂ってきた。
「どうか、こちらへお戻りください。婚礼の儀の用意が整いました」
「いや、そんな婚礼の儀などしている場合ではないでしょう。清貴様も清斎様も行方知れずなんですよ」
もちろんお蘭もだが、この屋敷の方に取っては彼女が消えたことなど痛くも痒くもないだろう。
「大丈夫です。この屋敷から出れるはずはありませんから」
他人事のように冷たく微笑んだ。
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無いだろう。清貴も清斎も平家にとっては、重要な人材だ。
「何処にしても時が来れば出てくるでしょう」
お松は意味深に笑みを浮かべた。
「うッううゥ……、しかし」
「あとは俺たちが探しますから、清雅さんは婚礼の儀の用意をなさって下さい」
信乃介は自信があるのだろうか、笑みを浮かべた。
「ですが……」
「大丈夫。邪鬼の狙いは俺だけなのですから。お蘭は俺をおびき寄せるための生け贄にするつもりでしょう。だとすれば、お蘭を殺しては生け贄にはならないでしょうからね」
「はァ……」
お蘭はそうかもしれないが、清貴と清斎は邪鬼に取って足手まといかもしれない。
いずれにしても彼等の安否が心配だ。
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